ROHM社がパワーデバイス及びIC向けシステマチック検証用Webシミュレーションツールを発表

2020年 3月 9日

ROHM社 2020年3月6日

2020年3月6日 ―― ROHM社は2020年3月6日、自動車や製造業で使用される電子回路およびシステムの技術者が、44の異なるソリューション回路上のパワーデバイスおよび集積回路を同時に検証することが可能なWeb解析ツール「ROHM Solution Simulator」を発表した。

自動車産業や産業装置市場だけでなく、あらゆる機器開発現場において、開発負荷を軽減するために、試作段階に先立って解析が実施される。加えて、電子回路基板の設計においては、コンポーネントの選択に要する時間と労力を最小化するとともに、基板の試作と評価に関連する工数を大幅に削減し、実際の装置の検証に先立って問題を特定するために用いられる。

ROHM社はこれまでも、流体解析を用いた熱生成現象および熱散逸結果の双方を検証するための熱設計支援と、解析を通じて製品の電気特性を再現するSPICEモデルをはじめとして、多様なユーザーの開発フローに対応して問題を解決するための幅広い製品群を提供してきている。

自動車や産業機器市場における大電力供給用に設計されたドライバICやパワーデバイスの特性を最大化させる回路の開発と支援に注力することに加えて、今回のROHM Solution Simulatorでは、パワーデバイスや集積回路のシステマチック検証が可能となる。

ROHM Solution Simulatorは、新たなWebベースの電子回路解析ツールで、コンポーネント選択や個々のデバイス検証を含む初期開発段階からシステムレベル検証段階に至るまでのさまざまな解析を実行することができる。同ツールにより、実際の回路と近い条件でSiCなどのROHMパワーデバイスや、ドライバICや電力供給ICなどの集積回路のシステマチックな検証を迅速かつ容易に実装できるようになり、機器開発負荷を軽減することができる。

同解析ツールは、Siemens社傘下で、自動車業界における実績が豊富な電気設計自動化ソフトウェアを強みとするMentor社のSystemVision Cloud(SVC)解析プラットフォームとともに開発された。このため、SVCアカウントを持つユーザーであれば、ROHM Solution Simulatorによって計算された解析データをユーザーのSVCワークスペースへ取り込むことで、より現実的な環境を用いて検証を実施することが可能となるとしている。

Siemens社傘下のMentor社製品であるSystemVision CloudのプロダクトマネージャーのDarrell Teegarden氏は、「ROHM社は、マルチドメインクラウドベースプラットフォームであるSystemVisionを用いて構築された本格的なオンラインソリューションの提供を通じて、顧客の開発期間とコストの削減に取り組んでいます。SystemVision Cloud環境内で動作するリファレンス回路やデバイスモデルの保守と強化へ注力することで、ROHM社はより一層顧客の問題解決に貢献できるでしょう」と述べている。

ROHM Solution Simulatorは、ROHM社の公式ウェブサイトで登録することで、無償で利用することができる。

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