Hexagon Manufacturing Intelligence社が工作機械検査用ソフトウェア「3D Form Inspect v2.8 SR2」を発表
2020年 4月13日
Hexagon Manufacturing Intelligence社 2020年4月10日
2020年4月10日 ―― Hexagon Manufacturing Intelligence社は2020年4月10日、工作機械検査用ソフトウェアの最新版となる「3D Form Inspect v2.8 SR2」を発表した。3D Form Inspect v2.8 SR2では、Q-DASでの統計的解析のために検査データを利用できるようになるほか、レポート機能の拡張や、普通公差や個別公差設定機能の拡張などが実装されている。
Hexagon Manufacturing Intelligence社製の3D Form Inspectは、他に類を見ない柔軟性と機能性、そして使い勝手の良さを併せ持つ、市場でも有数の工作機械検査用ソフトウェア。同ソフトウェアにより、工作機械の全ての軸で、部品の全ての面にある形状やルールドジオメトリを迅速に検査し、記録することができる。工作機上で部品を自動的に位置合わせするBest-Fit機能や、独自のキャリブレーションストラテジなどを搭載している。加えて、新機能開発に対するHexagon社の投資により、市場の要求の変化に対する3D Form Inspectユーザーの対応を支援するとしている。
公差機能の拡張
3D Form Inspectの最新版では、機械加工によって製造公差に関するISO 2768規格に準拠した部品を製造することへの需要の高まりに対応するための機能強化が実施されている。3D Form Inspectユーザーであれば、単一の検査点に対する個別公差をはじめとして、1クリックでISO 2768に準拠した検査を実行し、結果を検査レポートとして発行することができる。
新規レポート生成機能
3D Form Inspectには、明快な検査結果レポートを作成し、設計とデータ形式を調整する機能が備わっている。最新バージョンでは、各値に偏差バーを追加し、検査点が公差の範囲内に収まっているか否かを明確に示すことが可能となっている。
生産環境によっては、部品を工作機械上で検査するだけでなく、三次元検査機による検査をも必要とする場合がある。最新バージョンの3D Form Inspectでは、工作機械で行った検査結果のレポートと、PC-DMISソフトウェアを用いて三次元検査機によって作成した検査結果レポートに対し、それぞれのソフトウェアシステムで生成された結果を同様のフォーマットで表示することで、容易に比較できるようになっている。
測定対象外要素の設計
直接検査することはできない要素や寸法、あるいは距離を決定したいというユーザーは多い。3D Form Inspectでは、ボア(穴)や円筒などの2つの検査オブジェクト間に直線や軸を生成し、距離や角度を決定することでユーザーのニーズに対応する。この機能は、軸同士の距離と製品品質が密接に関係する歯車や動力伝達系統の製造時に極めて重要な機能となる。
検査結果の統計的評価のためのQ-DASエクスポート機能
中長期的に製造品質をどのように改善していくべきかを決定するうえで、検査結果は重要な情報源となる。最新バージョンの3D Form Inspectでは、工作機械での検査データを、Q-DAS統計処理ソフトウェアで処理できるようエクスポートすることで、より詳細に分析することが可能となっている。
OPS社製放電加工機対応
ニーズの拡大に対応し、最新バージョンの3D Form Inspectでは新たにOPS社製放電加工機へのインストールに対応している。本ソフトウェアは、Andronik 360およびSystem 1制御系と互換性がある。
3D Form Inspect 2.8 SR2は既に利用可能となっている。既存の3D Form Inspectソフトウェア保守契約者であれば、追加費用無しでアップデートし、トレーニングを受講できるとしている。