PTC社がPLMソフトウェア「Windchill 12」を発表

2020年 6月15日

PTC社 2020年6月9日

2020年6月9日 ―― PTC社は2020年6月9日、同社製PLM(製品ライフサイクル管理)ソフトウェア「Windchill」の最新版を発表した。Windchill 12では、新たなコラボレーションツールや製品品質を改善するための機能、および今日の変化し続ける作業環境へ対応するために必要なツールを提供するためのデプロイメントオプションの導入を大きな特徴としている。
製造分析および製品イノベーション戦略企業であるIDC社プログラムディレクターのJeffrey Hojlo氏は、「開発段階と関係者、および製品を通じて品質を維持しつつ、社内の製品開発プロセスを迅速化し、信頼性を高め、容易な管理を可能とする、製品開発プロセスにおけるコラボレーションの重要性の増大に多くの企業が気付き始めています。労働力の分散化やサプライチェーンの寸断、あるいは顧客ニーズの大きな変動など、多くの企業がCOVID-19パンデミックによって生じた難題に対処せざるを得ない中、製品開発プロセスにおけるコラボレーションの重要性はかつてないほどに高まっています。PTC社は、これらの市場のニーズへ対応するという同社の立ち位置を保ちつつ、顧客に対して柔軟性とレジリエンシーを提供し続けるでしょう」と述べている。
Windchill 12の主な機能強化は以下の通り。

製品データへの容易かつセキュアなアクセス>

Windchill 12では、ウェブベースユーザーインターフェイスと高度な設定が可能なアウトオブザボックス(事前定義済み)アプリケーションによる、製品データへの広範なアクセスにより、社内の情報共有を改善することができる。Silicon ExpertやIHSとの連携機能など、Windchill 12で導入された機能拡張を通じ、高度なコンポーネント調達や部品選択、およびリスク評価能力を提供することで、顧客利益を改善する。

全てのプロジェクトと工程へ品質管理を統合

Windchill 12では、開発から製造、サプライチェーン、および現地サービスに至るまでをひとまとめにすることで、設計上の問題を早期発見し、有害事象への対応を迅速化するための、優れた対処能力をユーザーへ提供することが可能となる。これらの機能により、品質不良を起因とするコストを抑制するとともに、市場投入期間を短縮し、顧客満足度を高めることができる。Windchill 12とWindchill RV&S、およびWindchill Modelerに加えて、IBM Doors NGをはじめとしたサードパーティ製要件管理ツール間での緊密なOSLC統合に基づく新たなトレーサビリティー信頼機能により、デジタルスレッドの基点において知的財産を保護することができる。PTC社の設計ソフトウェアCreoの最新版を活用し、Windchill 12と視覚化ソリューションのCreo Viewを組み合わせることで、CAD設計モデル内に確認された表示状態の変更を検知し、CTQ(品質に重大な影響を与える要因)特性を視覚的に管理することが可能となる。

コンカレント製造

サプライチェーンの遮断や安全基準の強化、市場投入迅速化への圧力などにより、顧客要望に合わせた製品構成への需要増大へ対応することがますます困難になってきている。Windchill 12では、設計と工場現場の情報との間でデジタルスレッド連続性を提供することで、より柔軟に製品の製造を調整できるようになるとしている。Windchill 12では、強力なBOM変換ツールが導入されており、製造技術者が迅速に上流での変更を確認し、下流となる製造と工場特有のBOMに合わせて調整することが可能となる。

デジタルファースト

Windchill 12では、PTC社製アプリケーションと非PTC社製アプリケーション間での互換性を確保し、複数のシステムを連携するためのODATA規格に基づいた新機能により、オープンであることと規格ベースの連携能力を保証している。Windchill 12では、以前のリリースからのアップグレードを計画し、実行するための追加ツールを提供することで、効率的なアップグレードを可能とし、顧客が最新のWindchillプラットフォームによる利益を迅速に得られるようになるとしている。
PTC社PLM部門統括マネージャーのKevin O'Brien氏は、「Windchill 12のリリースは、拡大するチームコラボレーションと新しい働き方に注目し、お客様の働き方の変化に対処するための、全社的なPLMプラットフォームの開発に対するPTCの継続的な取り組みを示すものです。最新のWindchillによって、PTC社製品群間でシームレスな連携が可能なだけでなく、必要に応じて、より迅速に最新の製品情報へアクセスできるようになることで、お客様がより俊敏に行動できるようになることを喜ばしく思います」と述べている。

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