Siemens Digital Industries Software社がSaaS版PLMソリューション「Teamcenter X」を発表

2020年 6月22日

Siemens Digital Industries Software社 2020年6月17日

2020年6月17日 ―― Siemens Digital Industries Software社は2020年6月17日、サービスとして提供される新たな製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションとなる、「Teamcenter X」ソフトウェアを発表した。製品イノベイターを念頭に置いて開発されたTeamcenterは、現代的でスケーラビリティーに優れ、機能的分野を超えて人々と業務を結び付けることを目的とした、業界でも定評のあるPLMスイート。Teamcenter Xは新たなSaaS(Software as a Service)製品で、これまでのオンプレミスPLM製品において必要不可欠であったITリソースを必要とせず、企業規模にかかわらず全てのユーザーが迅速に利益を生み出すことが可能となる。Teamcenter Xでは、事業規模の拡大に応じた柔軟な機能追加が可能で、迅速に利益を生み出せるとする、エンジニアリングおよび事業ソリューションに関する事前定義済みオプションが提供される。Teamcenter Xは全てのユーザーへクラウドの利点をもたらし、市場への製品投入期間の短縮を実現し、分散型の部署横断チーム同士を結び付けるとともに、あらゆるスケールでの効率性改善を支援する。

CIMdata社代表取締役兼CEOのPeter Bilello氏は、「Teamcenter Xは、Siemens Digital Industries Software社の非常に成功したエンタープライズデータおよびプロセス管理ソリューションであるTeamcenterにとっての重要な進化です。Teamcenter Xは、Teamcenterのベストプラクティスを組み込んだ全く新しいモダンなクラウドプラットフォームを活用し、あらゆる規模の企業に対してPLMを管理運用する負荷を削減するというビジネスモデルに基づくものです。Teamcenter Xは、産業を問わずあらゆる企業の関心を引くことでしょう」と述べている。

Siemens社のXcelerator製品群へ新たに加わった最新のSaaS拡張となるTeamcenter Xは、PLM導入による効果を迅速に実現し、製品開発の効率化を可能とする。Teamcenter Xにより、部署を超えた、セキュアで機敏な全社的コラボレーションのために、使い慣れたアプリケーションとPLMとを容易に接続することが可能となる。Teamcenter Xでは、機械CADソフトウェアのNXやSolid Edge、電気CADのMentorソフトウェア、およびALM(アプリケーションライフサイクルマネジメント)ツールのPolarion Xなどの、世界でも有数のソフトウェアツールとの連携やオープンマルチCAD手法の採用により、機械、電気、およびソフトウェアコンポーネントを含む、完全なデジタルツインのための可視性を提供するマルチドメインBOMの作成が可能となっている。予測的AIエレメントを備えた使いやすいインターフェイスにより、社内全体を迅速に立ち上げ、迅速かつより効率的に業務を実施できるようになる。Engineering ChangeやRelease Managementなどの事前定義済みソリューションにより、より効率的な作業が可能となる。Teamcenter XはMendix社のソフトウェアアプリケーションプラットフォーム上に構築されており、システム内に保存された社内全体のノウハウを統合し、全社的に展開することができる。

Siemens Digital Industries Software社Teamcenter事業シニアバイスプレジデントのJoe Bohman氏は、「先進的なPLMソリューション製品群とサービスをMendix社のローコードアプリケーションプラットフォームへ組み込んだTeamcenter Xにより、顧客の予想を超えるようなマルチドメイン製品を計画通りのスケジュールと品質、および予算で開発することが可能となります。Teamcenter Xは真のSaaSソリューションであり、我々のPLMに関するノウハウを基盤としつつ、マイクロサービスやAI、およびローコード開発を通じて、明日の技術を活用するものです。この度のTeamcenterの新たな進化は、あらゆる規模の企業にとって利益をもたらすものであり、新たな顧客のPLM展開を支援し、将来のイノベーションへ寄与できることを楽しみにしています」と述べている。

Teamcenter Xの発表と同時に、新たなクラウドベースの設計志向型プロジェクトコラボレーションサービスとなるTeamcenter Shareが発表されている。Teamcenter Shareは、ローカルないしネットワークハードディスク、あるいは汎用クラウドストレージソリューションからエンジニアリング志向型のコラボレーションツールへの移行を要望する企業を対象として開発された。Teamcenter Shareにより、製品開発の関係者がセキュアなクラウドストレージを通じてデスクトップファイルを共有することが可能となる。このクラウドストレージでは、製品開発関係者があらゆる端末から主要なCAD形式データを閲覧し、マークアップすることができるとともに、製品開発プロジェクトに関するコラボレーションを促進するためにほかの関係者とプロジェクトに関連する業務を容易に共有することができる。加えて、Teamcenter Shareでは洗練されたAR(拡張現実)機能が用意されており、タブレット端末やスマートフォンから容易にアクセスし、想定された環境内で設計中の製品がどのように機能するかをよりよく理解できるようになるとしている。

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