ITCがCADソフトウェア「IntelliCAD 10.0」をリリース
2020年 8月 3日
IntelliCAD Technology Consortium (ITC) 2020年7月31日
2020年7月31日 ―― IntelliCAD Technology Consortium (ITC)は2020年7月31日、IntelliCADシリーズCADソフトウェアの最新版となる「IntelliCAD 10.0」をリリースした。
IntelliCAD 10.0は、数多くの新機能を備えたメジャーリリースバージョンとなる。
IntelliCAD 10.0では、表示品質とパフォーマンスの強化のため、新たにOpenGL ESグラフィックスデバイスがサポートされている。このグラフィックス強化の一環として、新たな表示スタイルが導入されている。新規マテリアルライブラリには、エンティティやレイヤーに割り当て可能なマテリアルが含まれており、表示スタイルと合わせて画面へ表示することができる。加えて、スポットライトや点光源もまた、表示スタイルと合わせてプログラム内で表示することが可能となっている。再設計されたView Managerにより、より多くのオプションが利用可能となるとともに、ビューの背景や視野角、レンズの焦点距離などを動的に選択することが可能となっている。
新規ダイナミック入力により、コマンドプロンプトとカーソル上の計測ガイドが統合されている。.pc3形式カスタマイズファイルの印刷機能の強化により、余白やページサイズ、.pmpファイルおよび出力ファイルに応じて異なる項目を設定できるようになっている。インポートファイル形式の強化として、新たに.obj形式および.stl形式のインポートに対応している。また、カスタムエンティティに対する表示プロパティをはじめとして、さまざまなエンティティタイプに対して、多数の新規プロパティがPropertiesペイン内で利用できるようになっている。IntelliCAD 10では、ユーザーインターフェイスのカスタマイズ設定を従来のバージョンから移行できるようになっている。
エンドユーザーの生産性を大きく改善するために、レイヤーフィルターのソートと並び替え機能や、マルチラインテキストのパラグラフの結合と整形機能、画面のクリーニング時に隠すユーザーインターフェイスアイテムの決定機能、スタートページからの新規ビデオおよびオンラインリソースへのアクセス機能、閉じたエンティティをソリッドへ変換する機能、パブリッシュ済みシートごとのレイヤーステート指定機能、ステータスバーの再設計、セクション508ユーザービリティの強化、4Kディスプレイサポートの強化、およびハンガリー語の基本的なサポートなどの機能強化が実施されている。
BIMファイルに関する作業においては、屋根と梁の作図や梁用の留め接ぎ接合、アンダーレイ機能を維持しながら編集可能なポリフェースメッシュおよびポリラインへ添付されたBIMアンダーレイの分解機能、および区切り線や基準線用の新規オプションが利用可能となるなどの機能強化が実施されている。
.dgnファイルの読み込みやネイティブ形式としての保存および編集については、新たにマルチラインテキストコマンドや面取りコマンド、および寸法スタイルコマンドの実行が新たにサポートされている。
開発者向けの機能強化として、IntelliCAD 10ではODA SDK version 2020 Update 2を統合するとともに、API機能の強化により、.NETやIRX対応が強化されている。
以上の機能強化に加えて、全体的なパフォーマンスやファイルの取り扱いと編集、およびエンティティやテキストその他の選択に関する改良が実施されている。
ITC代表取締役のDavid Lorenzo氏は、「IntelliCAD 10は、ODAによって提供された新たなコアライブラリや新規ジオメトリライブラリ、グラフィックスの更新、および新規APIを含む、大規模な構造的アップデートとなります。ユーザー向けの興味深い新機能が多数あることに加えて、構造的な変更により、ITCメンバーによる複雑かつ多様なアプリケーションの構築が可能な、はるかに強固な基盤を提供できるでしょう」と述べている。
IntelliCAD 10の新機能に関する紹介動画がYouTube上で公開されている。
IntelliCAD 10.0は、Microsoft Windows 10に加えて、Windows 8およびWindows 7の64ビット版に対応する。IntelliCAD Mobile Viewerバージョンは、WindowsデスクトップとGoogle Androidに加えて、Apple macOSおよびiOS端末で利用できる。
IntelliCADへ興味がある場合は、ITCメンバーへ連絡することでIntelliCADソフトウェアの利用可能性についての詳細を入手できる。
IntelliCADおよびITC内のメンバーシップに関する詳細について興味がある企業は、ITCへ直接連絡する必要がある。ケーススタディーに関するIntelliCADおよびITCに関する詳細情報については、IntelliCAD公式サイトを参照。