Remcom社が3次元電磁場解析ソフトウェア「XFdtd」をアップデート

2020年 8月31日

Remcom社 2020年8月27日

2020年8月27日 ―― Remcom社は2020年8月27日、同社製3次元電磁場解析ソフトウェア「XFdtd」のアップデートを発表した。同アップデートでは、高性能チューナーや特異点補正法への対応を含む、ミリ波帯5Gアンテナ設計における問題を解決するための新機能が導入されている。加えて、PCB(プリント基板)インポート機能の強化により、設計ワークフローにおける時間短縮を可能としている。

モバイルデバイスの複雑性が増大するにつれて、利用可能なデバイス内空間はますます少なくなる一方で、より多くのアンテナを搭載しつつ、効率性を最大化する必要が生じている。バンドカバレッジを最適化するためには、チューナーやスイッチのようなマルチポートRFデバイスの導入が有効となる。これらの技術革新に対応するため、XFdtdのCircuit Element Optimizer(回路要素最適化)へ新たにマルチポートデバイス機能が導入されており、開発中のネットワークとの適合性解析において、これらのコンポーネントを組み込み、テストできるようになるとしている。

特異点補正法は、アンテナや伝送線路などのジオメトリにある導電性エッジ周りの常に変動する電磁場を精度良く把握するための優れたメッシュ生成手法。XFdtdでは、金属製エッジに隣接する電磁場の値を時間ステップ中に調整することができる。特異点補正機能により、空間的な場に大きな変化を生じさせる多数のアンテナやコンポーネントが存在するより周波数の高いミリ波解析において、精度を大幅に改善し、デバイスの予想される振る舞いに対する信頼性を高めることができる。

新たなXFdtdのリリースでは、プリント基板インポート機能が強化されており、プリント基板のジオメトリに加えて、ドキュメンテーションレイヤーをインポートすることが可能となっている。多くの場合、ドキュメンテーションレイヤーにはデバイスの製造日やIDナンバーなど、有用な製造者情報が含まれている。さらに、ODB++またはBRDファイル形式で指定された集中定数回路コンポーネントのインポートも可能となっており、手動で追加する必要がなくなっている。

XFdtdの最新版に関する詳細情報については、Remcom社Webサイトに記載されている。Remcom Professional Supportが有効でないXFdtdユーザーについては、同社営業担当への連絡を通じてアップグレード可能としている。

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