Siemens Digital Industries Software社が電気モーター設計用ソフトウェア「Simcenter Motorsolve 2021.1」および「Simcenter SPEED 2021.1」をリリース
2021年 5月17日
Siemens Digital Industries Software社 2021年5月11日
Siemens Digital Industries Software社は2021年5月11日、同社製電気モーター設計用ソフトウェアの最新版となる「Simcenter Motorsolve 2021.1」および「Simcenter SPEED 2021.1」をリリースした。
Simcenter MAGNETへの移行
これまでのバージョンでも、Simcenter MAGNET内での追加解析および分析のためにSimcenter Motorsolveの2Dモデルを利用することは可能であった。ただし、3Dモデルに対して、構成の異なる座巻を備えたコイルを作成するなどの追加のセットアップ作業が必要であった。
Simcenter Motorsolve 2021.1では、Simcenter MAGNETモデルの自動エクスポート機能が導入されている。同機能により、詳細な座巻情報を含む3Dモーターモデルを自動的にエクスポートすることが可能となる。この機能により、2D解析からより忠実度の高い3D解析と分析へ、シームレスに移行することができるようになっている。
HEEDS用ダイレクトインターフェイス
HEEDSは、強力な設計空間探索および最適化用ソフトウェアパッケージである。Simcenter Motorsolve 2021.1では、HEEDS Workflow Manager内で、ダイレクトポータルとしてSimcenter Motorsolveを利用することが可能となっている。加えて、Simcenter Amesimなどのワークフロー中のそのほかの解析プロセスへSimcenter Motorsolveを追加し、分野横断的な連成最適化問題を定義することも可能となる。このような組み合わせによって、車両の排出レベルと電気機械のパフォーマンスを同時に最適化することも可能になるとしている。
組み込み型車両モデル
Simcenter Motorsolve 2020.2では、ユーザー定義可能なデューティサイクルベースの性能解析機能が導入された。同機能により、設計プロセスへ現実的な車両の振る舞いを組み込み、任意の負荷条件における損失を計算するためのシステム解析によって求められた機械の性能要件をインポートすることが可能となった。
同機能をベースとして、Simcenter Motorsolve 2021.1では、基本的な車両モデルが追加されている。統合化された基本的な車両モデルにより、モーターに必要な回転数とトルクを予想できるようになるとしている。
新規Simcenter SPEED FEA Solver
電気モーターにおける材料の非線形性や飽和効果の解析のためには、有限要素解析ソルバが必要となる。Siemens社によれば、これらの効果は機械の性能に対して大きな影響があり、有限要素法による精度の高い解析が行えなければ、設計の検証が不可能になるとしている。
Simcenter MAGNET技術に基づいて新たに導入されたSimcenter SPEED FEA Solverにより、一連の有限要素法解析が可能となる。内蔵されたワークフローによって2Dモデルを作成した場合、Simcenter SPEED FEA Solverで直接解析することも、Simcenter MAGNETへエクスポートすることもできる。
新規ソルバのSimcenter SPEED FEA Solverにより、表皮効果と近接効果に基づく損失を考慮できるようになる。加えて、Siemens社によれば、効率や渦電流損失、および機械性能計算に関する予測精度が向上しており、従来Simcenter SPEEDで利用可能だった有限要素法オプションよりも優れた効果をもたらすとしている。