MathWorks社が数値計算ソフトウェア「MATLAB Release 2021b」をリリース

2021年10月 4日

MathWorks社 2021年9月29日

2021年9月29日 ―― MathWorks社は2021年9月29日、同社製数値計算ソフトウェア「MATLAB」、およびモデルベースデザイン用ブロック線図環境「Simulink」の最新版となるRelease 2021bを発表した。Release 2021b(以下R2021b)では、新製品2種の追加と5つのメジャーアップデートのほか、MATLABとSimulinkに対する数百項目にも及ぶ新機能の追加と機能強化が実施されている。MATLAB R2021bでは、コードリファクタリング機能とブロック編集機能に加えて、MATLABからPythonコマンドとスクリプトを実行する機能が導入されている。Simulink R2021bでは、異なるシナリオを想定した複数の解析をSimulink Editorから実行できるようになるほか、Simulink Toolstrip内でカスタムタブを作成できるようになっている。
加えて、R2021bでは、無線通信をサポートするための以下の新製品が導入されている。

RF PCB Toolbox

RF PCB Toolboxは、無線通信用高速伝送多層プリント基板の設計と解析、および視覚化を可能とするツールボックス。RF PCB Toolboxにより、トレース(配線)や曲げ、あるいはビア(穴)などの分散化されたパッシブ構造を含む任意のジオメトリやパラメーター化されたジオメトリを持つコンポーネントを設計することができるようになる。加えて、モーメントの周波数ドメイン法やその他の電磁気技術を用いることで、ばらつきや寄生容量をモデル化することができる。また、同ツールボックスでは、Cadence AllegroやMentor Expedition、Altium、およびZukenのデータベースやODB++をサポートすることにより、シグナルインテグリティ(信号品質)技術者によるプリント基板レイアウトの高速部分の解析が可能となるとしている。

Signal Integrity Toolbox

Signal Integrity Toolboxでは、高速なシリアルまたはパラレルリンクの設計用関数およびアプリが提供される。同ツールボックスにより、複数のパラメーターをカバーするテストを生成し、設計指標を展開し、波形と結果を視覚化することが可能となる。Signal Integrity Toolboxは、平準化やクロックリカバリーを解析するための統計的時間領域解析用に規格準拠のIBIS-AMIモデルをサポートしている。

これらの新製品に加えて、R2021bではSymbolic Math ToolboxやLidar Toolbox、Simulink Control Design、およびその他の深層学習や強化学習、予知保全、統計、および機械学習を対象とする製品に対するメジャーアップデートが実施されている。R2021bは直ちに全世界で利用可能となるとしている。MATLABとSimulink製品ファミリーに関する全ての新製品や機能強化、および不具合の修正の詳細については、以下のWebページ上で公開されている。

R2021b - Updates to the MATLAB and Simulink product families - MATLAB & Simulink

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