Siemens Digital Industries Software社がオンラインPCBビューアー「Siemens Online PCB Viewer」を発表

2021年10月18日

Siemens Digital Industries Software社 2021年10月14日

2021年10月14日 ―― Siemens Digital Industries Software社はオンラインPCBビューアー「Siemens Online PCB Viewer」を発表した。製造前のPCB(プリント基板)ボードの視覚化は課題になっている。工程設計、試験および製造技術者や調達・原価専門家はボード設計を専用フォーマットのZIPファイルで受け取ることが多いが、使用しているPCが異なるファイルフォーマットやデータのインポートを扱えないことがある。データの可読形式への変換は手間やコストがかかることもある。

ほとんどのツールはガーバーファイルを読み込みおよび表示可能であるため、メーカーはボードの製造時に個々のレイヤーの画像の抽出およびレイヤー同士の結合を行うことがある。しかしそうしたデータは画像に基づいているためインテリジェントデータが含まれず、フィルタリングや編集を行うことができない。インテリジェントデータがないために、製造前の潜在的な問題を認識することが難しくなっている。

Siemens社はこうした課題の解決のために「Siemens Online PCB Viewer」の開発を発表した。Siemens Online PCB Viewerは設計に使用されたプログラムの種類を問わずにZIPファイルからインテリジェントデータを抽出し、ボードの視覚化を容易にするグラフィカルなビューアーになっている。2~3種類のフォーマットに限定されているほかのビューアーとは異なり、Siemens Online PCB ViewerはGerber、PADS、ODB++Design、Altiumその他を含む20以上のツールないしフォーマットのレイアウトボードファイルの視覚的表示が可能になっている。

メーカーは同プラットフォーム上でボードを読み込むだけで寸法や部品密度、複雑性を確認することが可能になっている。レイヤーや部品のカウント、部品間の距離の測定およびボード上の部品フットプリントの確認を素早く行うことが可能であり、配置可能な最適部品の選定に役立つとしている。テスト計画に影響を及ぼすネット数の確認や製造過程で発生しうる課題の理解も可能になる。

インテリジェントデータセットは特定の部品またはネットの検索や、個々の部品の性能(例えば部品がレジスタやキャパシタである場合など)の確認といった包括的ナビゲーションに利用することができる。インテリジェントデータは製造への円滑な引き継ぎを容易にし、より精密な製造工程を実現可能にするとしている。

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