BigRep社が大型3Dプリンター向けにTeton Simulation社製スライシングソフトウェア「SmartSlice」を導入

2021年11月15日

BigRep社 2021年11月10日

2021年11月10日 ―― BigRep社とTeton Simulation社は2021年11月10日、Teton Simulation社のスライシングソフトウェア「SmartSlice」テクノロジーをBigRep社製の樹脂押出法ベースの大型3Dプリンターへ統合することで合意したと発表した。
両社の提携は、大型3D造形システムに対して「パフォーマンス要件ベースの検証と造形パラメーター最適化の利益をもたらす」ことを目的としている。BigRep社は現在、2018年11月に発売されたBigRep Proや2019年5月に発売されたSTUDIO G2をはじめとして、複数の大型3Dプリンターを提供している。

Teton Simulation社は、3D造形用ファイルの準備とスライス処理の最適化の支援を目的としてSmartSliceソフトウェアを開発し、昨年のUltimaker社製品ユーザー向けの提供開始を皮切りに、これまでにBCN3D社およびStratasys社との協力関係を築いている。今回の提携開始に伴い、BigRep社製大型3Dプリンター製品のユーザーが部品を造型する際に、より確実に機能性およびパフォーマンスに関する要件を満たすことができるようになるとしている。

現在はPRO HTやHI-TEMP CFなどのBigRep材料へ対応すべく作業を実施しており、部品の負荷ケースの迅速な定義や、材料の機械的制限に対する造形後のパフォーマンスや部品の変形の検証が可能になる予定となっている。両社は、Formnext展のBigRep社のブース(Hall 12.1、Booth F01)において、両製品の連携について公開予定としている。
両社の提携について、BigRep社マネージングディレクターのSven Thate博士は、「Teton Simulation社と共同で作業し、同社の高度なFDM(熱溶解積層法)解析テクノロジーの可能性を探求できることにワクワクしています。業界標準である同社の設計検証技術により、極めて負荷の大きな用途においても大型FDMの活用が拡大するものと確信しています。加えて、同社の負荷に基づく設計最適化機能によって、劇的な時間と材料の節約が実現し、工業レベルでのFDM技術の活用がかつてないほど容易になると考えています、」とコメントしている。

Teton Simulation社CEOのDoug Kenik氏は、「SmartSliceの能力を大型3Dプリントの世界へもたらすためのBigRep社との提携について発表できることに興奮しています。非常に大型で高品質な量産レベルの部品を製造することを可能とする同社は、材料消費の削減や効率性の強化、およびプロジェクト費用の節減に関するまたとない機会を提供できるでしょう。また、BigRep BLADEスライサーソフトウェアと組み合わせることで、SmartSliceの完全な活用が可能となり、ユーザーに対して大きなメリットがもたらされることになるでしょう」と加えた。

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