OPEN MIND Technologies社がCAD / CAMソフトウェア「hyperMILL 2022.1」を発表

2021年12月20日

OPEN MIND Technologies社 2021年12月17日

2021年12月17日 ―― 世界的なCAD / CAMソフトウェアデベロッパーであるOPEN MIND Technologies社は2021年12月17日、同社製CAD / CAMソフトウェアの最新版となる「hyperMILL 2022.1」を発表した。同社によれば、hyperMILL 2022.1では、2.5軸加工から5軸加工に至るまでの用途における強力なNCプログラミング用の新機能や機能拡張が提供されるとしている。

OPEN MIND Technologies USA社マネージングディレクターのAlan Levine氏は、「プログラミング効率の継続的な改善やお気に入りのルーチンを維持するやり方を提供することは、オペレーターエクスペリエンスを強化し、効率化するうえで非常に重要です。hyperMILLの最新版で導入された最新機能や機能強化により、各種プログラミングツールがより便利になるとともに、より迅速なプログラミングが可能となるでしょう」と述べている。

2Dストラテジーと3Dストラテジー、および工具とジョブの効率性

hyperMILL 2022.1における強化点として、輪郭ミーリング用の新規バリ取り機能やポケット加工と仕上げ加工パスをまとめての工具補正、および3D平面機械加工の効率性の向上が挙げられる。新規導入の自動化3D平面機械加工ストラテジーでは、アダプティブポケットが存在する場合などのパラメーターに基づく高パフォーマンスパスレイアウトの検索機能によって、機械加工効率を改善することができる。

hyperMILL CONNECTED Machiningモジュールを用いることで、長さや径、コーナー径、および工具番号などの工具データ、あるいは工具名をhyperMILLからHeidenhain TNC640コントローラーへ直接転送することが可能となっており、工具データの信頼性の改善と時間の節約を実現するとしている。また、2022.1リリースでは、プログラム作成用にキャリブレーション済み工具を工具管理システムからhyperMILLへインポートし、工具リストや個別の工具データを加工機へ転送することが可能となっている。

ブロー成形および管加工に関する開発

hyperMILL 2022.1では、ブロー成形用の5軸ラジアル加工ストラテジーが強化されており、角度の急な領域やアンダーカット領域の取り扱い能力が向上しているほか、必要に応じて3軸加工機を適用できるようになっている。5軸管仕上げ加工においては、加工品質の向上とプログラミングの単純化を実現するためのさまざまな機能強化が実施されている。

仮想機械加工機能の拡張

hyperMILL 2022.1では、5軸テーブル・テーブル加工機用のhyperMILL VIRTUAL Machining Optimizer内のリンキングロジックが改善されている。VIRTUAL Machining Optimizerモジュールは、個々の部品プログラムを円滑かつ安全な接続にリンクする機能を備えている。『Optimized Table-Table Logic』(最適化テーブル・テーブルロジック)オプションにより、ユーザーによって選択された距離値を元に、Optimizerモジュールによってジョブリスト内の未加工部品やコンポーネント、およびクランプ情報を用いて安全な距離を計算することが可能となる。指定された距離は全コンポーネント同士で確保され、移動シーケンスは自動的に最適化される。

仮想機械加工機能の積層造形対応

hyperMILL 2022.1では、加工軸の範囲が限られることの多い積層造形工程向けの新規VIRTUAL Machining機能が利用可能となっている。本リリースでは、NCコード生成中にhyperMILL VIRTUAL Machining Optimizeを利用できるようになっており、機械加工を最適化するための積層造形ツールパス解析を実行できるようになっている。

EDM加工における時間短縮

hyperMILL 2022.1では、CAD機能に関する機能強化とhyperCAD-S Electrodeモジュールの統合により、放電加工中のトラバースパスの制御が可能となり、コントローラー上で使用するプログラムが不要となっている。移動シーケンスはhyperMILL SIMULATION Centerを用いて解析可能で、干渉検出も可能としている。

ミルターン関連の機能強化

hyperMILL 2022.1では、hyperMILL MILL-TURN機能に対して、より効率的なプログラミングや解析処理、および主軸と対向主軸コンフィギュレーションを持つ加工機用の管理などの機能強化が実施されている。各ジョブは「主軸」および「対向主軸」コンテナに連なる単一のジョブリスト内にプログラムされ、対応する機械加工側面に応じて適切に割り当てられる。コンポーネントまたは棒材は、パーティングの有無にかかわらず新規移送ジョブへ転送される。主軸側と対向主軸側、およびコンポーネント移送ジョブからのNC出力は、単一の機械モデルとポストプロセッサーを備えた完結した単一のNCプログラムとして実行される。

このプロセスは、初期段階ではSiemens社製コントローラーを備えたDMG Mori製CTX加工機で利用可能となる。また、旋削または溝加工用のコンポーネント領域もプログラミングフィーチャーとして認識され、構造化されたうえで表示される。認識されたフィーチャは、複数の旋削領域や面加工領域、溝加工領域、およびこれらのテクノロジーを組み合わせて加工される領域へと自動的に分割されるとしている。

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