Siemens Digital Industries Software社が3D CADソフトウェア「NX」の最新版を発表

2022年 2月21日

Siemens Digital Industries Software社 2022年2月10日

Siemens Digital Industries Software社(Siemens)は2022年2月10日、ソフトウェアサービス、Xceleratorポートフォリオの一部で、業界をリードするNXソフトウェアの最新版を発表した。NX最新版では、人工知能(AI)や高度な解析機能などの先進技術を活用するとともに、設計者、エンジニア、製造者のコミュニティがより迅速に改革を起こしつつ、生産性と機能性も大幅に強化できるよう、引き続き継続して投資を行っていく。

CIMdataのエグゼクティブコンサルタント、Ken Versprille博士は次のように述べている。「SiemensのNX最新版では、コンバージェントモデリングと自動化されたモデルベース定義のオーサリングによるPMI生成と、タスクベースのコラボレーションにより、要求仕様から部品生成、積層造形、最終加工までのトポロジー最適化設計をスムーズに取り込んでいます。工程の各段階で関わる人々にとっても分かりやすいインターフェイスはユーザーから歓迎されるでしょう。」

NXソフトウェア最新版のハイライト

新しいNXトポロジーオプティマイザーは、設計スペース要件に基づいた部品作成支援をするため、手動設計ではほぼ不可能である完全に編集可能なコンバージェントボディの作成を可能としている。設計変更が必要な場合もそれを素早く実行でき、最適化と、その他下流工程の情報が自動的に更新されるため、作業時間が短縮されて、インテリジェンス設計と技術データを最大限に再利用することができる。

Design Space Explorerは、設計スペースの探索とジェネレーティブエンジニアリングを組み合わせ、設計者が複数のオブジェクトに対して設計を自動的に最適化するための支援ツールである。設計者は、全てのパラメーター、制約などを設定して最適化の問題を定義した後、NXはSimcenter HEEDSソフトウェアを使用して多目的パラメーターの最適化を実行する。そのため設計者は、解析の専門家を必要とせずに設計代替案を即座に検討することが可能となっている。

人工知能(AI)と機械学習(ML)を強化したSelection Prediction(選択予測)、Select Similar(類似品選択)コマンドは、形状認識により類似形状の素早い識別が可能となった。また、NXボイスコマンドアシストでは、ユーザーはコマンドの呼び出し、層が深いメニューの操作、および一般的なタスクを実行するための単語やフレーズをシステムに記憶させることが可能となった。例えばNXに「以前に似たような作業を行ったか?」と尋ねると、Siemens Geolusテクノロジーを使用した形状検索が実行される。

NXのラティス構造は、SiemensのSimcenter 3D解析を使用して、最適なラティス構造を単一の環境で得られるようになり、従来必要だった複数の設計解析手順が不要となった。また、パーツオリエンテーションオプティマイゼーション(部品位置最適化機能)では、機械成形エリア内の部品(および関連のサポート)をネスティングし、クラウドベースの位置最適化プロセスを統合して、熱変形を低減する最適な成型位置を特定できる。Siemensは、ユーザーの製造プロセス全体の最適化を支援するために設計された、アディティブマニュファクチャリング(積層造形)の先進機能を継続して提供していく。

Siemens Digital Industries Software社のプロダクトエンジニアリングソフトウェア担当でシニアバイスプレジデントのBob Haubrock氏は次のように述べている。「Siemensは新しいNXをリリースする度に、製品開発システム能力の限界を引き上げています。NXを継続的にリリースすることが、私たちのコミュニティでは高評価を得ており、業界をリードする機能を以前よりも短縮して提供できるようになりました。つまり、顧客は新しいツールや技術へアクセスでき、それぞれの設計、技術、製造の課題に適用することで、より短期間で問題解決ができるようになりました。今回のリリースでも、1,200件を超える顧客からの機能強化リクエストがあり、今後も顧客が日々利用しているコアツールの改良を続けていきます」。

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