3D Systems社がTitan Additive社の買収を発表

2022年 3月 7日

3D Systems社 2022年2月23日

3D Systems社は2022年2月23日、コロラド州に拠点を置く大型産業用3Dプリンターの設計、製造会社であるTitan Additive社(Titan Robotics社とも、以下Titan社)の買収契約締結を発表した。3D Systems社は、この買収取引を2022年4月中に完了させたいとしている。Titan社は、ペレットベースのポリマー射出3Dプリント技術のマーケットリーダーであるだけはなく、ハイブリッドのツールヘッド構成を提供する唯一のメーカーでもある。Titan社は独自の積層造形(AM)技術を使用して、アプリケーション固有のプロセスを開発することにより、顧客にソリューションを提供している。今回の買収により3D Systems社は、ポリマーAM技術ソリューションの強化、拡大をし、鋳造、一般消費財、サービス、輸送・モータースポーツ、航空宇宙・防衛、その他製造業などの市場における新しいアプリケーション開発にも対応できるとしている。

3D Systems社のCEOであるJeffrey Graves博士は次のように述べている。「産業およびヘルスケア市場における主要な積層造形ソリューションのパートナーとして、弊社は顧客のAM生産ニーズに可能な限り幅広く対応することを約束します。Titan社独自の射出技術が加わることで、大量生産、高性能、生産性の向上を求める顧客ニーズに対し、大幅にコスト削減をしたうえで対応できるようになります。Titan社プリンターの革新的なモジュラーアプローチと、ペレットとフィラメント両方の製品形態で広く利用されている生産用ポリマーシステムの能力を通じて、産業用3Dプリントの普及率は加速し続けるだろうと確信しています。Titan社のエンジニアリングとアプリケーションの専門知識、また弊社の世界的な販売・サービス網、そしてアプリケーションチームを組み合わせることで、私たちは市場のあらゆる範囲にわたって顧客をサポートする体制を整えられます。」

Titan社は、ペレット射出、フィラメント射出、および精密仕上げ用スピンドルツールヘッドをはじめとした、ハイブリッドのツールヘッド構成を提供する唯一のメーカーである。これら構成の中から最適な組み合わせを選択できる非常に柔軟性の高いシステムによって、幅広い顧客のニーズを満たすことが可能となっている。そのため、30インチx 30インチx 45インチ(76cm x 76cm x 114cm)から最大50インチ x 50インチ x 72インチ(127cm x 127cm x 183cm)までの大きさがあるヒートビルドプレートとチャンバーを用いて、大型工業部品を最高30,000mm / 分の速度で印刷できるとしている。今後顧客の要望が拡大しても、Titan社のモジュール式システムは簡単にアップグレードできるため、新しい素材や製品構成に適応しながら目標とする性能とコスト削減を最大限に達成できるとしている。

Titan社CEOであるRahul Kasat氏は次のように述べている。「弊社のチームが、3D Systems社という世界的クラスの組織の一員となれることに喜びを感じています。弊社のリーダーシップチームであるClay Guillory氏、Bill Macy氏、Maddie Guillory氏と私の四人は、生産用積層造形ソリューションで、従来の製造業の概念を変えるというTitanとしてのミッションも継続して取り組んでいきます。ペレットベースの射出成形とハイブリッド製造システムが生産アプリケーションの新しいスタンダードとなる中、今回の買収による相乗効果によって、あらゆる製造業で産業用3Dプリントの導入が拡大されていくことを楽しみにしています。」

ペレットを用いたダイレクト3Dプリントは、材料の選択肢を広げることが可能だ。軟質な素材から、炭素繊維やガラス繊維に樹脂を高充填したような高性能素材まで、数百種類の材料が購入できるためである。これによりユーザーは用途に応じた最適な材料を選択できるだけではなく、最大で75%のコスト削減を実現できる可能性も持ち合わせることとなる。生産の高速化と短いサイクルタイム、そして低コストの組み合わせによるこれらのソリューションは、以下のさまざまな分野において理想的としている。

  • 砂型鋳造
  • 金型(熱成型、真空成型、シートメタル成型、複合金型など)
  • 組み立て、製造工程で使用する治具
  • 射出成型の代替、エアダクト、アンダーフード、ブラケット、構造部品など高温耐性のある最終用途部品

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