IMSI Design社がCADソフトウェアのTurboCAD 2022をリリース
2022年 5月 2日
IMSI Design社 2022年4月21日
IMSI Design社は2022年4月21日、同社が開発を行う3D CADの最新版「TurboCAD 2022」を発表した。本製品はWindowsデスクトップPC向けで、Platinum、Professional、Deluxe、Designer四つの製品で構成されている。
今回の最新版では、新しい物理ベースレンダリング(PBR)エンジンであるTurboLuxが、製品ラインの全ての2D・3Dバージョンに搭載され、20以上の新機能と機能改善が含まれている。
IMSI Design社の社長であるBob Mayer氏は次のように述べている。「TurboCAD 2022のリリースは、ビジュアライゼーション、3Dモデリング、建築設計の強化に重点を置いており、設計を効率化するために10万点もの部品を追加し、また新しいアプリ内のコンテンツサーバーとも統合されました。また弊社は、TurboCAD Deluxe、Professional、Platinumバージョンで利用可能になった初の物理ベースレンダリングエンジン、TurboLuxを発表できることを心待ちにしていました。TurboLuxレンダリングエンジンの追加により、TurboCADのビジュアライゼーション機能は、全く新しい次元に到達しました。 CPUとGPU両方のレンダリング速度が飛躍的に向上し、数百ものマテリアルも追加されています。ほかにも2D描画、3Dモデリング、相互運用性の強化と合わせると、全てのユーザーが新リリースのTurboCAD 2022は素晴らしいと感じてくれるでしょう。」
主な新機能と改善機能
ユーザビリティとインターフェイス
図面およびプログラム設定における新しい検索オプション
TurboCADを起動すると、新しいスタートアップ画面に最近作成したファイルと、その作成(Create)タブから新しくファイルを開く・作成する機能が表示されます。 またスタートアップから、学習(Learn)タブで新機能のビデオ閲覧などTurboCADの基本が学べ、ニュース(News)タブでTurboCADの最新情報にアクセスすることができる。
新しい選択ツールおよびサイズ保持オプション
2Dまたは3D選択ツールのローカルメニューに、新しくサイズ保持(Keep Size)オプションが追加された。このオプションは、オブジェクトのサイズを変更することなく、選択されたオブジェクト間の距離をスケーリングすることが可能となっている。
新しいコンテンツサーバーとパレット
TurboCADコンテンツサーバー(TCS)は、CADコンテンツのオンラインデータベース。現在、TCSには70万以上のメカニカル・パラメトリック・パーツが含まれており、図面にドラッグドロップすることで簡単に使用できる。これらのシンボルは、DIN、KR、ISO、ANSI、ASMEなどの国際規格を標準サポートしている。
2D描画と編集
スマート寸法ツールの強化
スマート寸法ツールは、モデル空間と紙面空間上との間で関連付けられるようになった。 モデル空間でスマート寸法に加えられた変更は、紙面スペース内の任意のビューポートで自動的に更新される。
ワイヤーフレームGDI描画の中断機能
Escキーを押すことでネイティブGDI描画を中断する機能が追加された。これは大きな図面を編集しているときに非常に便利であり、この中断機能がなかった以前は、ユーザーはGDI描画が終了するまで待つ必要があった。また、プログレスインジケータも追加された。
3Dモデリングと編集
連想交差
新しいローカルメニューオプション、連想交差(Associative Intersections)が交差ツールに追加された。このオプションを有効にすると、作成された交差曲線は3Dオブジェクトに関連付けられる。交差するオブジェクトの移動に伴い、交差曲線もそれに応じて更新される。
Surface on Face
Surface on Faceツールに新しいローカルメニューオプション、オフセット(Offset)が追加された。これにより、オブジェクトからサーフェスのオフセットを定義することができる。またサーフェスを作成する際、ソースオブジェクトから正または負のオフセットで作成することも可能となっている。
連想セクション
断面図ツールに二つの新しいローカルメニューオプション「閉じたポリラインによる2D断面図」と「連想セクション」(Associative Section)が追加された。Associative Section オプションを有効にすると、作成されたセクションはセクションポリラインと3Dオブジェクトに関連付けられ、関連付けられたポリラインや3Dオブジェクトに変更が加えられると、作成されたセクションも更新される。
新しいACISソリッドモデリングエンジン
TurboCAD 2022では、基礎となるモデリングエンジンが更新され、以下の領域が改善されている
- マルチスレッド
- ブーリアン演算
- 一定半径および可変半径のブレンド
- 面の直接操作
- シェル作成
建築設計の改善点
ラジアルグリッド
新しいAECグリッド、ラジアルグリッドが建築メニューに追加された。このラジアルグリッドは、曲がった壁や柱など、図面内にある放射状の建築オブジェクトを簡単に整列させることができる新しいツールである。
スラブエッジスタイルサポート
スタイルマネージャーに新しいカテゴリー「スラブエッジスタイル」が追加され、新しい編集モードでスラブエッジスタイルの編集が可能となった。エッジスタイルを使用することで、オーバーハングの長さ、エッジの方向と角度の寸法を指定できる。また、エッジスタイルに鼻隠や軒天を指定することも可能。この新機能により、編集モードで「エッジスタイル」オプションを有効にすることで利用可能となる。
AECグリッドの改良
AECグリッドに新しいプロパティ「ラベル値を保持」が追加された。グリッド内の軸順序に関係なく、軸の名前を変更せずに保存できる。このオプションを有効にすると、軸の名前を変更することなく、軸を自動的に任意の位置に移動させることが可能となっている。
壁・窓・ドアツールの改良
壁、窓、ドアに新しいローカルメニューオプション 「AECグリッドに固定」(Anchor to AEC Grid)が追加された。このオプションが有効な場合、建築オブジェクト端がAECグリッドに固定される。オブジェクト端の位置は、AECグリッドに行われた編集に従って変更される。
屋根の改良
新しいローカルメニューオプション「オーバーハング」(Overhang)が屋根ツールに追加されたことにより、屋根の各面に対してオーバーハングの編集が可能となった。
フォトリアリスティックレンダリングとビジュアライゼーション
TurboLux 物理ベースレンダリング
TurboLuxは、物理ベースレンダリング(PBR)技術を利用した最先端レンダリング技術。PBRは、物理法則に基づいて光と素材をモデル化し、光の流れを正確にシミュレーションすることで、写真並みの画質を実現している。 TurboLuxは、800以上の編集可能なマテリアル、CPUとGPUベースのレンダリングの両方をサポートし、トーンマッピング、HDRI、コースティクス、デノイザーなどの高度なレンダリング機能を搭載している。
ビジュアライズ
ビジュアライズレンダラーおよび描画エンジンがさらに強化され、ダイナミック平面カットツールのサポート、エッジおよびフェイスモード関連の設定を含む拡張カメラパラメーター、名前付きビューへのビジュアルスタイルの追加などが行われた。
ファイルサポート・相互運用性
プロフェッショナルメカニカルCADファイルトランスレーターの改善
新規および更新されたバージョンのサポートは以下の通り。
- IGES・STEP(アップデート)
- SAT・SAB(更新)
- CREO 8(新バージョン対応)
- SOLIDWORKS 2022(新バージョン対応)
- Parasolid 34(新バージョン対応)
- NX 1980 シリーズ(新バージョン対応)
- CATIA v5-5 2022(新バージョン対応)
- Solid Edge 2022(新バージョン対応)