Altair社が解析ソフトウェアの「Altair Simulation 2022」をリリース
2022年 5月 9日
Altair社 2022年4月26日
計算科学と人工知能(AI)の分野で業界をリードするAltair社は2022年4月26日、次世代の建築、エンジニアリング、建設(AEC)、回路基板および電子設計機能に焦点を当てた最新のシミュレーションソリューション「Altair Simulation 2022」のリリースを発表した。Altair Simulation 2022では、Altair社の総合的なシミュレーションツールの拡張と強化を行い、さらに特化させる新機能が含まれている。
Altair社のチーフテクノロジーオフィサーであるSam Mahalingam氏は次のように述べている。「Simulation 2022のリリースは、計算科学と人工知能の分野をリードしてきたAltair社の伝統が引き継がれています。ユーザーがより速く、より効率的に作業できる機能、ツール、インターフェイス、ワークフローをさらに増やすことで、より良く、より安定した持続可能な未来を実現できます。より優れたシミュレーションが、よりスマートな製品を生み出します。私たちは未来の最前線にいることを誇りに思います。」
より連携された未来へ向けた製品開発
今回の連携性に関するアップデートには、ユーザーが極めて高い精度でアンテナのシミュレーションを行い、結果を獲得してより大きな問題を迅速に解決し、先進運転支援システム(ADAS)アプリケーションのツールを拡大するための機能が含まれている。Altair Simulation 2022は、5Gエンベロープビームパターンの自動化をサポートし、新しいハイブリッドレイトレーシングパターンおよびレイベースソルバ用の回転ドップラー効果などの機能が搭載されている。
さらに、より大規模で複雑なアンテナやその動作環境をシミュレーションする際の計算性能の向上をサポートする、接続性の高い機能も追加された。ユーザーは、全波アンテナおよび配列の特性をより適切にシミュレーションできるようになり、ワイヤレスシステムを確実に解析できるようになった。
また超音波などのセンサー種類を考慮できるADASツールも改良されたことにより、同時にシミュレーションできるセンサーの数が増加した。そのほか新しいADAS機能としては、ADASアプリケーションを対象とした周波数変調連続波(FM-CW)レーダーシミュレーションなど、アプリケーション固有のツールやポストプロセッシングツールが追加されている。
柔軟かつ持続性のあるAEC設計ツール
Altair Simulation 2022では、いくつかの新しい建設規格のサポートを含む、AEC向けアップデートが多数行われた。ユーザーはAltair Unitsライセンスであらゆるソリューションにアクセス可能で、プロジェクトのワークフローを通じて適切なタイミングで適切なAECソリューションを選択することができる。新たにAltair Unitsでアクセス可能になった機能は、従来のS-FRAMEソフトウェア製品のほか、SimSolid高速解析、HyperWorks高精度メッシング、CFD(数値流体力学)風力負荷シミュレーションなどが挙げられる。
構造エンジニアの設計時間とプロジェクトコストを削減するS-CONCRETE、S-FRAME、S-FOUNDATIONなどのツールは、Altair Simulation 2022でも拡張を続け、現在はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、アジア、オセアニア地域など、さまざまな国の設計コードが組み込まれている。そのためプロジェクトおよび設計は、最新の安全規制また材料規則に準拠したものとなっている。
またS-TIMBERなどのソリューションは、持続可能な建物、構造物に対する需要の高まりに対応するエンジニアと建築家の支援をする。S-TIMBERには高度な解析機能があり、NBCC、ASCE、IB規格に準拠した地震荷重に対する構造応答をシミュレーションすることが可能。さらにCLT、グルーラム、ひき材などの部材を規格に準拠して設計するためのパネルモデリング制御が強化されており、範囲内の予算と設計パラメーターで期限内にプロジェクトを完了させるための支援を行う。
スマートデバイスの開発を加速
Altair Simulation 2022では、回路基板およびエレクトロニクス設計ツールの機能が強化されており、スマートコンポーネント、製品、システムなどの設計および実装能力が向上した。Altair PollExでは、設計検証、シグナルインテグリティ、プリント基板(PCB)モデリング機能が拡張されている。また、DFx Excelの結果のようなクロスプローブ検証、PulsonixおよびAltium DesignerへのダイレクトECADリンクも搭載されており、後者の機能は全てのAltium Designerユーザーが最近リリースした無償ツール、PollEx for Altiumでも利用可能となっている。
またAltair SimLabのアップデートにより、落下試験、PCBマルチフィジックス解析、システム全体をカバーする熱管理シミュレーションなどの典型的なアプリケーション機能が加わった。さらにはAltair Simulation 2022では、電源、モータードライブ、制御システム、マイクログリッドのシミュレーションと設計に対応するPSIMなど、パワーエレクトロニクスおよびモータードライブ用の新しいツールも導入された。
製品開発のあらゆるステージに対応するソリューション
Altair Simulation 2022は、Altairのシステムモデリング、有限要素解析、設計アイデア、製造性ソリューションの機能強化のための多数のアップデートが行われている。Activate、Compose、HyperWorksおよびInspire製品のアップデートにより、ユーザーは新しい課題に挑戦し、新しい機械学習ライブラリ、ノーコードのユーザーインターフェイス作成用の対話型ツールキット、より高度なシミュレーションおよび製造性ワークフロー、そのほかの解析機能を利用して、複雑な製品、課題でも設計を最適化そして可視化することが可能となった。
最後にAltair Simulation 2022では、Altairの流体、サーマルマルチフィジックス、構造解析の各ソリューションを大幅に強化する新機能が追加された。AcuSolve、nanoFluidX、EDEM、MotionSolve、FluxおよびFluxMotor、OptiStruct、Radioss、SimSolidなどのツールにより、ユーザーはシミュレーションを新しい分野に応用し、新しい物理ソルバーの活用、電化用関連ツールの統合、強度、剛性、そのほかの物理指標のシミュレーション、より効率的で優れた設計につながる新しい最適化機能などが利用できるようになった。