HP社が積層造形(AM)ソリューションのサポート強化を発表

2022年 5月23日

HP社 2022年5月17日

HP社は2022年5月17日、アメリカ・デトロイトで開催された北米最大の積層造形(AM)イベントにおいて、パートナーと顧客と共に、AM部品生産の規模拡大をサポートしていくと発表した。

HP社のパーソナライゼーションおよび3Dプリンティング担当プレジデントであるDidier Deltort氏は次のように述べている。「あらゆる規模、業界の企業が、商品設計、製造、また大量生産の方法を見直しており、しかも最適化と持続性を最優先に考えています。生産規模を拡大し、カスタマイズされた製品を迅速かつ効率的に市場に提供するために、企業がAMソリューションの需要を満たす必要があります。私たちは、HP Metal JetとMulti Jet Fusionプラットフォームの革新と強化に取り組み、AM生産の限界に挑戦する生産パートナーや顧客をサポートします。」

規模に応じた生産の加速

設計から製造まで、HP社はテクノロジープラットフォーム、ワークフローおよび自動化ソリューション、サービス、デジタルマニュファクチャリングネットワーク(DMN)パートナーシップの強化に投資し、規模に応じた生産を加速している。BASFブランドで3Dプリント製造サービスの大手プロバイダーSculpteo社は、認定デジタルマニュファクチャリングパートナーとしてネットワークに参加した最新の企業である。このネットワークには、認定された製造サービスを提供する製造パートナーとMulti Jet Fusion生産プロフェッショナルの両方が含まれている。

HP社の3DプリンティングソリューションGo-to-MarketのグローバルヘッドであるWayne Davey氏は、次のように述べている。「弊社の使命は、業界随一のパートナーとして、AM生産の拡大を支援するために、継続的な改革およびコラボレーション、そして投資をしていくことです。DMNと共に、私たちは産業を変え、顧客が新たな改革をするための支援準備が整っています。」

HPの産業用3Dプリントプラットフォームを活用し、金属バインダージェッティングやポリマー部品の生産を行うGKN Additive社のJohn Dulchinos社長は次のように述べている。「HPのDMN初期メンバーとして、またJet Fusion産業用3Dプリンティングプラットフォームを使用するパイオニアとして、弊社では、多様で要求度の高い金属とプラスチックの大量生産を、高品質を維持しながら加速させています。両社の継続的な協力関係を通じて、積層造形のグローバルな産業化を推進するうえで大きく前進していきます。」

新しいプラットフォームイノベーションおよびプロフェッショナルサービス

顧客がAM生産を拡大、スケールアップできるように、HP社では以下の新しいプラットフォームとソリューションの強化、およびプロフェッショナルサービスの拡充を提供するとしている。

HP Jet Fusion 5200の新しいプリント機能

HPのJet Fusion 5200 3Dプリントソリューションを使用する世界中の顧客は、優れた再現性、信頼性、品質を提供する強化された性能にアクセス可能となった。企業が大量生産と最適化のためAMに注目する中、HPのJet Fusion 5200プラットフォームは、クラス最高のスピードとコスト、そしてジョブ、プリンター間のコントロールを向上させる新機能によってその両方を可能にした。

Prodartis社のテクノロジーディレクターであるMauritius Mazenauer氏は次のように述べている。「弊社では顧客がAMアプリケーションを拡張し、連続生産に移行できるよう支援していますが、HP社もJet Fusion 5200プラットフォームに投資していることには驚きました。HP社は、信頼性を継続的に向上させながら、最高品質の部品を最低限のコストで提供する手助けをしてくれます。」

新しいxRServicesを含む先進的なソリューションとプロフェッショナルサービス

AM能力の構築とビジネスの成長を目指す顧客支援のため、HP社では、HP Automatic Unpacking Stationなどのハードウェアソリューションと、新しいxRServicesを含むプロフェッショナルサービス群を提供している。

昨年、工業印刷の顧客向けに発表されたxRServicesだったが、今後は3Dの顧客にもエンジニアリングサポートやバーチャルコンテンツに24時間アクセスできるxRServicesを提供するとしている。Microsoft Hololens 2を搭載したxRServicesは、トラブルシューティング、トレーニング、修理、プロセス最適化に向けた体験複合現実型の仮想世界システムを提供する。ユーザーはヘッドセットを装着すると、HP社のエンジニアと瞬時に接続され、どのAM生産の時点でも、あらゆる問題についてアドバイスできるリモートサポートコーチと同席していることを体験できる。さらに、緊急の問題が発生した場合、プリンターに表示されるステップバイステップのガイドに従って、ユーザー自身が操作することも可能となっている。

JawsTec社CEOのOscar Klassen氏は以下のように述べている。「HP社の包括的なソリューション、サービス、柔軟なビジネスモデルは、私たちの成長と顧客のニーズ対応に役立っています。HP Multi Jet FusionテクノロジーとHPのプロフェッショナルサービスを頼りに、最初から最後まで部品生産を改善しています。HP xRServicesが加わったことで、HP社のエキスパートが弊社施設に足を踏み入れなくても、トラブルシューティング、機械メンテナンス、パフォーマンスの最適化などを行うことができるようになりました。」

JawsTec社は、3D-as-a-Service(3DaaS)ビジネスモデルを活用し、資本の柔軟性とビジネスの俊敏性を高めることでより迅速に拡張するHP社のパートナーおよび顧客の増加に関わるとしている。

自動車メーカーが業界をリードする先進的な取り組みを継続

世界の自動車産業中心地であるミシガン州デトロイトは、3Dプリントのメリットを実現するため、自動車メーカーが業界の先進性をけん引する中心的な地域となっている。HP社は、世界中の数十社の自動車メーカー、サプライヤー、生産パートナーと協力し、プロトタイプから連続生産まで、持続可能な部品設計と開発を行っている。

ゼネラルモーターズ(GM)社

Multi Jet Fusionを使用してさまざまな最終パーツを製造しており、最近の例では革新的なアプローチでスポイラーのクローズアウトシールを作成した。HP社とGKN Forecast 3D社の協力により、GM社は乾燥時間を短縮し、フルサイズSUVの生産スケジュールを加速させることに成功した。

Stellantis

SHP社、Mader社、ERPRO社との初コラボレーションとして、3Dプリント技術を使って自動車産業にイノベーションをもたらすことに成功した。この共同作業により、PEUGEOT社は、サングラスホルダー、缶ホルダー、電話ホルダーなどのカーアクセサリーを再発明することができた。

オレゴン州立大学(OSU)

オレゴン州立大学のグローバルフォーミュラレーシングチームは、高性能なレース機能を構築するため、HP Multi Jet Fusionを使用してモーター用の冷却ジャケットを提供した。OSUは、競争力のあるレースで不可欠な、より迅速で機敏な製品開発にもHP Metal Jetを使用している。

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