Artec 3D社が3Dスキャン用ソフトウェア「Artec Studio 17」を発表

2022年 6月20日

Artec 3D社 2022年6月9日

プロ用3Dスキャナーとソフトウェアの開発・製造で世界的に有名なArtec 3D社は2022年6月9日、3Dスキャンソフトウェアの最新版となる「Artec Studio 17」(AS17)を発表した。AS17は、品質検査、リバースエンジニアリング、フルカラーCGIワークフローの機能強化、スピードと使いやすさの全面的な改善と革新的な新機能を多数搭載している。今回の最新版は、ユーザーからのフィードバックをもとに設計されており、全てのユーザーは自動的に最新バージョンにアクセスすることが可能となっている。

Artec 3D社のCEOであるArtyom Yukhin氏は次のように述べている。「お客様の声を聞き、耳を傾けました。Artec Studio 17の開発ではユーザーの意見が中心的な役割を果たしており、高精度な3Dデータを扱う全ての人を満足させられると確信しています。弊社は、業界をリードするソフトウェアソリューションに自信を持っていると同時に、強力な顧客基盤にとても感謝しています。そのため、弊社は進化、改善し、より良い製品を提供するために多くのリソースを投入しています。AS17自体が再びハードルを上げてくれると信じていますし、ユーザーの反応と完成物を見るのが楽しみです」

先進の品質検査:新しいScan-to-CADツールによる計測精度とターゲットの手動制御

ユーザーは、Artec Studioに搭載された最新のScan-to-CAD機能とツールにより、これまでにない精度と合理化された品質検査工程を体験することができる。データムアライメントにより、測量作業者は、たった数クリックで主要なジオメトリーフィーチャーを使用してメッシュおよびCADモデルを調整し、位置合わせによる不一致が起きない仕様となった。また、データ登録に参照オブジェクトを使用するスキャンワークフローでは、Artec Studioで柔軟性が強化された手動操作が可能となった。球体やチェッカーボードなどのターゲットオブジェクトを個別に選択し、これらのオブジェクト間で測定を行い、必要に応じて登録から除外することもできる。さらに、複数の参照ターゲット群をワークスペースにインポートし、トラッキングに使用するターゲット群を選択することも可能となった。

リバースエンジニアリング革命:ワンクリックでスキャンからCADへの自動変換とブーリアン演算が可能

Artec Studio 17の新機能により、エンジニアは一つのソフトウェアで対象物をスキャンし、完全にリバースエンジニアリングすることができ、設計と製造のワークフローの合理化を実現した。革新的なオートサーフェスツールにより、複雑な有機的形状をソリッドCADモデルにワンクリックで変換できる。また、ブーリアン演算の追加により、ユーザーはユニオン、サブトラクト、インターセプトツールを使用してCADエンティティやメッシュでモデルを変更し、カスタマイズされた金型やパッケージなどの製品を作成することも可能となっている。

前バージョンに加えて多くのアップデートによって、作業効率が向上

  • 独立したCAD形状:メッシュのどの部分でも、プリミティブなソリッド形状の作成、サイズ変更、位置変更が簡単に行える。
  • Constraint(拘束)2.0:各プリミティブに指定された条件と関係をいつでも保存、編集、再フィットでき、以前のセッションで使用した制約を基に新しい制約を設定することが可能。
  • メッシュ分割:プリフィットの平面を使用して、メッシュを素早く正確に管理可能な大きさに分割し、3Dプリントに利用できる。
  • 改良されたセグメントブラシ:セグメンテーション感度スライダーで選択領域のサイズをダイナミックに簡単に変更可能。

写真のジオメトリへ適応完成度:写真表示モードとアルゴリズム駆動型セグメンテーションにより、フォトテクスチャリング処理を円滑に。

高解像度の写真を高精度のスキャンに適用するArtec Studioの全く新しい写真閲覧モードは、CGI用の高度なテクスチャを持つプロ3Dモデルの作成プロセスを向上させることができる。ユーザーは写真をプレビューしてモデルのジオメトリにどのようにフィットするかを確認し、欠陥、露出過多、照明不良の画像を削除することができる。また、新しいフォトテクスチャアルゴリズムの導入により、画像はサイズ、カメラの種類、焦点距離によって自動的にグループに分けられ、簡単に個別登録が可能となっている。

次世代UI・UX:より速く、よりスマートで、より効率的なスキャンと処理

ユーザー主導のUIとUXの幅広い改善により、以下のような3Dワークフローの変革が期待されている。

  • データの高速化:アルゴリズムのアップデートにより、LeoスキャナーのHDデータが1.5倍高速化され、ユーザーは重要な作業に集中することが可能となった。
  • 再構成の高速化:新しいGPUオプティマイザーがユーザーのHDモード設定を自動的に微調整し、LeoまたはEvaからのHDデータの再構成が高速化された。
  • Fusionアップデート:処理ワークフローが10%高速化され、メモリー使用量が30%削減された。

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