ITCがCADソフトウェア「IntelliCAD 11.0」をリリース
2022年 8月17日
IntelliCAD Technology Consortium(ITC)2022年8月8日
IntelliCAD Technology Consortium(ITC)は2022年8月8日、ITCが開発を行うCADソフトウェアの最新版となる「IntelliCAD 11.0」をリリースした。IntelliCAD 11.0は、パフォーマンスの改善と新機能を含むメジャーリリースとなる。
今回のIntelliCAD 11.0では、新しいビューとビジュアライゼーションの生産性向上ツールに焦点が当てられている。断面平面を使用してモデルの断面を視覚化し、モデル上を飛行しているかのように表示することが可能となった。そしてビューキューブにて表示方向の確認と切り替えをし、ビューとビジュアルスタイルコントロールを使用して、モデルに異なるビューとビジュアルスタイルを素早く適用することが可能となった。
その他の新機能としては、スタートアップスイートでの作業、objファイルへのエクスポート、PostgreSQL、MySQL、WFSサーバーへの接続によるマップファイルのインポート、3D Positionerコマンドによるインタラクティブなエンティティ移動、回転、分離、そして選択したエンティティのハイライト表示などが上げられる。またファセットモデルパイプ、リバース、ブレイクアットポイント、マップサービス、アップデートフィールド、モデル、ハッチ生成バウンダリ、マッチセルなどの新しいコマンドも追加された。ほかにもデータリンク、テーブル、地理的位置の設定、パブリッシュコマンド、新しいビジュアライズリボンタブなどで操作性が向上した。
BIMファイルを扱うバージョンのIntelliCADでは、Autodesk Revit 2022ファイルのインポート、表示状態の作成と割り当て、エクスプローラを使用したifcおよびrvt アンダーレイの選択と操作、アンダーレイとして添付されたifcファイルにエラーがないかを確認する監査コマンドを使用することが可能となった。
ネイティブ形式のdgnファイルを開き、編集、保存するバージョンのIntelliCADでは、Audit、DXF Out、DWG Out、およびDivideコマンドの使用、関連寸法の作業、linファイルからの線種インポート、DGNGLOBALORIGINシステム変数を使用することが可能となった。スケーラブルな線種でのファイル再生成と保存は10倍以上速くなり、エンティティ消去は4倍、スナップは10倍以上、再描画、ズーム、パン操作は全体的に高速化された。
技術系ユーザー向けにIntelliCAD 11.0では、ODA SDKsバージョン2022.12、Windows 11と互換性のあるMicrosoft Windows 11 SDK、Spatial Technology ACISバージョン2022が組み込まれた。
メンバー向けにIntelliCAD IcAPIが先行公開された。この新しいAPIはAutoCAD Object ARXと高い互換性を持ち、ITCメンバーは両方のプラットフォームで動作する単一コードベースのアプリケーションを構築することが可能となった。ITCプレジデントのDavid Lorenzo氏は次のように述べている。「表面的にIntelliCAD 11は、モデルの表示と視覚化をより簡単かつ効果的にすることに重点を置いた、多くの機能強化がなされたソフトウェアです。新機能はユーザーにとって喜ばしいものですが、その裏ではIntelliCADの開発者による膨大な作業と検証が行われています。新しいIcARX APIの会員向けプレリリースは、AutoCAD ObjectARX アプリケーションの移植を容易にし、コンソーシアム開発における新しい時代の幕開けとなります。」
IntelliCAD 11.0 は、Microsoft Windows 11、Windows 10、Windows 8、Windows 7 64-bit バージョンに対応。IntelliCAD Mobile Viewerバージョンは、Windowsデスクトップ、Google Android、Apple macOS、iOSで利用可能となっている。