Siemens Digital Industries Software社がIC設計支援ソフトウェアの「Tessent Multi-die」を発表

2022年10月 3日

Siemens Digital Industries Software社 2022年9月26日

Siemens Digital Industries Software社は2022年9月26日、2.5Dおよび3Dアーキテクチャに基づく次世代集積回路(IC)のテスト設計(DFT)タスクを劇的に短縮・簡素化する「Tessent Multi-die」ソフトウェアソリューションを発表した。

小型化、省電力化、高性能化の要求が高まる中、次世代デバイスは、金型同士を垂直方向(3DIC)、水平方向(2.5D)に接続し、1つのデバイスとして動作させる複雑な2.5D、3D構造を採用することが増えてきている。しかし、従来のICテスト手法の多くは2Dプロセスに基づいているため、こうしたアプローチはICテストにとって大きな課題となり得る。

これらの課題に対処するため、Siemens社では2.5Dおよび3DIC設計に関連する非常に複雑なDFTタスクに対応する、業界で最も包括的なDFT自動化ソリューションである「Tessent Multi-die」ソフトウェアの開発に注力した。この新しいソリューションでは、シーメンスの「Tessent TestKompress Streaming Scan Network」ソフトウェアおよび「Tessent IJTAG」ソフトウェアとシームレスに動作するようになった。ほかのデザイン部分への影響を気にすることなく、ブロックごとにDFTテストリソースを最適化し、2.5Dと3DICのDFTプランニングと実装を効率的に行うことが可能となった。Tessent Multi-dieソフトウェアを使用することにより、IC設計チームは、2.5D・3DICアーキテクチャを特徴とするIEEE 1838準拠のハードウェアを迅速に生成することができる。

Siemens社のTessentビジネスユニット副社長兼ゼネラルマネージャーであるAnkur Gupta氏は次のように述べている。「2.5Dおよび3Dデバイスの高密度実装を特徴とする設計が急速に普及し、IC設計企業はICテストの複雑さが飛躍的に増大しています。弊社の新しいTessent Multi-dieソリューションにより、ユーザーは今後の設計に備えることができ、同時に検証の労力を削減し、製造テストおよびコストを最適化することができます。」

Tessent Multi-dieソリューションは、2.5Dと3DIC設計の包括的なテストをサポートするほか、金型同士の配線パターンを生成して、バウンダリスキャン記述言語(BSDL)を用いてパッケージレベルのテスト実施が可能となった。さらにSiemens社のTessent TestKompress Streaming Scan Networkソフトウェアのパケット化されたデータ配信機能を活用し、フレキシブルパラレルポート(FPP)技術の統合をサポートしている。2年前に発表されたTessent TestKompress Streaming Scan Networkは、コアレベルのDFT要件とチップレベルのテスト配信リソースを切り離すことが可能となっている。これにより、高精度なボトムアップのDFTフローが実現し、DFTのプランニングと実装を劇的に簡素化するとともに、テスト時間を最大で4倍短縮することを実現した。

Pedestal Research社の社長兼リサーチディレクターのLaurie Balch氏は次のように述べている。「従来の2DIC設計手法の限界が明らかになるにつれ、より多くの設計チームが、2.5D または3DICアーキテクチャが提供できるパワー、パフォーマンス、フォームファクターの利点を活用するようになりました。しかし、これらのアーキテクチャに固有の課題を認識したうえでDFT戦略を確立することなく、新たな設計にこれらの高度なスキームを導入すると、コストが上昇し、積極的な改革が損なわれてしまいます。しかし、多次元設計の急速な普及に合わせてDFT技術を進化させることで、EDAベンダーは、2.5Dと3Dアーキテクチャの世界的な主流化をさらに促進する重要な役割を果たすことができます。」

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