Siemens Digital Industries Software社がPLMソフトウェア「Teamcenter 14.2」をリリース

2023年 2月20日

Siemens Digital Industries Software社 2023年2月10日

Siemens Digital Industries Software社は2023年2月10日、同社製PLMソリューションの最新版「Teamcenter 14.2」をリリースした。Teamcenter 14.2では次のような新機能や機能強化が導入されている。

半導体業界向けクラウドSaaS Teamcenter Xソリューション

半導体企業は、エンドツーエンドのプロセスをサポートし、混乱を乗り切るだけでなく、それを活かせるような、よりレジリエントなサプライチェーンを構築する方法を模索している。Teamcenter Xの新しいソリューションである半導体ライフサイクル管理は、Siemensの深い業界知識と強力なクラウドSaaS PLM製品により、半導体企業がデジタル化の妨げとなっている主要課題の解決に迅速に着手できるよう支援する。

半導体ライフサイクル管理には業界の専門知識が組み込まれており、設計から製造、定義済み自動ワークフロー、テンプレート、信頼できるトレーサビリティまで、統一データモデルによる真のエンドツーエンドの統合を実現する。Siemensのソリューションは、IC設計プロセスを管理し、社内外のIPを安全に再利用して効率性に優れたプロジェクトデリバリーを可能にしながら、新製品の導入を加速する。BOMの統合、グローバルなコラボレーション、マテリアルと物質のコンプライアンスを統合することで、エンジニアリングと製造計画をつなげ、コストのかかるデザインのやり直しを防ぎ、NPIサイクルタイムを短縮する。

統合インターフェイス管理の導入

製品のインターフェイスは、製品の電気的、機械的、ソフトウェア的な要素に関する取り決めであり、それらを組み合わせたときにシステム全体が機能することを保証するものである。今日、スケーラブルなインターフェイス管理がなければ、インターフェイスが失われたり、意味を理解しないまま意思決定が行われたり、また、プログラムスケジュールとリソースの半分を費やしてインターフェイスの断絶を発見し、コストをかけて修正することになりかねない。Teamcenterにインターフェイス統合管理が導入されたことで、ほかの製品コンテンツと同様にインターフェイスの取得・管理、設定や変更、ワークフロー、サプライヤーコラボレーションをはじめとするTeamcenterのサービスとして利用できるようになった。インターフェイスの統合管理により、変更の影響を即座に理解することができ、継続的な統合を維持することが可能になる。

さらに環境に優しい製品を競争力のあるコストで提供

製品コストの詳細な見積もりを簡単に作成するために、3Dファイルを計算にリンクし、製品コストに影響を与える製造依存パラメーターを自動的に抽出することができるようになった。また、時間の経過とともに変化する製造ワークセンターのレートをサポートすることで、計算の精度がさらに向上した。これにより、開発の初期段階でコストとカーボンフットプリントを迅速に見積もることができ、後に発生する問題を回避することができるようになる。

クラス最高のデジタルモックアップのための高性能なBOMビジュアル化

クライアント側のレンダリングがこれまで以上に高速になり、形状、フィット、機能解析、干渉条件の解析、または単に製品を3Dで表示することが必要な場合は、視覚化のパフォーマンスと適切なデータを持つことが重要になっている。必要なパーツだけをロードしてレンダリングすることで、ロードするパーツをさらに細かく制御して非常に大きなアセンブリでも作業できるようになった。

製品の複雑さが増し、技術主導型になるにつれ、製品の解析と検証に使用するツールもそれに追随する必要がある。そのため、アセンブリの表示と操作性を向上させるための新機能が追加された。この新機能では、新しい分解ビューを使用して、アセンブリと部品間の関係を調べることができるほか、部品やサブアセンブリを意味のあるグループとして表示し、アセンブリと同じように操作することもできる。

初期コンセプト設計のシミュレーションと検証

Teamcenterを要件、パラメーター、製品アーキテクチャを管理する共通システムとして使用することで、問題やスクラップ、手戻りを回避することができるようになった。Teamcenterのコンテンツをデザインスペースの探索と最適化のための業界ツールであるHEEDSに転送することで、マルチドメインの最適化に向けた次のステップを踏み出すことができる。Teamcenterは、マルチドメインシミュレーションモデルをデジタルスレッドで定義し、さまざまなシミュレーションツールと関連付けてシミュレーションを実行することができる。このプロセスでは、構成されたコンテンツを使用して、ソースパラメーターと要件への完全なトレーサビリティを維持しながら、1000もの潜在的な設計を生成して全体的な最適解を特定することが可能となっている。

アプリケーション横断的な検索

製品開発プロセスを合理化する上で、全てのシステムにわたりデータを検索することは大きな障害となり、適切な意思決定を行うために必要なデータの可視性を低下させる。Teamcenter内に導入されたワンストップショップでは、あらゆるソースから必要なものを見つけることができる。これにより、Teamcenter内でデータソースを横断的に検索し、その結果に対してフィルタリング、質問、インタラクションができるようになった。図面注記、注釈、タイトルブロックテキスト、NX PMI、部品属性など、CADデータに保存されているプロパティを横断して検索することも可能となっている。

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