Hexagon社がNexusオープンクラウドプラットフォームの立ち上げとDfAMソリューションのリリースを発表

2023年 3月 6日

Hexagon社 2023年2月23日

Hexagon社は2023年2月23日、同社によるNexus Open Cloudプラットフォームの立ち上げに伴い、新しいDfAM(Design for Additive Manufacturing、積層造形法のための形状設計)モジュールを発表した。

Nexusプラットフォームは、サイロ化を解消し、迅速なイノベーションと市場投入までの時間短縮を促進するために開発されたもので、Hexagon社とサードパーティのエコシステムツールをつないで、エンジニアリングと製造とのリアルタイムのコラボレーションとフィードバックを可能にするものとなっている。

Hexagon社はNexusを四つの初期ソリューションとアプリで市場に投入しており、そのうちの一つがDfAM機能である。同社によると、DfAMのようなプロセスは従来、エンジニア3名以上が別々のソフトウェアアプリケーションを使用して問題解決にあたることが多く、サイロ化していたという。そこでHexagon社は、このような接続性の欠如と、それに伴うコストや時間の浪費、データの損失を解決しようとした。

NexusのDfAMソリューションは、最適なプリントパーツを共同で開発し、レーザー粉末床融合プロセスでプリントを成功させるための準備を容易にかつ効率的に行うための設定済みソリューションであるという。顧客は、Nexusのwebインターフェイスを使用して、Hexagon社の積層造形ソリューションである「MSC Apex Generative Design」とプロセスシミュレーションソフトウェアである「Simufact Additive」を、CADS AdditiveのAM StudioやMaterials Connectとクラウド接続できるようになるため、プロジェクトへのアクセス管理が容易になるとHexagon社は考えている。また、同ソリューションのリリースに際しては、Oqton社をはじめとする提携企業によって、DfAMや同様のワークフローが製造実行システム(MES)に接続され、データを活用してリードタイムの改善、品質問題への対処、オペレーターの能力向上を図ることができるようになる。

Oqton社の創業者兼シニア・バイスプレジデントであるBen Schrauwen氏は、「Hexagon社と提携し、当社のAltium 365プラットフォームとNexusを接続できることを大変嬉しく思います。これにより、NexusとAltium 365ソリューションのエコシステムが製品ライフサイクル全体にわたって提供する膨大なインテリジェンスを利用して、設計上の選択が及ぼす影響を早期に評価できるようになる「Intelligent by Design」という我々のビジョンが実現できるようになります」と述べる。

一方、Hexagon社のManufacturing Intelligence部門の最高製品・技術責任者であるParth Joshi氏は「世界中の企業がイノベーションの限界を押し広げており、インダストリー4.0ではこれまで以上に多くのツール、技術、データソースを視野に入れるようになっています。しかし、この業界ではプロセスやデータソースがサイロ化しているため、チームメンバーが分野を超えてコラボレーションするのが大変だという問題があり、進歩の大きな妨げになっています。企業がスマートマニュファクチャリングのメリットを享受するには、仕事のやり方を変える必要があります。Nexusの目的、それは、分野を超えて革新的な頭脳を結集し、力を与えることというシンプルなものです。当社のイノベーションに関する専門知識を活用し、人、技術、データを結びつけることで、多くの企業がこれまで以上に迅速にアイデアを実現できるよう支援します。お客様がこの技術を使ってどのようなことをしていくのか、楽しみにしています」と語る。

Nexusの一部としてリリースされるその他のアプリは次のとおりである。

Metrology Reporting:Hexagon社とサードパーティの計測データソースをNexusのセキュアなクラウド環境で接続するアプリで、あらゆる規模の企業が未活用となっている品質管理データを直ちに報告して、トレンドを発見し、公差の問題を特定できるようにする。どのユーザーも、インタラクティブな3D CADベースのレポートや洞察に満ちたトレンドプロット、KPIやコンプライアンス文書、最新データを作成でき、同僚や顧客、サプライヤー間で活用することができる。

Materials Connect:材料データのための全く新しいクラウドベースのライブラリで、メーカーや材料サプライヤーが製品のCAEワークフローで使用する材料データ、物理試験データ、挙動モデルを管理できるようになる。

Materials Enrich:Nexusプラットフォームの機械学習機能とクラウドアクセラレーションによる材料挙動シミュレーションを活用して、これまで製造・測定されたことのない最適な材料の発見とシミュレーションを支援し、製品の性能と持続可能性を向上させる新しいタイプのアプリ。

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