IMSI Design社がCADソフトウェアのTurboCAD 2023をリリース
2023年 5月 1日
IMSI Design社 2023年4月21日
IMSI Design社は2023年4月21日、同社が開発を行う3D CADの最新版「TurboCAD 2023」を発表した。本製品はWindowsデスクトップPC向けで、Platinum、Professional、Deluxe、Designer四つの製品で構成されている。今回の最新版では、新しい物理ベースレンダリング(PBR)エンジンであるTurboLuxが、製品ラインの全ての2D・3Dバージョンに搭載され、20以上の新機能と機能改善が含まれている。IMSI Design社の社長であるBob Mayer氏は次のように述べている。「TurboCAD 2023のリリースは、ビジュアライゼーション、3Dモデリング、建築設計の強化に重点を置いており、設計を効率化するために10万点もの部品を追加し、また新しいアプリ内のコンテンツサーバーとも統合されました。また弊社は、TurboCAD Deluxe、Professional、Platinumバージョンで利用可能になった初の物理ベースレンダリングエンジン『TurboLux』を発表できることをうれしく思います。TurboLuxレンダリングエンジンの追加により、TurboCADのビジュアライゼーション機能は、全く新しい次元に到達しました。 CPUとGPU両方のレンダリング速度が飛躍的に向上し、数百ものマテリアルも追加されています。ほかにも2D描画、3Dモデリング、相互運用性の強化と合わせると、全てのユーザーが新リリースのTurboCAD 2023は素晴らしいと感じてくれるでしょう」
主な新機能と改善機能
ユーザビリティとインターフェイス
ブロックパレットのサムネイルの更新
ブロックパレットのブロックのローカルメニューにサムネイルの更新(Update Thumbnails)オプションが追加された。ブロックのサムネイル(Blocks Thumbnails)は、レンダリングとビューを更新することができる。全てのビューリストとレンダリングタイプは、レンダリングモードとともにサムネイルの更新(Update Thumbnails)ダイアログボックスで利用できる。
ブロックパレットーブロックプレビュー
ブロックパレットのオプションにブロックプレビューのオプションが追加され、ブロックを図面に挿入することなくプレビューできるようになった。ブロックのプレビューは、どのビューとレンダリングモードでも可能となっている。
ツールの非表示・アイソレーション
編集メニューに新しくInverse Isolationツールが追加された。このツールをクリックすると、非表示だったオブジェクトを表示したり、表示されていたオブジェクトを非表示にしたりすることができる。以前は、Hide/Isolateツールを使用しなくても、End Isolationツールは有効なままだったが、今回のバージョンからは前提条件となるツールが有効である場合にのみEnd Isolationツールが有効化される。また、All Drawing(全ての描画)モードで、選択情報パレットに非表示のオブジェクトを表示することもできる。
衝突検出ツール
衝突検出(Clash Detection)ツールが新たにツールメニューに追加された。このツールの目的は、複数のエンティティを持つ図面内での衝突を検出することで、衝突が検出された場合、検出された全ての衝突の詳細が記載されたエクセルファイルの保存をユーザーに促す。
2D描画と編集
テキストの検索と置換
編集メニューに新しくテキストの検索と置換(Find and Replace Text)ツールが追加され、図面内の特定のテキストを検索し、ワンクリックで別の単語に置き換えることができるようになった。豊富な検索オプションとテキストオプションにより、特定のテキストを簡単に検索して置き換えることができる。
自動コールアウト
TurboCAD 2023の寸法メニューに新しく自動コールアウト(Callouts)ツールが追加され、わずか数クリックで図面にコールアウト(リーダー寸法)を自動的に追加できるようになった。コールアウトは、円形の配置やポリラインに沿った配置も可能となっている。コールアウト生成後は、コールアウトの詳細が記載されたBOMテーブルが作成される。
ブロック挿入の隠線消去
ブロック挿入のプロパティに新しく隠線消去(Remove Hidden Line)オプションが追加された。このプロパティを有効にすると、ブロックのコンテンツに隠線消去が適用される。ほかの2つのプロパティ「隠線の表示(Show Invisible Lines)」と「交差の表示(Show Intersections)」は、「隠線消去」を有効にすることで利用可能になる。
描画オブジェクトの寸法の改善
描画オブジェクトのプロパティに新しく「実際の寸法を表示(Show actual dimensions)」プロパティが追加された。このプロパティは、描画オブジェクトに破断線がある場合に有効になる。以前は、破断線のある描画オブジェクトの寸法は、破断線を考慮せずに指定されていたが、破断線のない実際のサイズを表示するにはこのプロパティにチェックを入れる。
ポリライン結合ツール
ポリライン結合ツールに新しいローカルメニュー項目「一致しない接続(Unmatched connections)」が追加された。このツールは、正確な接続を持たないポリライン(隣接するポリラインの端が交差しているか、ギャップがある)を結合する機能を提供する。このオプションを有効にすると、公差フィールドでポリライン間の最大距離を定義する必要がある。
分解図
分解図のメニュー項目がフォーマットメニューに追加された。このツールは、レイアウトの分解図を作成するもので、2軸の場合は平面に沿って作成されるが、3軸の場合は3D空間に作成される。分解図が作成されると、ブロックパレットにビューのブロックが作成される。
3Dモデリングと編集
シェルツールの改良
TurboCAD 2023ではシェルツールが改良された。以前のシェルツールは、どのファセットでも同じオフセットでソリッドボディから薄肉ソリッドシェルを作成していたが、最新バージョンでは、選択したファセットに対して異なるオフセットを持つソリッドシェルが作成できるように改善された。
ファセットオフセットツールの改良
TurboCAD 2023ではファセットオフセットツールが改良された。新しいローカルメニュー項目「特定のオフセット(Specific Offset)」がファセットオフセットツールに追加され、面に対して特定のオフセットを定義することができるようになった。
ACIS Solid Modeling Engine のアップデート
TurboCAD 2023では、基礎となるモデリングエンジンが更新され、以下の領域が改善されている。
- マルチスレッド
- ブーリアン演算
- 一定半径と可変半径のブレンド
- 面の直接操作
- シェル作成
建築設計の改善点
屋根の新たな切り取りエッジ(Cut Edge)タイプ
屋根のプロパティページに新しい屋根の切り取りエッジタイプとして「水平(Horizontal)」が追加された。
マルチレベル屋根(ギャンブレル屋根)
TurboCAD 2023では新しい屋根のプロパティが追加され、どの屋根でも屋根レベルのあるギャンブレル屋根とすることができるようになった。屋根レベルには、「角度」と「高さ」のプロパティがあり、レベル、角度、高さを編集することができる。ギャンブレル屋根のプロパティは、プロパティページと選択情報パレットからアクセスすることができる。
全タイプのレンダリングのオプション名の統一
「プログラム設定(Program Setup)」と「図面設定(Drawing Setup)」の全レンダリングタイプのメニュー項目にある名称が正確な名称に更新された。プログラム設定では「Visualize Preferences...」が「Visualize Engine...」となり、描画設定では「RedSDK...」が「RedSDK Scene...」に、「Visualize...」が「Visualize Scene...」に名称が変更された。
フォトリアリスティックレンダリングとビジュアライゼーション
ネイティブドロー切り替え後にレンダーパレットを更新
TurboCAD 2023 では、ネイティブドローが切り替えられるとレンダーパレットが更新されるようになった。以前は、ネイティブドローの切り替え後にパレットに設定されたマテリアルを更新するにはアプリケーションの再起動が必要だったが、最新バージョンでは、ネイティブドローの切り替え時に変更が適用されるようになっている。また、スケーラブルなレンダーエンジンアイコンがフライアウトパレットに追加された。
LightWorks プラグイン
TurboCAD 2023は、追加のレンダーモードオプションとして LightWorksプラグインをサポートしている。LightWorks は、IDRMを使用してInstall Shieldカスタムアクションで有効になる。TurboCAD Deluxe用LightWorksプラグインにより、プログラムの照明、輝度、フォトリアリスティック レンダリング機能が強化され、より堅ろうで高出力のレンダリングを実現する。このプラグインは、TurboCAD のマテリアルエディターおよび Desgin Directorと直接統合される。
マテリアルデータベース
ビジュアライズ のマテリアルデータベースに新しい変更が加えられ、VisualizeルートカテゴリーとVisualizeマテリアル設定がレンダリングマネージャーに追加された。743種類の新しいマテリアルがマテリアルデータベースに追加されている。さらに、グラフィックプロパティ/マテリアルページのレンダーリストに、ビジュアライズレンダーが追加された。
ルミナンスのサポートと「ルミナンスを使用(Use Luminance)」オプション
TurboCAD 2023では、3種類のビジュアライズライトシェーダ(ポイント、スポット、指向性)が追加された。
環境サポート
TurboCAD 2023のビジュアライズに、4種類の環境シェーダが追加された(Plain、Image、Environment Map、Gradient)。Visualizeルートカテゴリーがレンダリングマネージャーに追加された。
ライトのサポート
TurboCAD 2023では、通常の光源のサポートが追加された。ライトの種類には、Distant Light、Spot Light、Point Light がある。「Visualize Scene」のプロパティページには新しいオプション「ライトを使用(Use Lights)」が追加され、スイッチオン時に描画ライトを使用できるようになった。
新しいビジュアルスタイル
カメラのプロパティダイアログボックスのレンダリングモードに、新しいビジュアライズのビジュアルスタイル「Realistic」、「Gouraud」、「Sketchy」、「Shaded」が追加された。Realisticは照明や影を含む最もリアルなレンダリングを行うためのスタイルで、GouraudとShadedは中間的な照明品質、Sketchyはレンダリング中にジオメトリのエッジを拡張するために使用する。
対応ファイル・相互運用性
プロフェッショナルメカニカルCADファイルトランスレーターが改善され、以下の新規および更新されたバージョンに対応するようになった。
IGES, STEP(アップデート)
SAT/SAB(アップデート)
CREO 8(新バージョン対応)
SolidWorks 2023(新バージョン対応)
Parasolid 35 (新バージョン対応)
NX 1980 Series(新バージョン対応)
CATIA v5-5 2023(新バージョン対応)
Solid Edge 2023(新バージョン対応)
AutoCAD 2023対応
SketchUp 2023対応