Zuken社がエレクトロニクス設計ソリューションの「CR-8000 2023」を発表

2023年 9月11日

Zuken社 2023年8月30日

電子設計自動化ソリューションの開発企業であるZuken社は2023年8月30日、同社製エレクトロニクス設計ソリューションの最新版となる「CR-8000 2023」を発表した。CR-8000 2023には、設計プロセス全体をカバーする新機能が数多く導入され、高密度・高速PCB設計の課題に対応している。

CR-8000 2023では特に、シグナルインテグリティ、パワーインテグリティ、電磁両立性(EMC)解析ツールの強化と拡張に重点が置かれている。これらの機能強化は、CR-8000 Design Force Analysis Advanceバンドルにシームレスに統合され、設計に対する洞察力を高めるための手段を提供する。

Zuken社の専務取締役・CTO技術本部長である仮屋和浩氏は今回の最新版について次のように述べている。「高密度で高速なPCB設計に対する設計者からの要求がますます高まる中、CR-8000 Release 2023はその要求に応えることができる製品となっています。当社のフラッグシップツールであるCR-8000の戦略的な機能強化により設計効率が向上し、正確な解析をサポートする包括的なソリューションを手に入れることで、お客様は今日の競争市場で優位に立つことが可能になります」

高度なデザインクリエーションでエンジニアの能力を強化

デザインシート統合の合理化

CR-8000 2023では、新しい設計の生成プロセスがシームレスになった。各種設計のデザインシートの統合が容易になり、さまざまな要素を取り入れたり、テンプレート設計を基盤として活用したりすることができるようになっている。この革新的な機能により、創造性が育まれ、設計のタイムラインが加速化できる。

情報セキュリティの強化

外部との共有の前に機密情報の除外を可能にする機能が導入され、プライバシーが強化された。リソースファイルを個別のコラボレーションのニーズに合わせて調整することで、安全でコラボレーティブなデザイン環境が促進される。

デザインの再利用による効率化

CR-8000 2023では、回路とテキスト要素のコピー、編集、シームレスな統合が可能になり、ドキュメンテーションの合理化を進める機能が導入された。この機能により、冗長な作業が排除され、エンジニアは設計の進化に集中できるようになる。

レイアウトにおける設計効率の向上

テンプレート加工の再利用

マルチチャネル設計でよくある同一領域の部品や配線が、一つのインスタンスに基づいて配置配線できるようになった。この機能は、コンポーネントとトポロジーの類似性を認識し、マスターインスタンスをその後のチャネルに伝達する。

外形加工の拡張

インタラクティブな外形加工機能により、既存のパターンや基板形状との調整が実現し、設計の調和と一貫性が確保できる。

トラック構成の解析

さまざまなレイヤーの軌跡を表示する断面図を視覚化することで、トレースパスのルーティングが検証できるようになった。この機能は、トラック配置の包括的な検査と評価を可能にするもので、潜在的な問題の特定と設計の最適化に有用である。

強力な解析機能

バンドルと機能の強化

CR-8000 2023リリースでは、シグナルインテグリティ、パワーインテグリティ、EMI解析ツールが新たなバンドルに統合され、ユーザーインタラクションの強化、マルチコアCPUのサポート、広範なデータセットとの互換性が備わっている。AIや機械学習にアシストされたモデリングと新しいパワーインテグリティ・チェックにより、設計能力と解析能力の向上が実現する。

包括的なシグナルインテグリティ解析

Design Force SI Advanceバンドルには、特性インピーダンスからIBIS AMI SerDesチャネル解析まで幅広い機能が含まれている。IBIS、SPICE、Sパラメータモデルが両ドメインに含まれ、包括的なシステムレベル解析が可能となっている。

PCBレベルのフルスペクトルEMI解析とパワー解析

Design Force PI/EMI AdvanceバンドルはEMI解析と電源システム解析に重点を置いており、迅速な予測や整合性機能をはじめ設計を最適化するための一連の解析ツールが含まれる。また、IC電源ピンのインピーダンス計算、デキャップ位置と寄生値の決定、DC解析、銅表面粗さを考慮した損失伝送線路モデルの組み込み、IBIS、SPICE、Sパラメータモデルの統合などの機能も備わっている。時間領域反射率(TDR)とアイパターン解析により、設計評価が強化される。さらに、包括的なHSPICEエクスポートとSパラメータ・タッチストーン・データの計算・エクスポート機能も導入され、ツールセットがさらに多様なものとなっている。

CR-8000 2023のリリースにより、さらに卓越した設計のためのイノベーションを探求することが可能になった。今回リリースされた最新版は、複雑な電子設計の課題を簡素化するツールでユーザーを支援するというZuken社のコミットメントを強調するものとなっている。

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