SprutCAM Tech社がCAD/CAM/OLPソフトウェア「SprutCAM X 17」と「SprutCAM X Robot 17」をリリース

2023年 9月19日

SprutCAM Tech社 2023年9月12日

SprutCAM Tech社は2023年9月12日、同社製CAD/CAM/OLPソフトウェアの最新版となる「SprutCAM X 17」および「SprutCAM X Robot 17」をリリースした。

SprutCAM XとSprutCAM X Robotは、ソフトウェアエコシステム全体をカバーする次世代メーカー向けのCAD/CAMソリューションである。最新版となるVersion 17は、これまでで最もパワフルかつ機能的なバージョンであると同時に、習得性と利便性に優れたものとなっている。Version 17で導入された革新的な技術や主な新機能を以下紹介する。

次世代のメーカーに最適なCAD/CAMシステムであるSprutCAM X

今日のエンジニアは、ソフトウェアを自分で探って調べ、素早く使い始めることを好む傾向があるため、SprutCAM X 17とSprutCAM X Robot 17には、CAD/CAM業界初となるSprutCAM X製バーチャルAIアシスタント「Ency」が搭載され、Gコード習熟のための新たな学習機会を提供している。

途方もない形状や巨大な寸法、さまざまな材質の部品を扱う産業用ロボットのプログラミングを行う場合、オールインワンのCAD/CAM/OLPソリューションであるSprutCAM X Robotは、ロボットミリングにおいて比類なき存在といえる。溶接、積層造形、ピックアンドプレース、組立、塗装、トリミングなど、SprutCAM X Robotのアプリケーションは多岐にわたっており、SprutCAM X Robotは複雑で創造的なロボットタスクのために必要なものが全て揃ったCAD/CAM/OLPソリューションと位置付けられる。

SprutCAM X Robot 17に導入された新機能

  • ロボットアームを使用して、オブジェクトをある場所から別の場所へ移動するためのPoint Pick and Place(ポイントピック&プレース)操作がアップデートされ、任意の数の節点を作成し、それらを通じてエンドエフェクターを移動させることが可能となった。
  • 外形溶射、表面溶射、モーフ溶射、回転溶射を含む新しい溶射グループ操作
  • マップ上の周期軸の境界表示など、冗長軸オプティマイザの強化

最新版の強力な機能

Version 17で最も期待されている革新的な機能のひとつがMultiproject(マルチプロジェクト)で、この機能によりワークフローを合理化して時間効率を向上させ、複数のプロジェクト間で同様のアプローチを容易に再利用できるようになっている。

もう一つの重要な追加機能がSnapshots(スナップショット)機能で、これはCAMワークフローにおける「元に戻す(アンドゥ)」機能のようなものである。イベント発生時に自動的にスナップショットが作成され、スナップショットリストを通じて元の状態に戻すことができる。プレビューのためのスナップショットマネージャーも利用できる。

Machine Setup File(マシンセットアップファイル)は、よくあるタイプのパーツを扱う多くのプロジェクトに携わるユーザーにとって大幅な時間節約となるもので、機械のデジタルツイン、設定、ツールを既製のテンプレートから簡単かつ迅速に転送できる。

また、Machining Report(マシニングレポート)が刷新され、関連するコンテンツのみに限定したレポートの作成、迅速なレポート作成、高品質な画像出力、新鮮で直感的なユーザーインターフェイス、さまざまな設定が可能な高度なエキスパートモード、グラフィックのきめ細かなコントロールが可能になったほか、複数の形式でのエクスポート機能や多様なレポートテンプレートも提供されている。

優れた機能性

Version 17では3軸操作に特に注目しており、例えば、Roughing Waterline(荒取りウォーターライン)加工では、コーナーの削り残り加工のシームレスな統合、計算速度の30~40%高速化(プロセッサのシングルコアを使用した場合)、安定性の大幅な向上、非切削送り動作中の切削を強調するシミュレーション機能、誤ったプランジを強調するシミュレーション機能などの新機能が追加された。

また、3軸ミル加工用の新しいオペレーションであるUndercut Waterline(アンダーカット・ウォーターライン)が導入され、あらゆる種類のアンダーカット工具(ロリポップ、ディスク工具、スロット工具など)、適応的なラフパス、マルチコア計算をサポートしている。

さらに、これまでにないような公差を持つ5-axis Solid Simulation(5軸ソリッドシミュレーション)が追加されており、これは、ワイヤー放電加工やレーザー切断加工のように大きなストックに非常に小さな工具を使用する場合に特に役立つ機能となっている。

SprutCAM Xのエコシステム

SprutCAM X 17は、単なるCAD/CAMソフトウェアにとどまらず、オンラインプロジェクトライブラリが新たに導入されている。このライブラリは、SprutCAM Xの開発者、パートナー、顧客間のコラボレーションとプロジェクト共有を促進するクラウドベースのプラットフォームを提供するものである。

また、ロボットセルとCNCマシンのためのデジタルツイン製作機能であるMachineMakerは、オプション軸を持つフライス盤、旋盤、スイス型マシンをサポートするようになった。MachineMakerには新しいインタラクティブ・シンプリファイアが追加され、機械のデジタルツインから一定の要素を削除し、MachineMakerでの作業がスピードアップできるようになっている。

一方、ビルトインCADモジュールでは、メニューとウィンドウがHDモニター用に最適化され、パフォーマンスと安定性が向上したほか、新しくスケッチ機能が導入されている。

利便性の向上

パラメータを素早くナビゲートする新しいスマートヒントが導入され、インタラクティブで直感的な操作が可能になっている。

また、SprutCAM X 17では、デザインとインターフェイスが改善され、長時間の作業にも適したカラーバランスと、様々なセカンドレベルウィンドウで一貫したインターフェイスデザインにアップデートされた。これより、一つのウィンドウで全ての作業が行えるようになり、必要なツールが全て手元に揃ったこと、そして簡潔かつわかりやすいデザインが装備されたことで、集中して作業を行い、一貫したワークフローが維持できるようになっている。

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