Kubotek Kosmos社がCADソフトウェア「KeyCreator 2024」をリリース

2023年10月30日

Kubotek Kosmos社 2023年10月26日

Kubotek Kosmos社は2023年10月26日、同社製CADソフトウェアの最新版となる「KeyCreator 2024」をリリースした。主な改良点は以下のとおりである。

  • 全ての主要な機械系CADソフトウェアの3D公差およびデータアノテーションの読み込み
  • 公差適合データベースにリンクされた適合グレード寸法設定
  • 3Dモデリング作業における面の色/マテリアルのボディ間の転送
  • CADファイルトランスレータのアップデート

製造アノテーションのセマンティックな読み込み

KeyCreator 2024では、モデルベース定義(MBD)ストラテジーのサポートが強化されており、フィーチャーコントロールフレームなどの製品製造情報(PMI)アノテーションを正確な3Dモデルの面に付けることで、部品を明確に定義できるようになった。これにより、機械図面が不要になり、時間の節約、重大な潜在的コミュニケーションエラーの削減、自動化機能の向上が実現する。KeyCreator製品では、CATIA、NX、Creo、SolidWorks、Inventorなど、全ての主要なCAD形式からPMIエンティティを読み込む際に、セマンティック定義が保持されるようになっており、KeyCreatorで作成した場合と同じように、アノテーションエンティティの値や属性の編集が迅速に行えるようになった。これに加え、連続フィーチャと不等間隔公差記号が新たにサポートされるようになった。

この機能は、Kubotek Kosmos 3D Framework変換ライブラリを使用して開発されている。この技術はKubotek Kosmos CAD Utilityプログラムの基盤となっており、航空宇宙やその他の高精密分野で長年にわたり実装されているものであるが、これによって非常に厳格なデータ整合性プロトコルの継続的な改良が可能になっている。

適合等級に基づく自動公差値

KeyCreator 2024の寸法エンティティでは、ねじ切りされていない円筒部品と嵌合フィーチャの公差嵌め合い指定をサポートする新しいオプションが導入されており、シャフト、穴、またはその両方について、等級指定と公差寸法のさまざまな組み合わせが表示される。カスタマイズ可能な統合データベースは、ISO 286に基づく推奨公差を提供し、公称寸法値が新しい寸法範囲に移ると、寸法公差値が自動的に適切な値に更新される。この機能により、嵌合シャフト・穴に関して必要な技術面での定義を行うことができるようになり、詳細図面をすっきりとさせ、手入力で公差値を更新してエラーが発生するのを防ぐことができる。

NCプログラミングの自動化に使用されるフェースフォーマット属性の維持

自動車用金型業界では、公差や製造情報をNC加工システムと交換して、加工サイクルパラメータのプログラミングを自動化するために、CADではモデルの面をカラー属性でコード化することが一般的である。KeyCreator 2024では、スプリットおよびアンフックモデリング機能が強化され、元のボディからカラーなどの面の属性を自動的に転送することができるようになった。

トランスレータサポートの強化

前回のメジャーリリース以降、Dassault SystemsやSiemens Digital Industries Softwareなどを含む10種類の主要CADフォーマットのデータをサポートするトランスレータがアップデートされた。Autodesk Inventor部品・アセンブリファイルの読み込みは2024バージョンまで拡張され、KeyCreatorがPMIエンティティのMBDサポートを提供する8つめの形式となった。

KeyCreator製品ファミリー

全てのKeyCreator製品はWindowsベースでローカルにインストール可能で、永久利用およびリース利用のオプションが提供されている。また、全てのKeyCreator製品にネイティブな共有ファイル形式(CKDファイル拡張子で識別)によって、ダイレクトモデリングから機械図面、チームレビューまで、プロジェクト全体にわたり特化した機能を活用できる。無償で利用できる読み取り専用ビューアKeyCreator CKD Viewerは、2024リリースでも以前のバージョンでも、KeyCreator CKD形式の全ての設計データを読み込むことができる。

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