Autodesk社がAutodesk AIを発表
2023年11月20日
Autodesk社 2023年11月13日
Autodesk社は2023年11月13日、同社が米国ラスベガスで2023年11月13日から15日(日本時間11月14日から16日)まで開催したデザインと創造(Design & Make)のカンファレンス「Autodesk University(AU)2023」において、我々を取り巻く世界を設計・製造するあらゆる業界の創造性を解き放ち、問題解決を支援し、非生産的な作業をなくすことのできるテクノロジーである「Autodesk AI」を発表した。Autodesk AIは、Autodesk製品で利用でき、クラウドベースの統合ソフトウェアソリューションである「Design and Make」プラットフォームにネイティブ搭載される。Autodesk AIにより、インテリジェントなアシストとジェネレーティブ機能が提供され、正確で革新的な結果を生み出しながら、自由に想像し探求することが可能になる。
Autodesk社の社長兼最高経営責任者(CEO)であるAndrew Anagnost氏は、次のように述べている。「デザイン・ものづくり業界の信頼できるテクノロジーパートナーであるAutodeskは、AIについて、お客様が直面する課題に取り組み、それをチャンスに変える手段としてとらえています。Autodesk AIは、設計者やエンジニアが十分な知識を獲得できるようにするとともに、生産性を向上させ、イノベーションを加速させるアシスタントなのです。」
AIほど大きな可能性を秘めたテクノロジーはない。Autodesk社は、長年AIの最前線で研究してきた専門家を擁しており、設計と製造のためのAI開発を継続的に進めるにあたり独自の位置づけを獲得している。なお、Autodesk社のAIラボはこれまでに、AIとジェネレーティブAIの最先端を前進させる60以上の査読付き研究論文を発表している。
「AIはデザインと創造の未来であり、AutodeskはAIへの移行のパイオニアです。当社は、世界で最もクリエイティブでインパクトのある産業の多くが交差するところに位置しており、お客様のビジネス、そして世界により良い結果をもたらす変革の可能性を秘めたAIへの投資を今後も続けていきます」とAnagnost氏は語る。
新しいビルや高速道路の建設、製品やスマートデバイスの製造、魅力的なメディアやエンターテイメントの制作など、Autodesk AIは、生産性を向上させるだけでなく、志に満ちた創造的なツールを提供することで、ユーザーが今この瞬間からさまざまなことに対処できるよう支援するものとなる。
近日中に発表予定のAIに関する特別レポート「2024 State of Design and Make」では、調査対象である企業の77%が、今後3年間にAIへの投資の増加または大幅な増加を予定していると回答している。また、調査対象企業のトップの66%は、2~3年後にはAIが不可欠になることに同意している。
Autodesk社の最高技術責任者(CTO)であるRaji Arasu氏は、「当社は、セキュリティと倫理的なAIの実践に取り組むことで顧客のニーズに応える、責任あるAIソリューションの提供に注力しています。Autodesk AIは、より良い設計と製造の方法を実現するために、当社の既存製品と業界クラウドの両方において、Autodeskのプラットフォーム全体に浸透していくでしょう」と述べる。
現在、Autodesk AIはオートデスクのポートフォリオ全体で利用可能であり、常に新しい機能が開発されている。Autodesk AIは、創造的な探求と問題解決のための機能を拡大し、反復的なタスクを自動化してミスを最小限に抑え、時間を節約し、複雑なプロジェクト データを分析して予測的な洞察を提供する。
建築、エンジニアリング、建設向け:
Autodesk Formaは、風、騒音、運用エネルギーの解析を迅速に行うため、初期段階での計画や設計の意思決定をスマートに行え、成果の向上を図ることができる。
InfoDrainageでは、機械学習による排水ツールであるMachine Learning Deluge Toolを活用して、貯留池や沼地の最適な配置に関するフィードバックや、水災害の防止ならびに影響の軽減のための支援が受けられる。
AutoCADは、AIを活用して手書きやデジタルのマークアップを読み取り、ユーザーの意図を判断してコンテキストを考慮したアクションを推奨することで、変更を簡単に取り入れることが可能になるため、製図者がイテレーションを迅速に回せるようになる。
Construction IQでは、AIを活用して品質、安全性、コスト、スケジュールに影響を及ぼす可能性のある建設リスクの予測・防止・管理を実現する。
製品設計および製造向け:
Autodesk社が最近買収したBlank.AIのジェネレーティブAI機能により、高度な技術的スキルがなくても自動車業界向けの概念設計の探索が可能になり、セマンティックコントロールと自然言語を使用して、リアルタイムで迅速に作成、探索、編集できる3Dモデルと成果を加速化する。
Autodesk Fusionでは、製造方法、性能、コストなどに最適化された製品設計を自動的に生成できるようになる。
また、Fusionのワークフローは、必要に応じてユーザーが調整できるテンプレート化されたコンピュータ支援製造ツールパスの自動作成を可能にするために開発されている。自動化された図面は、シート作成、ビュー配置、注釈ワークフローに関するインタラクティブなエクスペリエンスを提供する。
メディアおよびエンターテイメント向け:
Autodesk Flowのジェネレーティブスケジューリングは、チームと予算の間で常に変化する変数を管理することで、メディアやエンターテイメント制作のスケジューリングを自動化する。ジェネレーティブスケジューリングにより、従来は数日かかっていたプロセスでも数分で結果が得られるため、リソースの予測、計画、適切なサイジングが可能になり、必要に応じてクリエイティブな余力を確保できる。
Autodesk FlameはAIテクノロジーを活用して、キーイング、空の置き換え、ビューティー作業、カメラ トラッキングなど、アーティストが手作業で行っていた業務を自動化する。
MayaのAI搭載ワークフロー(現在ベータ版)は、アーティストが自然言語のテキストプロンプトを使用してMayaのシーンデータと対話する新しい方法を提供する。
Wonder Dynamics社との提携を通じて、MayaプラグインにAIを活用し、実写シーンにおけるCGキャラクターのアニメート、ライティング、合成が自動的にできるようになる。