ModuleWorks社がデジタル製造ソフトウェアコンポーネント「ModuleWorks 2023.12」をリリース

2023年12月25日

ModuleWorks社 2023年12月19日

ModuleWorks社は2023年12月19日、同社製デジタル製造ソフトウェアコンポーネントの最新版「ModuleWorks 2023.12」を発表した。ModuleWorks 2023.12には、効率的なツールパス生成のための新しい自動化機能が数多く含まれている。また、複数の工程にまたがるさまざまなハードウェア・ソフトウェアシステム間で製造装置のデジタル表現を交換するためのオープンなデータ仕様であるMDESに準拠したライブラリも新たに提供されており、システム相互運用性が確保されている。

MDESLib - Equipment

製造業では、さまざまなハードウェアやソフトウェアシステムが使用されており、生産のさまざまな段階で相互にデータを交換する必要がある。これらのシステムは異なるサプライヤーにより開発され、データファイル形式が異なるため、システム間で交換できる情報には限界がある。

ModuleWorks 2023.12では、MDESデータ仕様を使用して異なるシステム間で製造装置のデジタル表現を効率的に交換できる、即時利用可能なソフトウェアライブラリMDESLib - Equipmentが提供されている。

MDESLib - Equipmentにより、ユーザーはMDES仕様を使用するハードウェア・ソフトウェアプロバイダーのオープンなエコシステムにアクセスできる。MDESLib - Equipmentは、カスタマイズされたデータブリッジを構築する必要性を排除し、企業の開発およびメンテナンスコストの削減を支援する。

旋盤加工:ラジアル切削

ラジアル切削向けの新しい切削パターンが登場し、特に直径が軸方向長さより大きい場合や溝を切削する必要がある場合におけるターンミル加工の効率が向上する。

新しいパターンでは、工具の側面で切削するのではなく、工具が中心軸に向かって傾斜するため、最小限の時間で最大限の材料を除去でき、加工効率が向上する。

部分荒加工:逃げ面のユーザー定義

多くの加工において、複雑なパーツのツールパスを安全に接近、後退、リンクさせることは容易ではない。

ModuleWorks 2023.12では、ユーザー定義サーフェス上でツールパスをリンクする新しいオプションが導入され、加工の安全性が向上すると同時に、平面、円柱、球などの幾何学的プリミティブを使用して逃げ面を定義できるようになった。これにより、切削以外の動きのコントロールが向上し、複雑なパーツのかみ合い、引き込み、リンクの際に安全で衝突のないツールパスが生成できるようになった。

3軸加工:ストックを考慮したリンク動作の改善

ModuleWorks 2023.12 では、ストックに対する考慮が強化され、リンク動作に関連する安全性が大幅に向上した。スライスとパーツに対する荒加工リンクのチェックに加え、荒加工リンクと加工中のストックやワークをチェックし、高速リンクやプランジでの衝突を回避するリンク動作が生成されるようになり、信頼性が向上している。

切断角度の最適化

フロア仕上げの切削角度は通常はユーザーが定義するが、急斜面、浅い面、レスト領域など、複数の面や物がある場合、ユーザーが定義した切削角度では最良の仕上げが得られないことがある。

ModuleWorks 2023.12は新たなアルゴリズムを実装しており、フェースや封じ込めゾーンの最長エッジに基づいて切削角度が自動的に検出される。これにより、材料除去率と仕上げ面粗さを向上させながら、切削パターンが最適化されるため、全体的な加工時間を短縮できる。

オフセット荒加工のスムージング制御

境界部に詳細なフィーチャーを持つ複雑なパーツ用に生成されたツールパスは、オフセット生成のために波打っていることがよくあるが、このような波状のツールパスは、不要な減速や加速を引き起こし、加工時間が長引く可能性がある。

ModuleWorks 2023.12では荒加工サイクルに新しいオプションが追加され、内側のオフセットや輪郭を滑らかにし、最後のスライスで外周の形状が維持されるようにする。滑らかなツールパスは動きの変動を低減し、荒加工と全体的な加工の高速化が実現する。

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