Zuken社がプリント基板設計ソフトウェア「eCADSTAR 2024.0」を発表

2024年 6月17日

Zuken社 2024年6月10日

Zuken社は2024年6月10日、次世代プリント基板(PCB)設計ソフトウェアの最新版となる「eCADSTAR 2024.0」のリリースを発表した。今回の新リリースでは、設計の再利用の強化、リビジョントラッキングの簡素化、より堅牢(けんろう)な回路図設計など、多くの機能向上が実施されている。

現在、コンパクトでエネルギー効率に優れ、環境に優しい高性能な電子機器への需要が高まっているが、eCADSTAR 2024はこれに応えるPCB設計者をサポートする。2024.0リリースでは、平面トランスのような特殊部品やPCBの限られたスペースなどの課題に対応し、重要な信号の終端に欠かせない内層のエッチング部品(抵抗など)の配置が最適化されるようになった。また、直感的なフットプリントエディターを活用することで、サイズと形状が簡単にカスタマイズできるようになり、正確な抵抗値が得られるため、設計効率が高まる。

リビジョントラッキングのための設計比較機能

eCADSTAR 2024.0では、設計者が二つのPCBや回路図のデザインの違いを簡単に識別できる包括的なデザイン比較機能が導入されている。この機能は、特に変更の文書化が十分でない場合に、これまでどのようなリビジョンが行われてきたかを理解するために非常に有用である。さらに、形状比較ツールは、銅や配線パターンの不一致を強調表示することで、リバースエンジニアリング作業を支援する。

部品の効率的な転送

新しい「Copy Complete Part」機能により、PCBフットプリント、回路図シンボル、パッドスタック、3Dモデルなどの包括的なデータセットとともに、コンポーネントを顧客固有のライブラリやプロトタイプライブラリから直接セントラルライブラリへワンアクションで簡単に転送できるようになった。この機能により、貴重な時間が節約できるだけでなく、設計プロセスの一貫性と正確性が確保できる。

回路図のアップデートにより設計エクスペリエンスが向上

設計エクスペリエンス向上のため、eCADSTAR Schematic Editorのアップデートが行われた。具体的には、ドキュメンテーションが強化され、バリアントテキストがサポートされるようになった。また、ネットとバスの描画が最適化され、コンポーネントの接続が容易になった。さらに、新しいデザインルールチェック(DRC)の導入により、潜在的な問題を早期に特定し、設計プロセスを合理化して、設計時間全体を短縮し、後の修正の必要性を最小限に抑えることができるようになった。

eCADSTARは、永久ライセンスまたはサブスクリプションライセンスで提供され、個々のニーズに合わせてさまざまなバンドルが用意されている。

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