ModuleWorks社がデジタル製造ソフトウェアコンポーネント「ModuleWorks 2024.08」をリリース

2024年 8月26日

ModuleWorks社 2024年8月15日

ModuleWorks社は2024年8月15日、同社製デジタル製造ソフトウェアコンポーネントの最新版「ModuleWorks 2024.08」のリリースを発表した。今回リリースされた最新のModuleWorks SDKには、多軸荒加工から旋盤加工までの複数のコンポーネントにわたる機能強化など、安全性、ツールパス生成効率、部品品質の向上を目的としたさまざまな新機能や拡張機能が導入されている。

多軸荒加工 - 面荒加工

新機能「Detect Material Thicker Than」

以前のリリースでは、削り残り荒加工操作で前の操作のツールトレースエリアから材料が検出された場合、不要なパスが作成されていた。

ModuleWorks 2024.08では、新機能「Detect Material Thicker Than」が導入され、削り残り材の厚さを事前に設定して、削り残り材を正確に検出できるようになった。この値は、直前の加工で検出された削り残り材よりも大きくする必要があるが、この機能により、削り残り荒加工での不要なパスがなくなり、加工時間と工具摩耗が低減するクリーンなツールパスの生成が可能になる。

多軸表面仕上げ - 壁面・床面・削り残り部仕上げ加工

壁面仕上げ加工用フロア平行パターン

壁面での測地線加工のガイド曲線は、測地線オフセットパターンの生成には最適でない場合がある。その場合、生成されたツールパスは複雑な形状で、直感的でないことがある。

ModuleWorks 2024.08では、壁の仕上げ加工に新しいフロア平行カットパターンが導入され、平面のフロアに平行なスライスが生成されるようになった。これによって、壁のフィーチャーによりパターン生成が妨げられないようになる。この新しいパターンを活用することで、傾きが少なく、サーフェス品質が向上した加工が可能な、まったく新しいジオメトリが導入できる。

多軸表面仕上げ - 壁面・床面・削り残り部仕上げ加工

ツールパスの拡張

バレル工具のような高度な工具を使用すると、閉じた形状の加工時にツールパスの始点と終点で大きなカスプが発生することがある。

ModuleWorks 2024.08では、ツールパスエクステンションが導入され、それぞれの閉じた輪郭の始点と終点を超えて工具の動きを拡張できるようになった。これにより、特にバレル工具などの高度な工具では、始点と終点でのカスプが小さくなり、壁面での均一な仕上げ面が得られるようになる。

3軸加工

カスプを一定にするためのシフト距離を持つスパイラルブレンドコネクション

一方向切削や真のスパイラル切削では、ツールパスが複数の領域に分割される場合、適切に接続できずにステップオーバーやカスプが変化する。

ModuleWorks 2024.08では、コンスタントカスプストラテジーが、シフト距離を持つスパイラルブレンドコネクションをサポートするようになった。これにより、1つの領域が複数の領域に分割されるエリアで、ブレンドスプライン、ダイレクト、またはサーフェスリンクに従う一方通行の切削方法と比較して優れたサーフェス仕上げが得られるようになった。

ターニング加工

B軸プロファイル旋削

これまで、工具軸を同時に傾斜させた旋削プロファイルツールパスを作成することは不可能であったため、アンダーカット領域に到達したり、短い工具オーバーハングを使用することはできなかった。

ModuleWorks 2024.08では、工具軸を同時に傾けるターニングツールパスの作成が可能になる、新しいB軸プロファイルターニングストラテジーが導入された。これにより、部品曲線に対してチップのプロファイルをガウジングチェックしながら、チップ中心を中心としてチップを傾けることができるようになり、安全なB軸プロファイル旋削ツールパスの作成が可能になる。この加工法では、円形チップと非円形チップ(三角形、四角形、平行四辺形、ひし形)の両方がサポートされる。この手法の主な利点としては、より短い工具オーバーハングで使用できるため、加工精度が向上することが挙げられる。

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