SPX FLOW社とSiemens社が革新的なデジタルツインとAI製品設計で協業
2025年 2月 3日
SPX FLOW社 2025年1月29日
流体技術の世界的企業であるSPX FLOW社は2025年1月29日、Siemens社と協業し、米国・シカゴのMxD(Manufacturing x Digital)センターにおいて最先端のデジタルツイン技術を紹介することを発表した。MxDセンターは製造業におけるイノベーションの一大拠点であり、食品・飲料、化学、バッテリーなどの業界に進歩をもたらしている。
SPX FLOW社とSiemens社は、MxDでデジタルツイン技術の変革の可能性を実証する。このテクノロジーは、産業用5Gコネクティビティと、ソフトウェア定義のモジュール型パッケージ(MTP)コンセプトによるモジュール生産によってさらに強化され、関連するデジタルツインを備えた自動混合タンクとして紹介される。
この協業では、SPX FLOW社の流体処理ソリューション(ミキサー、ポンプ、バルブなど)と専門知識を、Siemens社のIoT接続ソリューションおよび数値流体力学(CFD)シミュレーション機能と組み合わせて、自律型混合タンクをコンセプトとしたデジタルツイン(実際のシステムの正確な仮想レプリカ)を作成する。このデジタルツインにより、ユーザーは流体システムの仮想的な設計、テスト、最適化を行って、リスクの軽減、効率の向上、イノベーションの加速化を図ることができる。
SPX FLOW社は、Siemens社が自社の仮想シミュレーション技術の変革の可能性を実証する上での一助となっており、柔軟かつ自律的な生産プロセスのデジタルツインの作成により、メーカーは従来の固定生産ラインと比較しながら、生産の最適化、スループットの検証、効率性と柔軟性の向上を実現できるようになる。この革新的なアプローチでは、自律移動ロボット(AMR)がプラントをナビゲートしながら材料や成分を連続的に混合することもでき、最適な生産能力と品質が確保できる。
SPX FLOW社グローバル製造・サプライチェーン担当副社長のTyrone Jeffers氏は、「当社の革新的な流体技術と、シミュレーションベースのデジタルツインやAIを活用したモデリングを組み合わせることで、お客様中心のソリューションを迅速に提供できるようになります。Siemensとともに、柔軟性、効率性、持続可能性を優先しながら、卓越した製造の新時代への道を切り開いていきます」と語る。
数値流体力学(CFD)モデリングとIoTによる条件付き監視は、SPX FLOW社の製品開発を以下のようにサポートしている。
- イノベーションの加速:精度を向上させながらモデリング時間を短縮。
- 効率性の向上:流体解析を強化し、洗練させた設計を実現。
- シームレスな統合:デジタルツインを実世界のアプリケーションに整合。
- スマートな製品:IoTによる条件付き監視を活用して機器の性能を最適化し、予知保全を可能に。
Siemens Digital Industries Software社の米州担当マネージングディレクターであるDel Costy氏は次のように述べている。「今回の協業は、我々にとっても、産業界のお客様にとっても大きな成功となるものです。SPX FLOW社と協力し、デジタルツインモデルで実際の世界とデジタル世界がライブ接続されるパワーを活用することで、当社はお客様が市場投入までの時間を短縮し、システム性能を最適化し、コストとリソースの使用量を削減し、独自のニーズを満たすためにカスタマイズされたアプリケーション固有のソリューションを提供できるよう支援していきます」。