Hexagon社が産業用ヒューマノイドロボット「AEON」を発表
2025年 6月23日
Hexagon社 2025年6月17日
測定技術のグローバル大手企業であるHexagon社は2025年6月17日、同社のフラッグシップイベント「Hexagon LIVE Global」においてヒューマノイドロボット「AEON」を発表した。
AEONは、Hexagon社が以前発表したロボティクス事業部によって開発され、現実の顧客ニーズに対応し、労働力不足を解決するために特に設計されている。同社の世界最高水準のセンサー群と、高度な移動機能、AI駆動のミッションコントロール、空間認識技術が組み合わされたAEONは、卓越した俊敏性、汎用性、そして状況認識能力を提供し、操作やアセット検査からリアリティキャプチャ、オペレーター支援まで幅広い産業アプリケーションに対応する。また、自動車、航空宇宙、輸送、製造、倉庫、物流などの業界において安全性の向上と自律性の推進に貢献する。
Hexagon社の取締役会長であるOla Rollen氏は次のように述べている。「Hexagonの精密測定とセンサー技術における伝統は、常に次世代の自律性を実現することにあり、当社はこれまでの10年間、各事業部門でロボティクスの革新に取り組んできました。Hexagonは、ヒューマノイドロボティクスの分野をリードし形作る上で、世界で最も好適な企業の一つです。AEONは、最先端の産業用カスタムメイドヒューマノイドで、構造的な人口動態変化に直面するお客様が持続可能な成長を実現するのを支援するという当社の目標に向けた大きな一歩となります。AEONが現実のものとなったことを誇りに思います」。
AEONの革新的な機能は以下のとおりである。
- 俊敏性：Hexagon社独自の高精度測定技術を組み合わせることで、AEONは高い精度を要するタスクを実行しながら素早く移動することができる。
- 認識力：空間認識能力と推論能力を組み合わせたAEONは、マルチモーダルセンサーからのデータを統合して環境を理解し、与えられたタスクに応じてミッションを最適化する。
- 汎用性：AEONは、特定の物体のピッキング、検査のための産業用部品のスキャン、デジタルリアリティキャプチャや遠隔操作によるデジタルツインの作成など、さまざまなタスクを実行できるように設計されており、その全てにおいてエンドツーエンドのトレーニングアプローチを採用している。
- 電力の自律性：独自のバッテリー交換機構により、AEONは充電なしで動作を継続できる。
Hexagon社ロボティクス事業部トップのArnaud Robert氏は次のように述べている。「当社はAEONによってフィジカルAIを進化させ、実際の業務上の課題に取り組んでいますが、これは、最先端のテクノロジーと業界の実用的なニーズを橋渡しするものです。当社はすでに多くの業界リーダーと提携しており、今後6ヶ月間でAEONを生産環境に導入した後、商業展開を拡大する予定です」。
Hexagon社のロボティクス事業部は、Schaeffler社およびPilatus社と提携し、操作、機械保守、部品検査、リアリティキャプチャなどのユースケースにAEONを試験導入している。
「革新と卓越性の追求という当社の長年にわたる伝統に則り、Hexagon社のロボティクス事業部と提携して、当社工場におけるヒューマノイドソリューションの探求に取り組めることを嬉しく思います」と、Pilatus社の製造担当副社長、Roman Emmenegger氏は述べる。「AEONは、スイスの製造業が直面する現在の課題に対応し、厳しさを増すグローバル市場において競争力を維持する上で貢献するソリューションとなるものと信じています。独自の移動方式、センサー、オンボードインテリジェンスにより機敏性と汎用性を提供するAEONは、日常業務における自動化とデジタル化を推進する多様な機会を切り開きます」。
また、Schaeffler社の高度生産技術部門シニアバイスプレジデントであるSebastian Jonas氏は、「ヒューマノイドロボットのような革新的な技術を活用することでモーションテクノロジーのリーディングカンパニーとなる道が拓けます。当社は、Hexagon Roboticsのヒューマノイドソリューションを当社工場における多様なユースケースでパイロット導入し、製造と垂直統合の分野で培った数十年の知見を共有できることを楽しみにしています」と述べている。
Hexagon社ロボティクス事業部は、AEONを市場に投入するために、NVIDIA、Microsoft、maxonなどのテクノロジーリーダーとの強固なパートナーシップを築いている。AEONは、NVIDIAのアクセラレーテッドコンピューティング、NVIDIA Omniverse、NVIDIA Jetsonで駆動している。また、Microsoft Azureのプラットフォームによって、AEONの機能の拡張可能な開発とオンデマンドトレーニングが可能となっており、さらにmaxonの次世代アクチュエーターにより多様な環境におけるAEON独自の効率的な移動が実現している。