ENCY Software社がCAD/CAMソフトウェア「ENCY1.1.1」および「ENCY1.1.2」をリリース
2025年 8月18日
ENCY Software社 2025年8月5日
ENCY Software社が同社製CAD/CAMソフトウェア「ENCY」の最新バージョンとなる「ENCY1.1.1」および「ENCY1.1.2」のリリースを発表した。これらの最新版には、プログラミングワークフローの効率化と重要な作業の信頼性向上のための機能向上が盛り込まれている。
STLの投影サポート
STLモデルがペイント操作の投影面として使用できるようになった。簡略化された表面モデルが作成され、加工面として割り当てられ、ツールパス計算に使用される。簡略化モデルはマシン軸の向きを定義し、ツールは元のSTLジオメトリに従って移動するため、精密なジオメトリが不要なエリアで表面法線に沿った効率的な動作が可能となる。
Part-off with Takeover操作におけるスピンドルの同期
Part-off with Takeover操作に新しいパラメータ「Grip RPM」が追加された。これは、エンゲージ時および部品ピックアップ時にメインスピンドル速度とサブスピンドル速度を同期させるもので、この値はCLDataに送信され、適切なポストプロセッサー機能を実現する。
スキャロップ操作の開始点
スキャロップ操作に「Starting Point」パラメータが追加され、ツールパス制御の柔軟性が向上した。
レポート内の新しいパラメータ
加工レポート生成ウィンドウのエキスパートモードに、穴加工リストの操作名が表示されるようになった。
使いやすさの向上
- 適応戦略、ツールの向き、軸方向のストック設定に関するスマートヒントがアップデートされ、さらなる明確化と疑問点の減少が実現。
- スイス式加工機におけるメインスピンドルとカウンタースピンドルの同軸ツールのマッチングアルゴリズムが向上。
- 「Adaptive Feedrate」パラメータのヒントがアップデート。
- プロパティウィンドウでZminパラメータがデフォルトでまたは機能により選択されている場合、形状ツールのジオメトリを有効にできないように変更が行われた。これを有効にできるのは、Zminがモデルで選択されている場合のみである。
新機能の概要
動画「What’s new in ENCY 1.1.1(ENCY 1.1.1の新機能)」と「What’s new in ENCY 1.1.2(ENCY 1.1.2の新機能)」でこれらのアップデート内容を実際に確認できる。
修正
今回のアップデートには、システム安定性とパフォーマンスを向上させる多数のバグ修正が含まれている。修正された問題としては、インターフェースの不一致、シミュレーションのエラー、プロジェクトを開く際やマルチプロジェクトモードでの作業時におけるクラッシュ、インペラ加工などの複雑な操作における問題などが挙げられる。また、CLData編集、ツールパスシミュレーション、レポート生成、破損したジオメトリファイルの処理に関する改善も実施されている。
注:上記のアップデートは、有効な年間サポート契約(SMC)を利用中の全ユーザーに提供される。