ALLPLAN社がBIMソフトウェア「ALLPLAN 2026」をリリース
2025年10月20日
ALLPLAN社 2025年10月16日
Nemetschek Group傘下のALLPLAN社は2025年10月15日、同社製BIMソフトウェアの最新版となる「ALLPLAN 2026」をリリースした。ALLPLAN 2026は、プロジェクトライフサイクル全体を通じて生産性、精度、持続可能性を向上させる革新的な機能を提供する。建築家、エンジニア、詳細設計者、製造業者、建設専門家向けに設計された今回の新リリースは、近代化、自動化、統合に焦点を当てており、コンセプト設計から施工に至るまでエンドツーエンドの共同作業フローを実現する。
建築・エンジニアリング・建設(AEC)業界は、プロジェクトの複雑化、カーボンフットプリント削減に対する圧力、逼迫する予算、複数関係者間のシームレスな協業の緊急性などの重大な課題に依然として直面している。こうした要求は、プロセスの分断、非効率なデータ交換、手戻りを招くことが多く、精度と持続可能性を維持しつつワークフローを効率化する統合ソリューションの必要性を浮き彫りにしている。
ALLPLAN社の最高製品・戦略責任者であるEduardo Lazzarotto氏は、「ALLPLAN 2026のリリースにより、当社はAEC業界全体で自動化、協働、持続可能性を統合するソリューションを提供します。これにより建築家、エンジニア、建設専門家は、さらに効率的に作業を行い、エラーを削減し、経済的・環境的要件を満たすプロジェクトを実現できるようになります」と述べている。
協働データに基づく迅速かつ持続可能な意思決定
ALLPLAN 2026では、Preoptima CONCEPTとの統合により、持続可能な設計への取り組みが強化されている。このシームレスなワークフローにより、建築家やエンジニアは詳細なBIMモデルが必要となるよりずっと前の段階で、ALLPLANから概念的なマスモデルを直接エクスポートして初期段階の炭素評価ができるようになる。ユーザーは運用段階およびライフサイクル全体の炭素排出量を評価し、異なる設計案を比較検討することで、最初から情報に基づいた包括的な判断が可能となる。
また、GeoPackage DataExchangeの導入に伴い、都市計画や設計に携わる者はEUおよび域外においてGISデータをシームレスに統合できるようになった。これにより正確な敷地環境へのアクセスが保証され、ゾーニング、インフラ、環境影響に関する意思決定の精度が向上する。
さらに、新しいAIアシスタントがConnectプラットフォーム経由で利用できるようになり、ALLPLANのワークフロー、AEC業界の標準、ベストプラクティスに関するガイダンスを提供するとともに、建設基準からコーディング支援に至るまでのタスクに対するスマートな提案を行って計画効率を向上させ、事前の意思決定を強化する。年中無休かつ複数言語で利用できるAIアシスタントは、プロジェクトライフサイクル全体を通じて継続的な専門家レベルのサポートを確実に提供する。
これらに加え、新たに無料で提供されるALLPLAN Model Viewerは、すべてのプロジェクト関係者にブラウザベースの即時IFC可視化機能をもたらす。一方、改良されたXRef Managerは統一された概要表示を実現し、データ管理を簡素化する。Cloud Reference(新しいIFC XRefタイプ)は、BIMPLUS経由でIFCファイルをALLPLANに直接挿入できるようにし、共通データ環境内での情報共有を強化する。
ALLPLAN 2026はIDSベースの属性インポートをサポートし、BIMモデルがコンプライアンスに必要な全データを網羅できるようにする。さらに強化されたIFC4インポート機能により、データ交換がより円滑になっている。BIMPLUSの新たな連携インターフェースには、IFC4.3インポートとGLB形式の拡張エクスポート機能が含まれ、視覚化が向上した。ALLPLANと Bluebeamの接続の拡張により、Bluebeam Studioプロジェクト環境のドキュメントをALLPLANのワークフローに容易に取り込めるようになった。
建築・インフラ設計
ALLPLAN 2026では、建築家がフリーフォームの階段をより効率的に設計するための強力な機能強化が導入された。また、スラブの多層サポートにより、基礎や地形層などの複雑なアセンブリのモデリングが容易になり、直感的なプレビューと精密な制御で、より迅速かつエラーのない施工計画が可能となった。
同時に、BIM準拠の部屋と仕上げの詳細設計が大幅に改善され、多層仕上げ、ルールベースの配分、高度なフィルタリング、柔軟なレイヤー管理が実現した。カスタムコンポーネントの優先度に基づく接続により、設計者は複雑な形状をより正確にモデリングできるようになった。相互作用の自動化により手作業が削減し、エラーが最小限に抑えられる。これらの機能は、正確な2Dおよび3D表現の作成を簡素化し、エラーを減らし、更新を加速する。これにより、初期設計から持続可能・建設可能な実行段階に至るまで、一貫した詳細な結果が得られる。
インフラ設計については、ALLPLAN 2026ではワークフローを加速し精度を向上させる複数の機能向上が導入された。新たなパラメトリックトンネルモデリング手法は、アライメント、断面定義、施工方法を統合し、エンジニアや詳細設計者に精密かつ効率的なモデリング機能を提供すると同時に、パフォーマンスを大幅に向上させる。高度な3Dレイヤ管理は、複雑な土木プロジェクトにおける効率性と信頼性の新たな基準を確立し、新たに統合された次世代デジタル地形モデラー(Digital Terrain Modeler)は、正確で詳細な地形ワークフローを実現する。また、パラメトリック道路交差点モデリングが拡張されて、より現実的な交差点モデルを作成できるようになり、手作業による修正が減少する。
構造解析・構造設計
構造解析フォーマット(SAF)ファイルのインポートが大幅に簡素化され、BIMPLUSへの直接インポートにより、可視化と検証用の3D解析モデルが即座に生成できるようになった。また、BIM-Connectorへの3Dモデルのシームレスな転送が可能となり、ALLPLANソリューション間での連携がこれまで以上に容易になった。
ALLPLANの最新の3D構造解析・設計ソリューションには、エンジニアがシナリオを迅速かつ自動で特定・分析できる新たな移動荷重機能が追加された。さらに新たな歩行荷重解析により、構造物が人による振動にどう反応するかを評価できる。新たに統合された部材ベース解析・設計モジュールには拡張された統一基礎モジュールが含まれ、構造技術者はALLPLANの簡素化されながらも包括的な設計ソリューションを利用できるようになった。
鉄筋詳細設計
構造鉄筋の詳細設計について、ALLPLAN 2026では柱鉄筋設計の自動化が強化され、解析・設計から鉄筋配置を転送する作業がより容易・迅速・確実なものになった。また、壁鉄筋の自動ワークフローが、ワンクリックでの水平/垂直鉄筋優先度設定や鉄筋タイプのオン/オフ切り替えによってさらに強化され、直感的でストレスのない自動化が実現する。
また、円形鉄筋機能と新たな現場鉄筋ワークフローがアップデートされ、複雑な円形・螺旋構造の精度を向上させ、デジタルファースト建設を実現する。設計者と鉄筋加工業者は、等角投影図上で直接鉄筋を配置し、改良された属性管理を活用して、完全にデジタル化された図面不要のプロセスで鉄筋干渉を効果的に処理できるようになった。
プレハブ製造と建設
ALLPLAN 2026では、設計と製造が共通ワークフローで統合され、プレキャスト製造業者の手作業とエラーが削減する一方で、一貫性のある出力が得られるようになった。ルールベースの寸法付けにより、生産準備完了図面の生成が自動化され、カスタマイズ可能なルールと基準に基づいて、各プレキャスト部材に必要な寸法の精度が保証される。ローカルビュー向けの新たな自動寸法表示機能は、変更があっても正確な表現、精密さ、一貫性を実現する。カスタマイズ可能な数量算出機能により、ユーザーはERPシステムやクライアントに必要なデータを含む部品表をエクスポートできる。
ALLPLAN 2026の専用構造用鋼材ソリューションには、鉄骨詳細設計者および製造業者向けのカスタムプロファイルを作成する新機能が追加された。これにより、特殊な詳細設計を扱い、施工性チェックを通じてカスタム接続を行うための追加知能がユーザーに提供される。また、新しい素材タイプがサポートされるようになったことで、設計・詳細設計の可能性が拡大し、ユーザーは各種金属や建築部品にも自信を持って対応できる。
また、ALLPLAN 2026では地盤工事に関する機能が大幅に向上しており、複雑な建設モデル管理の簡素化、エラーの削減、プロジェクト納期の短縮化が実現するとともに、施工チームへの信頼性の高いデータ引き継ぎが確保できるようになっている。
発売時期:
ALLPLAN 2026ならびに14日間の無料体験版は現在ダウンロード可能である。