IronCAD社がCADソフトウェア「IronCAD 2026」をリリース
2025年10月27日
IronCAD社 2025年10月21日
IronCAD社は2025年10月20日、同社製CADソフトウェアの最新版となる「IronCAD 2026」をリリースした。IronCAD 2026は、産業用機械・機器および金属・鉄骨加工製造のCAD設計者を支援するように設計されており、生産性を高め、ワークフローを効率化させ、設計精度を向上させる強力な機能が導入されている。
IronCAD 2026の主なハイライト
シーンと図面のマルチアプリケーションウィンドウのサポート(ICDおよびDRAFT)
3Dシーンと2D図面専用のウィンドウで、複数のモニターをシームレスに操作できるようになった。3Dシーンの変更はワンクリックで即座に図面に反映され、マルチタスクの強化、反復作業のスピードアップ、全体的なユーザーエクスペリエンスの向上を実現する。
スマートアノテーションのアドオンライセンス
IronCADにスマートアノテーションの新しいアドオンライセンスが導入され、正確なコントロールによる自動寸法記入が提供されるようになった。ユーザーはオブジェクト上の特定の寸法位置を定義でき、モデルやパターン内のコンポーネントの調整がサポートされるようになった。これにより自動化された寸法記入の正確な精度が可能になり、図面作成が加速するとともに、手作業によるクリーンアップが最小限に抑えられ、製造可能な図面が確保できるようになる。
AI Design Assistant FoundationによるAIチャットボットの継続的な機能向上
IronCAD 2026では、AI Design Assistant FoundationによるPythonスクリプトのサポート強化に伴い、以下をはじめとするAI機能のステージ2が導入された。
- 複数データベースのサポート:複数のデータベースへの接続に向けて強化されたバックエンド・サポートによって、パブリックおよびプライベートAIの学習モデルがサポートされるようになり、顧客および業界固有のナレッジの統合が可能になる。
- Pythonスクリプト・ファンデーション:AI開発の標準であるPythonスクリプト環境でIronCADのAPIと自動化プログラミングを活用してシームレスな設計自動化を実現する。
- AI駆動型チャットボット:リアルタイムの最適化提案を行うチャットボットが設計に関する質問を分析し、製造可能性、コスト削減、技術的な検討をIronCADのインターフェース内で直接推奨し、ワークスペースを離れることなく即座に回答やモデルガイダンスを提供する。
- AI駆動型モデリング:機械学習アルゴリズムにより、カタログの内容と確立されたパラメータから設計コンポーネントを提案し、推奨コンポーネントで要件を満たすパラメータを設定してアセンブリの設計を加速する。今後は、インテリジェントなルールで設計を構築し、生産性とConfigure-to-Quoteプロセスを強化する機能も実装される予定。この新しい基盤は、AIを活用した自動化と実際の設計を考慮することで設計業務を効率化し、意思決定を強化し、生産性を加速する。
一般的なモデリングの向上
- クイックパラメータ表示と編集:選択時にクイック・アクセス・パラメータ・エディタを使用して、3Dシーンでドライビングパラメータ(長さ、幅、半径など)を直接編集できるため、パラメトリック調整が迅速化され、反復設計が簡素化される。
- ディスクCAMジェネレーター:カスタマイズ可能なモーションパス(直線、調和、サイクロイド、多項式)と押し出し可能な2DスケッチでディスクCAMを作成し、迅速かつ正確な機械システムのCAM設計を可能にする。
- スケッチ領域選択の改善:押し出しの閉じた境界の処理により、複雑なスケッチの押し出しが簡素化され、クリーンアップ時間が短縮する。
IronCAD図面の改良
- ICD曲線配置のための2D TriBall(トライボール):2D TriBallにより、ICD曲線の正確な配置、コピー、パターニングが可能になり、テンプレート作成が高速化され、2D/3Dワークフローの一貫性が確保される。
- ICDアノテーション用スマートカーソル:グラフィカルな位置合わせに対応するため、ICDにおける正確な寸法アノテーションの配置が可能になり、図面の明瞭性が向上し、手作業による調整が軽減される。
板金設計機能の向上
- 三つのコーナーに対応する板金コーナーの継ぎ目:Inventorの機能に匹敵するもので、一辺の長さが異なる複雑な板金コーナーを閉じ、エンクロージャ設計を簡素化し、製作の精度を向上させる。
IronCADネイティブトランスレータの強化
IronCADネイティブトランスレータアドオンがアップデートされて、以下をはじめとする主要な3D CADシステムの最新のファイル形式に対応するようになり、シームレスな相互運用性が確保された。
- CATIA V5:V5R8 - V5-6R2025
- Pro/E(CREO):16 - Creo 12.4
- UG NX:11 - NX 2506
- Inventor:V11 - V2026
- SolidWorks:98 - 2025
- SolidEdge:V18 - SE 2025
- JT Import:8 - 10.2、10.3、10.5、10.6、10.7、10.8、10.9、10.10
- IFC:IFC 2×3、IFC 4×2、IFC 4×3
- Rhino:V2-8
- DXF/DWG:2.5 - 2026
IronCAD社のゼネラルマネージャー兼製品・戦略担当上級副社長であるCary O'Connor氏は今回のリリースについて、「IronCAD 2026は、精度を高め、ワークフローを効率化させるツールで設計者に力を与えるという当社の取り組みを反映したものです。当社の強固なCAD機能と高度なAI機能の統合により、ユーザーの皆様は設計プロセスにおいて比類のない生産性と革新性を達成することができます」と述べている。
発売時期:
IronCAD 2026は現在ダウンロード可能である。機能の包括的な概要については、www.ironcad.comを参照されたい。