Siemens社が2030年までに20万人の電気技師と製造専門家の育成に取り組むことを発表
2025年12月 8日
Siemens社 2025年12月4日
米国のSiemens社が、人材育成パートナーシップを拡大し、2030年までに20万人の電気技師と製造の専門家を育成することを発表した。研修パートナーや学術機関と協力し、Siemens社内だけでなく、業界横断的なキャリアを追求するために必要なスキルを労働者に習得させることで、米国の産業の成長を支える広範な人材パイプラインの強化を目指す。
Siemens社は、コミュニティカレッジ、技術プログラム、業界団体、業界リーダーからなる全国的なネットワークと協力し、認定資格や実践的な技術プログラムなどのトレーニング課程を構築する。この全国的な取り組みは、米国の再工業化を推進し、新興の産業技術部門を形成するというSiemens社の広範な戦略の要である。また、Siemens社の「Skills for Life」（生涯スキル）戦略にも貢献するもので、各地域で強力な現地の人材のパイプラインを構築し、経済成長を支援するという同社の献身的な姿勢を反映している。Siemens社は、アクセスしやすく、高品質で、業界のニーズに沿ったAI統合型トレーニングを提供することで、個人が有意義なキャリアを確保できるよう支援すると同時に、企業や地域社会の繁栄を実現させる。
「前例のないデジタルトランスフォーメーションの時代において、米国産業の未来はAIに対応できる熟練労働力にかかっています」と、Siemens社常務取締役兼人材＆サステナビリティ・チーフオフィサーのJudith Wiese氏は語る。「だからこそSiemensは、生涯学習のためのアクセス可能なパスウェイを構築し、個人が新しいスキルを身につけたり、現在の専門知識を深めたりできるように尽力しているのです。Siemens社は、人材に投資し、継続的な能力開発を促進することで、今日の労働力が将来に向けての適応力と準備力を持てるようにし、企業、地域社会、経済に永続的な価値を生み出しています。」
現在、熟練工に対する需要が急増している。デジタルツールやAIの成長に大きく後押しされ、電気技師の仕事は2024年から2034年にかけて、全国平均を大きく上回る9％の成長率が見込まれている。米国労働統計局によると、毎年推定8万1,000人の新規雇用が見込まれているが、これは主に退職とキャリア転換によるものである。製造業も同様のプレッシャーに直面しており、毎年50万人近い募集が報告されている。米国Manufacturing Instituteとデロイトの調査によると、2033年までに製造業で新たに必要とされるポジションは380万にものぼり、労働力開発の拡大がなければその半分は埋まらない可能性があると予測している。
「テクノロジーは、それを支える人々の力によってのみ力を発揮しますが、米国の産業とインフラは何十年にわたって人材不足という持続的な課題に直面しています」と、Siemens USA社暫定社長兼最高経営責任者（CEO）であるAnn Fairchild氏は言う。「経済を再工業化する取り組みが加速し、新たな産業技術セクターが出現している今こそ、AIに対応できる新世代の熟練工リーダーを育成するために必要な規模と影響力を備えた人材開発エコシステムを構築する時です。Siemensは、より多くの企業に競争上の優位性を与え、国の生産性を向上させるエンジンを活性化させ、アメリカンドリームを強化するために、その一翼を担うことを約束します。」
Siemens社の目標は、自社で働く人員を開発するだけでなく、慈善投資、教育パートナーシップ、最先端の訓練インフラを組み合わせた、全国的な労働力エコシステムの構築を支援することだ。Siemens社の技術訓練エコシステムと業界全体の人材パイプラインは、既に全国の学術機関から業界団体、労働団体まで10万以上のパートナーとつながっている。
このようなエコシステムのアプローチは、製造業やエネルギーなどの主要部門を対象とした一連のプログラムに反映されており、これらのプログラムは合計で20万人の労働者を訓練するというコミットメントに貢献することになる。以下、そのプログラムを紹介する。
電力部門
- Siemens Educates America
・学校や地域社会とのパートナーシップを通じて、STEMや製造に関する実践的なスキルを学生に提供。
・カリキュラムの提供、トレーニングラボの寄贈、XR、BILT 3Dインストラクション、Pneumaなどのデジタルトレーニングツールへのアクセスを提供。
・パートナーシップのネットワークは32の州にまたがり、全国で32,000人の実習生にサービスを提供中。
- Siemens Foundation
・標準化されたカリキュラム、実践的な経験、業界で認知された資格を通じて、電化とインフラにおける労働力の即戦力を支援。
・全国的なパートナーシップを通じて、熟練技能職におけるスケーラブルなキャリアパスを構築。年間7,500人以上の訓練生にサービスを提供中。
- Siemens Power Academy
・グリッドのオートメーション、保護、制御に従事するエネルギー担当者向けに、専門家主導の柔軟なトレーニングを提供。
・2024年に設立されたこのコースは、業界の専門家が指導を行う。Wake Tech Community Collegeを通じて継続教育単位の取得が可能。
・これまでに300以上のトレーニングコースを通じて887人の専門家を育成済み。
製造部門
- Siemens Automation Cooperates with Education
・オートメーションの知識を伝えるための教材、トレーナーパッケージ、ワークショップで教育者をサポート。
・1,000以上の公的教育機関と提携し、10,000人以上の学生を受け入れ。
- Siemens Mechatronic Systems Certification Program
・電気工学、機械工学、コンピュータ工学を統合したメカトロニクスシステムに関して、業界で認められた認定資格を提供。
・16の提携校と協力し、約200人の学生がプログラムを修了。
Siemens社は米国の産業とインフラへの継続的なコミットメントを示しているが、この人材戦略はさらに深い真実を反映している。それは、私たちの世界を作り、パワーを与え、構築する人々は、今後も米国のイノベーションを牽引し続けるだろうということだ。熟練工の新しい世代を育成し、彼らにAIで道を切り開く力を与えることで、新しい産業技術部門の特徴であるデジタルとデータ主導の変革を推進する人間の創意工夫を解き放つことができるであろう。