Altair社が設計・シミュレーションプラットフォーム「HyperWorks 2026」をリリース
2025年12月15日
Altair社 2025年12月9日
Siemens社の傘下に入ったAltair社は2025年12月8日、同社製設計・シミュレーションプラットフォームの最新版「HyperWorks 2026」のソフトウェアアップデートを発表した。このリリースでは、AI、ハイパフォーマンスコンピューティング、マルチフィジックス統合の新機能が追加され、エンジニアリングチームが業界を問わずCAE設計とシミュレーション作業をより効率的に行えるよう支援することを目的としている。
JetZero社がHyperWorksを使用
混合翼航空機を開発するスタートアップ企業であるJetZero社は、航空機の開発と製造でSiemens社と協力しており、同社の全翼設計は燃料効率の向上、低騒音、低排出ガスを目標としている。JetZero社は、従来の高忠実度の数値流体力学手法よりも迅速に空力学に関するインサイトが得られるよう、HyperWorks製品群の一部であるFlightStreamを使用している。
HyperWorks 2026が提供する六つの主要なイノベーション
AIを活用した設計とシミュレーション
幾何学的ディープラーニング、生成アルゴリズム、GPUアクセラレーションによる低次モデリングにより、ほぼリアルタイムの予測と迅速な検証をサポート。物理ベースのAIモデルは安全なブラウザベースの環境で実行でき、従来のソルバーシミュレーションよりも大幅に高速な結果を提供する。ベクトルと平滑化粒子法(SPH)のサポートが追加され、対象領域が拡大した。
エンタープライズ規模のプリプロセッシングとモデルアセンブリ
大規模で複雑なアセンブリの高速シミュレーションのサポートがアップデートされ、ビルドと検証のサイクルが短縮された。ナビゲーション、バッチメッシング、コネクタ管理が向上し、プリプロセッシングが効率化されるとともに、より緊密なデータ管理リンクによりチーム間の一貫性が維持される。
マルチフィジックスシミュレーションの統合
統合されたソルバーと領域結合により、熱・流体系や電磁気・構造系などの相互作用の解析が可能になった。また、新しいワークフローにより、電子モーターの最適化、バッテリーの安全性調査、高温解析がサポートされるようになった。さらに、コシミュレーション標準によりデジタル継続性が向上した。電磁界シミュレーションのより高速な実行が実現し、レーダーやEMC解析のための伝搬モデリングが新しいアプリケーションのために拡張された。
自動化、コラボレーション、接続性
PythonとAPIのサポート拡張、コード不要のワークフローツール、クラウド統合によりデジタル継続性が向上した。また、可視化ツールとプロットツールが強化され、結果の解釈と共有を支援する。さらに、サードパーティ製ソフトウェアとの相互運用性により、デジタルツインワークフローをサポートする。
リアルな粒子、流体、材料の挙動
新しいモデリングアプローチは、バルク流動、衝撃挙動、高温効果をより正確に表現することを目的としている。Pythonによる自動化により、離散要素法ワークフローが高速化され、連成ソルバーがバッテリーの安全性と材料応答の研究をサポートする。
直感的な設計と運動探索
ワークスペースのさらなる統一が図られ、運動探索と形状精密化をサポートする。マルチウィンドウビューでのリアルタイムアップデートにより、セットアップ時間を短縮。また、インプリシットモデリングとダイレクトサーフェス編集によりジオメトリの変更が簡素化され、サイドバイサイド比較によって、より迅速に代替案を評価できるようになった。