ModuleWorks社がデジタル製造ソフトウェアコンポーネント「ModuleWorks 2025.12」をリリース
2025年12月22日
ModuleWorks社 2025年12月10日
ModuleWorks社は2025年12月9日、同社製デジタル製造ソフトウェアコンポーネントの最新版「ModuleWorks 2025.12」のリリースを発表した。ModuleWorks SDKの最新リリースでは、加工効率、プロセスの安全性、部品品質を向上させるために設計された新しい自動化機能が提供される。
金型の新しいコーナー仕上げ
複雑な金型には、深いポケットや鋭角な内部コーナーがあることが多く、アクセスや工具の制約により加工が困難な場合がしばしば見受けられる。従来の3軸フライス加工では、細長い工具を使用するためコストやリスクが高く、手作業での仕上げが必要な残留材料が発生する。
ModuleWorks 2025.12では、新しいコーナー仕上げツールパスが導入され、未切削材の検出、安定した工具中心線の生成、最適化されたパスのマージによって再配置が最小限に抑えられることで、前述の課題を克服するように設計されている。切り立った部分と浅い部分の両方に対応するツールパス戦略を自動的に調整し、正確な材料除去、高い加工面品質、手動研磨の削減を実現する。
FeedControl - ユーザー定義プロセス制約
送り速度最適化機能「FeedControl」は、切削力や個々の加工機の能力に応じてツールパスを動的に調整し、安定した切削条件の維持、工具寿命の延長、加工サイクルの高速化を支援する。
ModuleWorks 2025.12では、FeedControlインターフェース内でカスタムのプロセス制約を直接定義できる新しいオプションが追加された。サイドロード、チップロード、パワートルク制限などのパラメータを指定することで、加工効率と安全性を最適化するツールパスの微調整が可能になった。
アダプティブ荒加工 - 薄肉の回避
荒加工プロセスでは、予期せず薄肉加工となることがあり、不安定な切削条件や工具やパーツの損傷リスクが高くなる。
これを克服するために、ModuleWorks 2025.12では加工プロセス全体を通してストックの肉厚をアクティブに監視・管理する新機能が提供される。この機能は、高速加工において一貫した工具のかみ合いを確保し、プロセス全体の信頼性を向上させるように設計されている。
熱溶解積層法 - ジャイロイドインフィル
ジャイロイドパターンは、その複雑な波状構造と優れた機械的特性で知られているが、複雑な密度計算を必要とするため生成が難しい。
ModuleWorks 2025.12では、ユーザーが定義したインフィル密度とパス幅に適応する高度な数式からジャイロイド構造を直接計算できるようになった。これにより、ジャイロイド設計の機械的な利点はそのままに、カスタマイズされたパターンを容易に生成できる。
スワーフ加工 - 入力自動化
ModuleWorks 2025.12ではスワーフ加工が大幅に向上した。最新のアップデートでは、サーフェス上のガイドカーブを確実に検出するロジックが強化され、丸みを帯びた境界のサーフェスも検出できるようになった。これにより従来の制限が克服され、エッジ形状に関係なく一貫したカーブ選択が可能になった。また、プログラミングのワークフローを簡素化して高速化することで多様な部品形状を扱いやすくなり、複雑な加工シナリオでも一貫した結果を得ることができるようになった。
ModuleWorks 2025.12 は、ModuleWorks社の ウェブサイトからダウンロード可能である。