Siemens社がHannover Messe 2026における展示内容を発表
2026年 3月 9日
Siemens社 2026年3月1日
Siemens社は、2026年4月20~24日にドイツで開催される世界最大級の製造業向け国際展示会「Hannover Messe 2026」において、産業用AIが、製品と生産システムの開発・設計からコミッショニング、運用、継続的最適化に至るまでのライフサイクル全体をいかに改善するかを実演する。同展示会では、AIを単体の分析ツールとして扱うのではなく、デジタルツイン、ソフトウェア定義の自動化、一貫したデータ基盤と結びつける応用例に焦点があてられる。
オーケストレーションとクローズドループ最適化のための産業用AI
Siemens社は、日常業務において重要性を持つ産業用AIを展示する。このような産業AIは、計画・生産・イントラロジスティクスをまたいでインテリジェントなオーケストレーション機能を果たすもので、変更が発生するたびに専門家が手動で再計画するのではなく、AIが計画・シミュレーションから生産・イントラロジスティクスまで、複数のステップにわたるワークフローを調整する。その際、AIは人間の専門家に置き換わるのではなく、人間が持つ能力を拡張する役割を果たし、AI駆動のガイダンスと推奨事項を提供することで、専門家でない者でも複雑なプロセスを自信を持って調整できるよう支援する。優先順位の変更や障害発生による迅速な再スケジューリングが必要な場合など、自然言語を用いてプロセスを調整することも可能である。
フィジカルAI:靴製造におけるヒューマノイドロボット
同展示会で注目したいのがフィジカルAIの活用事例だ。これは単に推奨事項を提供するにとどまらず、現場レベルで安全に動作するAIシステムである。Siemensのブースでは、積層造形技術と高い製品多様性を備えた柔軟で適応性の高い靴の製造ラインを展示。ロボットが製造された靴を袋に詰める専用のフィジカルAIセルの様子を見ることができる。生産プロセスに統合されたこのロボットは、AIを活用した自律的な方法で複雑かつ反復的なハンドリング作業を遂行する。
デジタルエンタープライズ:製品からサプライチェーンまでカバーするエンドツーエンドの展示
もう一つの焦点とされるのが、消費財向けデジタルエンタープライズだ。エンドツーエンドの展示では、製品開発・レシピ管理・生産・インフラ・サプライチェーンにわたるデータサイロを打破することで、製品多様性や持続可能性要件の増加、需要変動、厳格な規制にもかかわらず、消費財メーカーがより迅速かつ確信を持ってイノベーションを実現する方法を示す。
Siemens社はポテトチップ、化粧品、清涼飲料の生産事例を通じて、コンテキスト化されたデータ基盤が情報を結びつけ、アイデア・仕様管理から企業レシピ管理(レシピ開発・スケールアップ・生産移行)、デジタルツインを活用した製造、バーチャル試運転に至る全段階で産業用AIを実用化する方法を実演する。生産・包装工程では、産業用AIがインライン品質検査、工程切替の最適化、予知保全、プラント・建物インフラの最適化を支援する。また、サプライチェーンでは追跡管理とデータ駆動型物流がエンドツーエンドの透明性を実現する。
ポップアップ工場:消費者に近い場所での生産
Siemens社は実際の消費財メーカー事例に基づくモジュール型ポップアップ工場を展示する。小規模でアジャイルな施設は、製品・生産・サプライチェーンを需要のある場所、すなわち最終消費者に近づけるが、これを新たな飲料の事例で説明する。この事例では、レシピ・官能特性・包装が没入型デジタルツインとシミュレーションを用いて仮想的に完全に開発・検証されている。
その他のデモ:エネルギー・流通インフラ
Siemens社はまた、高まる電化需要への対応と老朽化したインフラの近代化に向けた、エネルギー・流通グリッド向けアプリケーションも紹介する。仮想化された保護・制御システムと産業用AIは、顧客が運用アラームの優先順位付けやOT(機器や装置、製造プロセスなどの制御・監視のためのシステム)の脆弱性の評価を行い、大規模で複雑なデータセットを実用的な提言に変換できるよう支援する。これにより安全性、信頼性、持続可能性が向上すると同時に、運用コストとライフサイクル全体のコストを削減できる。