PD Advisor Ver4.1でヒケ評価に対応。形状・材料違いを短時間で比較

射出成形品に発生する代表的な外観不良の一つに「ヒケ」があります。ヒケは、リブやボスの裏側、厚肉部などに発生しやすく、製品品質や設計の手戻りに影響する場合があります。

PD Advisor Ver4.1では、形状の肉厚分布と収縮量に基づいてヒケの発生傾向を評価できるようになりました。設計段階でヒケが発生しやすい箇所を可視化し、形状や材料の違いによる設計案の比較検討を短時間で行えます。

射出成形品のヒケとは

ヒケとは、射出成形品の表面に発生するへこみやくぼみのことです。樹脂が冷えて固まる過程で体積収縮が生じ、肉厚が厚い箇所や冷却が遅れやすい部位では、表面が内側に引き込まれるように変形することがあります。

特に、以下のような部位ではヒケが発生しやすくなります。

  • リブの裏側
  • ボスの周辺
  • 厚肉部
  • 肉厚変化が大きい箇所
  • 樹脂の収縮が大きくなりやすい形状

ヒケは製品の外観不良として認識されやすく、意匠面に発生した場合は製品価値に影響することがあります。また、設計後半や試作後にヒケが見つかると形状変更や金型修正が必要となり、開発期間やコストに影響する可能性があります。

PD Advisor Ver4.1からヒケ評価に対応

PD Advisor Ver4.1では、射出成形品のヒケ評価に対応しました。

PD Advisorによるヒケ評価では、形状の肉厚分布と収縮量を基に、ヒケが発生しやすい箇所を解析します。結果は「ヒケ度合い」として表示されるため、どの部位にヒケのリスクがあるかを視覚的に把握できます。

これにより、従来は経験や試作結果を基に判断していたヒケの発生傾向を、設計段階で確認しやすくなります。

形状や材料違いによるヒケ度合いの比較

PD Advisorでは、形状や材料の違いによるヒケの発生傾向を相対的に比較できます。リブやボスの裏側、厚肉部など、ヒケが発生しやすい部位を「ヒケ度合い」として確認できるため、設計案ごとの違いを視覚的に把握できます。

例えば、形状を変更した場合や材料を変更した場合に、ヒケの発生しやすさがどのように変化するかを比較できます。これにより、設計初期段階からヒケのリスクを把握し、形状や材料の検討に役立てることができます。

サンプルモデル

石鹸置きの3D CADデータ

各条件によるヒケ度合いの結果

  • 材料:PP リブ幅:2mm(厚い)

  • 材料:PP リブ幅:1mm(薄い)

  • 材料:ABS リブ幅:2mm(厚い)

  • 材料:ABS リブ幅:1mm(薄い)

短時間で複数ケースを比較可能

PD Advisorによるヒケ評価は、短時間で計算できる点も特長です。この例では、1ケースあたりの計算時間は約5分です。

  • メッシュ要素数:約11.2万
  • CPU:Intel Core Ultra 7 155H 16コア搭載ノートPC
  • 計算時間:1ケースあたり約5分

条件違いの4ケースを実施した場合でも1時間以内で評価できるため、形状や材料の組み合わせを短時間で比較できます。今回の例ではPP(リブ幅:2mm)が最も大きく、ABS(リブ幅:1mm)が最も小さくなる傾向となります。

まとめ

ヒケは、射出成形品の品質や開発工程に影響する成形不良です。試作後に発覚すると形状変更や金型修正などの手戻りにつながる場合があります。設計初期段階からヒケの発生傾向を確認し、形状や材料の違いを比較することで、より効率的に対策を検討できます。

PD Advisorにご興味・ご関心をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。