Ansys社が解析駆動設計ツール「Ansys Discovery」を発表
2020年 7月20日
Ansys社 2020年7月17日
2020年7月17日 ―― Ansys社は2020年7月17日、次世代の解析駆動設計ツールとなる「Ansys Discovery」を発表した。同社によれば、この新たなソフトウェアはAnsys Discovery Liveによってもたらされた進化に基づいて構築されたもので、インタラクティブなリアルタイムシミュレーションと高忠実度なAnsysソルバーテクノロジー、およびダイレクトモデリングを単一のツールへと結合した包括的なソリューションを提供することで、高品質な製品をコスト効率的に開発するためのチーム間コラボレーションを促進することができるとしている。
HAWE Hydraulik社R&Dシミュレーション部門長のStefan Macho氏は、「Discoveryにより、我々のチームは開発中の製品の物理的な振る舞いを設計の早期段階でより良く理解できるようになり、顧客の要求に対してより適切にこたえることができただけでなく、過剰性能や不確かさを避けることができました。このことは、製品パフォーマンスの改善と設計効率の向上、そして製品開発サイクルの短縮という結果をもたらしました」と述べている。
Ansys Discoveryは、迅速な物理解析と精度の高い高忠実度解析、およびインタラクティブなジオメトリモデリングを単一かつ使い勝手の良いインターフェイスへ統合したソフトウェア。発表によれば、リアルタイムかつ高速な反復的設計探索を実施できるため、設計者がより広大な設計空間を探索し、製品設計プロセスのより早期の段階で迅速に重要な設計方程式の解を得られるようになるとしている。
TECHFIT Digital Surgery社CEOのMauricio Toto氏は、「Discoveryにより、弊社の設計者が新製品を開発する方法に大きな影響をもたらしました。構想段階や設計段階において解析を適用するようになることで、最善ではない、あるいは最終的に高くつく解決策を選択してしまう前に、設計に関する意思決定のもたらす影響を早い段階で理解できるようになるのです」と述べている。
Ansys社によれば、同ツールにより、エンジニアリングに関する労務費を26%削減しつつ、これまでよりも60%多くの設計代替案を評価し、物理的な試験や安全を確保するために要する費用を19%削減できるとしている。
Ansys社設計ビジネスユニット統括マネージャーのMark Hindsbo氏は、「Ansys Discoveryは、次世代のユーザーエクスペリエンスを提供し、あらゆる技術者に対して、非常に迅速かつ直感的な学習曲線を実現します。これは、3D設計において、Ansys Discovery Liveの初期リリースと同レベルの大きな進歩を示すものです。弊社独自のリアルタイム解析技術と、実績あるソルバーとを結合することにより、かつてないほど容易に広大な設計空間をインタラクティブに探索し、最高の精度で修正できるようになります。このため、製品開発におけるアイデア化と設計の段階で解析を前もって実施することで、修正に要するコストが増加する、あるいは変更が困難になる前にリスクを見つけ出すことができるでしょう」とコメントしている。
Ansys社は、2020年7月29日午前11時(EDT)にAnsys Discoveryに関するバーチャルランチイベントを開催予定としている。