Ansys社とEOS社が積層造形部品開発のための先進的ワークフロー提供で協力

2020年10月26日

Ansys社 2020年10月22日

2020年10月22日 ―― EOS社とAnsys社は2020年10月22日、積層造形部品開発のためのより高度な最先端ワークフローの提供で協力すると発表した。新たなワークフローは、EOS社の金属積層造形システムとAnsys社の解析ソリューションを組み合わせるもので、積層造形技術者による非常に高精度な部品の開発や生産性の改善、製造時間の短縮、およびかつてないほど短期間での製品の市場への投入が可能となるとしている。

今日では、さまざまな業種において積層造形の導入が加速しつつあるものの、依然として多くの技術者がトライアルアンドエラー式の手法にのっとっており、目的の形状を達成するための工程パラメーターの最適化のために非常に高い費用を要している。造形欠陥は効率性を悪化させるだけでなく、開発コストの高騰や製品の市場投入の遅れに直結する。EOS社とAnsys社の技術を組み合わせることで、実際の造形に先立って造形欠陥に関する問題を特定し、軽減策を検討できるようにすることで、顧客が求める部品をより迅速かつ精度良く作成することが可能となる。

両者間の新たな協力関係により、EOS社とAnsys社の製品間での相互運用性が向上する。Ansys社がEOS Developer Networkの一員となることにより、Ansys社の解析製品を通じてユーザーの積層造形プロセスを改善すると共に、EOS社の3D造形システムへ直接ジョブを送信することで迅速な造形作業を実現するとしている。加えて、解析の信頼性を高めるために、EOS社のオープンソースアプリケーションプログラムインターフェイス(API)を用いてAnsys社の解析機能からEOS社製品固有のデータを利用できるようになるとしている。これにより、ひずみやそのほかの問題の予測と補正結果に基づいて部品ジオメトリを修正し、造形欠陥を削減できるだけでなく、生産性を改善するための製造工程のアップグレードも可能となるとしている。同時に、設計変更が部品の微細構造へどのように影響するかを予測できるようになることにより、より適切な材料を選択できるようになるとしている。今回発表された新規ワークフローにより、以前の手法と比較して、単純なプリントジョブの実行は最大50~60%、複雑なプリントジョブであっても最大20%高速化できるものと見込まれている。

EOS社Division SoftwareシニアバイスプレジデントのMartin Steuer氏は、「Ansys社とEOSは共に、世界中の企業による部品の設計手法と製品の改善方法、および最先端製品の作成手法を変革し続けています。Ansys社の解析技術とEOSの3Dプリント技術を組み合わせることにより、両社共通のユーザーのコストを削減しつつ、信頼性と効率性を向上させ、競合他社よりもはるかに迅速な市場への製品投入を実現するようなシームレスなワークフローを実現します」と述べている。

Ansys社シニアバイスプレジデントのShane Emswiler氏は、「Ansysの解析機能は、EOS社のスキャンベクトルを活用し、多孔性や残留応力、あるいは熱ひずみなどの欠陥を予測し、潜在的なブレード破壊の可能性を回避するうえで役立ちます。EOS社との協力は新しいレベルの知見をユーザーへ提供し、複雑な部品をより精度良く、かつより容易に造形できるようになります。解析機能によってこのような造形上の問題をいち早く特定できるようになることにより、より適切なパラメーターを選択し、そのままの設計でうまく造形できるのか、あるいは追加の設計変更が必要となるのかを知ることができます。このため、従来の試行錯誤で生じていた無駄な造形を大幅に削減することで実際に造形する必要性を最小限とし、廃棄される材料や大幅なコスト削減を実現します」と述べている。

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