PROSTEP社がデジタルスレッド生成用アプリケーション「OpenCLM」を発表
2021年 8月 2日
PROSTEP社 2021年7月29日
2021年7月29日 ―― 今日の製造業はスマート製品とシステムの開発に関する二つの課題に直面しており、プロジェクトの複雑性をこれまで以上に制御可能としつつ、新たな要求に対して機敏に対応できることが同時に求められている。PROSTEP社は、この目的にこたえるための新たなツールとして、デジタルスレッドを生成するためのスマートで無駄を排除したWebアプリケーションとなる「OpenCLM」を提供する。OpenCLMにより、部署間の境界を越えてデータの透明性を確保し、成果物と意思決定結果を関係者全員が追跡することが可能となる。
今日の企業では、異なる部署間で一貫性のあるデジタル化(デジタルスレッド)を保証するために、関係者による相当量の尽力を必要としている。一般的に、データは膨大な数のデータサイロ(部署ごとのストレージ)に分散しており、(デジタルスレッドのためには)手動で照合し、リンク付けする必要がある。OpenCLMは、この種の作業に要している膨大な時間と労力を削減する。OpenCLMでは、個々の部署内に存在する情報オブジェクト間にWeb指向型の参照関係を作成する。これにより、情報を非対称なシステムランドスケープ内に配置し、相互関係や状態を記録、解析し、自動的にレポートを生成し、コンプライアンス要件に準拠することが可能になるとしている。
OpenCLMは、製品ライフサイクル全体を通じたデジタルスレッドを作成し、多種多様なユースケースに対応する。OpenCLMは、プロジェクトの遂行時には、プロジェクトの進捗の管理や、プロジェクトの成果の品質とコンプライアンスの監視、部署間での変更に関するコミュニケーションのために利用されうる。一方、プロジェクト完了後には、インパクト分析や欠陥管理を可能とするのみならず、監査の際のトレーサビリティ要件を満たすうえで役立つとしている。
PROSTEP社担当マネージャーのSteven Vettermann博士は、「OpenCLMは、新たな重量級PDMではなく、単にドメインシステム内の情報オブジェクトを結び付け、ユーザーが自身の業務を遂行するために必要とする情報を提供する軽量Webアプリケーションです。OpenCLMは、企業が社内のIT環境やプロセスを変更することなしに、潜在的なデジタルスレッド能力を活用できるように支援するためのツールです」と述べている。
PROSTEP社の新たなデジタルスレッドアプリケーションは、実績豊富なOpenPDM統合プラットフォームを介して、非対称的なシステムランドスケープ(PDM / PLMやERP、あるいはアプリケーションライフサイクルマネジメントなど)を結び付けると共に、追加的な連携モジュールや機能モジュールによって補完する能力を備えている。OpenCLMの中核となる機能としては、プロセスとプロジェクト管理の統合や成熟度検証、マイルストーンと成果物の計画、部署間での変更の調整、およびトレース用参照関係と設定の生成と管理などの機能が挙げられる。
OpenCLMにより、異なるソースシステムから、追加の複製物を作成することなく、プロセス要件を考慮しながらデータとドキュメントをリンクすることが可能となる。生成されたリンクは使用されているITシステムには依存せず、新規システムへ切り替えられた場合であっても変更されない。リンクされたデータオブジェクトは、ステータスや変更日、あるいは所有者などのメタデータと合わせて、明瞭かつ簡潔なコクピット(ダッシュボード)内に表示できるため、ほかのデータバージョンと容易に比較することができる。
特定の情報を記録するために、各マイルストーンや所定のポイントにおいて、いわゆるベースラインを作成することも可能となっている。必要であれば、この種のベースラインをエクスポートし、情報交換のために使用することや、標準形式でアーカイブすることも可能としている。
再利用可能なプロジェクトテンプレートやプロセステンプレートにより、認証目的の場合に必要となるような、プロジェクトとプロジェクトの文書に関する一貫性とコンプライアンスに関する要件を満たすことが可能となる。