Siemens Digital Industries Software社がメッシュレスCFDソフトウェア「Simcenter SPH Flow 2202」をリリース

2022年 3月22日

Siemens Digital Industries Software社 2022年3月9日

Siemens Digital Industries Software社は2022年3月9日、同社製メッシュレスCFDソルバーの最新版「Simcenter SPH Flow 2202」をリリースした。Simcenter SPH Flow 2202のリリースにより、各業界の設計者やCFD解析者は、新機能や機能強化を活用して、複雑な動的流体間相互作用のモデリングをより高速に行うことが可能となった。特に自動車エンジニアは、開発期間とコストを削減しながら、あらゆる走行条件下での車両性能を確保するため、数値流体力学(CFD)シミュレーションによる仮想テストを必須としている。しかし、コストのかかる実験を最小限に抑えるためには、シミュレーションを活用してそれらシナリオの複雑さを高い忠実度で再現しなければならない。車両動作の正確なモデリングから高度な水の動的予測管理まで、CFDシミュレーションでは、複雑さを競争力に変えるために、高い忠実度の固体力学と物理的な考察が求められている。今回の新リリースでは、それらユーザー体験を向上させ、市場投入までの時間を短縮しながら生産性を高めることが可能となった。

Simcenter SPH Flowの主な新機能

複雑化したモデル - サスペンションモデルによる複雑な車両動作のモデル化

Simcenter SPH Flow 2202に追加されたバネモデルは、動的な流体ボディーの相互関係をモデル化するために唯一欠けていた最後のパーツである。車両のウェーディングでは、車輪の回転速度、路面への接触、サスペンションを設定することで、複雑な道路上での車両動作がモデル化できるようになった。この新機能により、車両動作の精度と制御性および、動的ワークフロー全体の使い勝手が飛躍的に向上している。さらにバネモデルにより、バルブなどの部品を含むアプリケーションのシミュレーションが可能となった。

高速化 - 表面張力モデルの拡張による水流シミュレーション高速化

車両用水の衝突・水流シミュレーションでは、特に小さな面積の場合、水の軌跡に高い精度が要求される。Simcenter SPH Flow 2202では、陰解法ソルバーに新しい表面張力モデルを搭載して表面の接触角を設定し、親水性(高接触角)または疎水性(低接触角)表面を定義できるようになった。陽解法ソルバーにおける既存の表面張力モデルと比較して、陰解法ソルバーにおける拡張機能は、同等精度のシミュレーション時間を最大35分の1にまで大幅に短縮できる(自由表面の生成なし)。

可能性の追求をより速く、より深く - ユーザー体験を向上させた合理的なシミュレーションの設定

シミュレーションが複雑になればなるほど、ワークフローもより高度になる。「Simcenter SPH Flow Studio」は、形状の準備から解析まで段階的な環境を提供し、業務を強力にアシストすることができる。

生産性向上が期待される、その他Simcenter SPH Flow 2202の新機能

  • シミュレーションワークフロー全体をカバーするPythonスクリプト機能により、モニタリングとポストプロセスの自動化を拡張
  • 初期ドメインワークフロー定義のためのガイド付きユーザーインターフェイスの改善
  • 外部入力ファイルの可視化と編集のための対話型ツールの強化

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