MachineWorks社がCNCシミュレーションソフトウェア「MachineWorks v8.4」を発表

2022年 3月28日

MachineWorks社 2022年3月18日

MachineWorks社は2022年3月18日、同社製CNCシミュレーション・検証ソフトウェアの最新版「MachineWorks v8.4」のリリースを発表した。

主な機能強化一覧

  • 安全なホルダープロファイルの計算
  • 複数のツール衝突チェックを同時に実施
  • 衝突チェックのシミュレーション精度向上
  • 設計部品比較の拡張機能「Render Query」(レンダークエリ)
  • 曲げシミュレーションにおける交差ソリッドの解析機能強化
  • 新しい断面ストックビュー
  • アプリケーション定義の行程ボリューム

安全なホルダープロファイルの計算

この新しい方法を用いることで、特定のツールパスを衝突せず、最大限安全に使用できる加工プロファイルが計算可能となった。取得したホルダー形状をツールライブラリーで利用可能なホルダーと比較することで、ユーザーは加工中に衝突が発生しないホルダーを選択できるようになっている。

複数のツール衝突チェックを同時に実施

工具とホルダー、ストッカーと治具との衝突チェックを複数同時に行う機能が追加された。特定のホルダーや組み合わせでの安全なアクセス制限を高速で決定できるようになった。
この機能は内部でマルチスレッド化されており、ツールパス生成と最適化アルゴリズム、CMMと計測・検査の高速パス評価において優れた性能を発揮している。

衝突チェックのシミュレーション精度向上

この新しいオプションにより、衝突チェックの計算をホストアプリケーションが要求するまで延長でき、材料を取り外さない場合の工具の衝突チェックを大幅に高速化することができる。
このオプションは、オフラインのツールパスまたは検証エンジンの一部として使用した場合のパフォーマンスを向上させるだけでなく、CMMおよび計測検査のパフォーマンスも大幅に向上させることが可能となった。

設計部品解析比較のための拡張機能

「MachineWorks Render Query API」は、特に設計部品またはターゲット部品の比較結果の分析に関して大幅に拡張された。
Render Query APIは、グラフィカルシミュレーションをジオメトリーシミュレーションから切り離す最適化されたメカニズムを提供し、外部グラフィックス環境とMachineWorksの密接した統合および、パブリック、プライベートクラウドなどの分散配備での使用を可能にしている。

  • Render Queryのアップデートでカットナンバーが利用可能となった
  • 新しいAPIにより、Render Query解析メッシュをディスクにシリアル化可能
  • Render Queryアップデートで配信されるトライアングルを指定するための新しいフィルター提供(レストマテリアルのみを表すトライアングルなど)
  • 解析メッシュの距離情報を直接エクスポートできる新しいAPIの提供。これにより、異なる材料深度の境界を表すポリカーブの作成などが容易になった

曲げシミュレーションにおける交差ソリッドの解析機能強化

切削加工時の中間加工と行程ボリュームの間に生じる交差を分割・再結合するAPI機能が新たに追加された。これは複雑な板金曲げ行程において、衝突しない工具を選定する際、特に関連性がある。

新しい断面ビュー

旋盤加工シミュレーションの断面図の描画パターンが追加され、パフォーマンスが大幅に向上。

アプリケーション定義の行程ボリューム

MachineWorksでは既に幅広い加工行程ボリュームの生成をサポートしているが、クライアントが独自の行程ボリュームを生成して使用したいケースも存在する。MachineWorks 8.4では、ストックと機械部品の両方が移動する環境を含め、材料取り外しと衝突検出の両方で静的および動的ソリッド間のカスタム行程ボリュームの使用を直接サポートする新しいAPIが追加されている。
これにより工程内ストックの形状が複雑化し、汎用(はんよう)CADのBREPエンジンでは安定したパフォーマンスでシミュレーションを継続できない場合、MachineWorksと「Polygonica」の中核をなす独自のポリゴンBREPブールエンジンにより、作業を引き継ぐことができる。また、エンドユーザーが行程ボリュームを柔軟に定義して独自の特殊加工をサポートできるようにするなど、これまで考えられてきた用途を超えたMachineWorksエンジンの革新的な新しい使い方へつながっていく。

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