Friendship Systems社がCFD形状最適化ソフトウェア「CAESES 5.1」をリリース

2022年 8月29日

Friendship Systems社 2022年8月25日

Friendship Systems社は2022年8月25日、同社が開発するCFD形状最適化ソフトウェアの最新版となる「CAESES 5.1」をリリースした。CAESES 5.1では、ジオメトリーモデリング、CFDオートメーション、そして形状最適化など、全ての機能で改善が実施された。

設計変数の影響を可視化

CAESES 5.1では、いわゆる設計速度を用いて設計変数が形状に与える影響を可視化する便利な機能が追加された。

設計速度は、設計変数の値の変化によるモデル表面の法線変位として定義される。幾何学的な観点から設計変数に影響を与える領域を表示し、与えられた設定における形状修正の可能性を理解するうえで特に有用となっている。

GUIフェイスリフト

CAESESのGUIが新しくなり、より直感的に操作できるようになった。

アプリケーション別ワークスペース

海事およびターボ機械アプリケーション用の新しいワークスペースタブにより、専用機能へのシングルポイントアクセスが可能になり、必要なツールを簡単に見つけることができるようになっている。

点の双方向結合

式や設計変数で定義されたポイントを移動すると、以前に設定された依存関係を壊すことなく、対応する値が動的に変更される。

セレクションフィルター

3Dビューの新しいセレクションフィルターにより、ユーザーは選択対象を特定のオブジェクトタイプに制限することができ、特に複雑なモデルでの正確なピッキングを簡素化することが可能となった。

より簡素なモデリングとクリーンなプロジェクト

ダイナミックオブジェクトタイプ

新しいオブジェクトを作成する際のデフォルト設定として、ダイナミックオブジェクトタイプが使用されるようになった。

新しい汎用ポイント、カーブ、サーフェスオブジェクトタイプでは、オブジェクトの生成後に作成方法を選択でき、与えられたタスクに最適な方法のヒントが表示されるようになった。またモデルを構築する際に、依存関係を壊すことなく作成方法を後から柔軟に変更することが可能となっている。全てのオブジェクトタイプとそれら個別のプロパティを把握し、あらかじめ決めておく必要がなくなったと同社は述べている。

カーブコントロールポリゴンの編集機能強化

カーブの新しいポストプロセッシングオペレーションは、あらゆるカーブタイプの制御ポリゴンの編集を可能にし、以下のような新しい自由度を生み出せるようになった。

  • 点の挿入、置換、削除
  • 指定位置でのリファインメント
  • 選択した点数での再補間
  • 開始接線と終了接線の調整
  • 指定した点の変位

カスタムスコープのソートによるプロジェクトの整理

さらに重み値を導入することで、ツリーに表示されるオブジェクトの順序をカスタマイズする新しいオプションも導入された。これによりアルファベット順とは別に、スコープやオブジェクトを好きな順番で並べることが可能となり、オブジェクトに番号を振る必要性もなくなった。

新しいビデオチュートリアルプラットフォーム

CAESESの学習スピードを上げるために、新しいビデオチュートリアルの提供が開始された。

役に立つビデオの作成は現在進行中としているが、定期的に新しいものを追加し、総合的なライブラリーを確立する予定としている。

新しい設計空間の探索と最適化アルゴリズム

初期バリエーション生成のための新しい適応的サンプリング手法

ラテンハイパーキューブサンプリングに加え、Dakotaの設計エンジンに搭載されたインテリジェントなアダプティブサンプリング手法を新たに追加された。アダプティブサンプリングを行うことで、計算コストのかかるシミュレーションの正確な予測因子として使用できるサロゲートモデルが構築可能となる。できるだけ少ないシミュレーション回数で、対象領域全体の誤差を最小化するサロゲートを構築することが有利に働くとしている。

適応的部分とは、ランダムな選択や標準的な空間充填技術に完全に依存するのではなく、特定の関心領域のシミュレーションサンプルに焦点を当てて、サロゲートを改良することを意味している。この手法では、ラテンハイパーキューブサンプリングによるシミュレーション結果の初期セットに基づいて、ガウス過程(Kriging)モデルをサロゲートとして使用し、サロゲートの誤差が最も高いと予測されるデザインスペースの領域でデータポイントを追加して反復的に増強している。

ペナルティ関数を用いた最急降下法

再急降下法とは、小規模な単一目的の最適化問題に対する非常に単純な最適化アルゴリズム。このアルゴリズムの主な利点は、最初の改善点を見出すのに必要な評価回数が非常に少ないことがあげられる。

最初のステージでは、n+1回の評価を行い、目的関数のn次元の勾配を決定する(nは考慮する自由変数の数)。勾配が決定されると、最も急な勾配の方向に最適な一次元探索が行われる。このアプローチの単純さ(一次元探索)により、得られた設計は最適解とはみなされず、より良い設計を見つけるための初期段階と仮定される。

CAESES 5.1では、さらに使いやすく、最も堅牢なジオメトリーエンジンが導入され、自動化と最適化タスクのための直感的で効率的な統合フレームワークを提供している。その他機能は以下の通り。

  • BRep of Revolution:一連のカーブを回転させることで容易にBRepを作成
  • 設計空間の次元削減
  • 主なパラメーターとCAD設計変数を組み合わせて、より多くのオプションと詳細な制御を実現
  • 代替の逆変換(主パラメーター空間から元のCADパラメーター空間へ)メソッドを選択して、より多くの主パラメーターを処理し、特定のジオメトリに対してより高い精度を取得
  • Dakota社の設計エンジンで次元削減法が使用可能になった
  • BReps上でも曲率を可視化し、検査可能になった

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