Matterport社が3Dスキャナーの「Pro3 Camera」を発表
2022年 9月 5日
Matterport社 2022年8月31日
Matterport社は2022年8月31日、同社製3Dスキャナーの最新版となる「Pro3 Camera」を発表した。Pro3 Cameraは、屋内外を問わずあらゆる物理的世界の側面をデジタル化できる、画期的な3Dキャプチャー技術である。Matterport社の次世代デジタルツインプラットフォームは、画期的な没入型バーチャル体験をベースに高度なワークグループのコラボレーションと生産性を実現し、中小企業からグローバル企業まで、あらゆる規模の組織にコスト削減と収益拡大をもたらすことができるとしている。
これら新サービスが続々登場しているのは、デジタルツインに対する世界的な需要が高まりつつあるためである。Forrester Research社の報告によると、世界のソフトウェア業務にかかわる意思決定者の55%が既にデジタルツインを採用している。その業界リーダーである同社は、第2四半期に前年同期比52%増の総加入者数を記録し、既にフォーチュン1000社の23%にデジタルツインプラットフォームを提供している。
Matterport社の会長兼CEOであるRJ Pittman氏は次のように述べている。「本日、弊社がこれまで開発した中で最も強力な製品を発表し、3D技術における極めて重要なブレークスルーを達成することができました。弊社の新しいPro3 Cameraとクラウドプラットフォームは、世界で最も正確で没入感のある、素晴らしいデジタルツインを作成します。企業がMatterportのデジタルツインを活用し、ビジネスを転換する機会はかつてないほど大きくなっています。」
エンタープライズ向けMatterport
デジタルツインは、ビジネスリーダーが不安定な経済環境を乗り切り、モバイルとリモートファーストの従業員の生産性加速を支援している。ビジネスリーダーがデジタルツインに投資する主要因として、79%がコスト削減のため、71%が業務効率のためとしている。新しいPro3とクラウドプラットフォームが、拡張性、信頼性、セキュリティを中核とする企業の要求に合わせて構築されていることも、Matterportのデジタルツインプラットフォームを業界で最も信頼できるブランドと評価される要因の1つとなっている。
Pro3カメラとクラウドプラットフォームの進歩により、ユーザーは没入型デジタルツインをこれまで以上に簡単に作成できるようになった。工場、小売店、ホテル、航空会社など、さまざまな分野において、デジタルツインによってプロジェクト時間が30%短縮され、遠隔地とのコラボレーションが進み、出張費が最大で50%削減されたと報告されている。ある商業用不動産のユーザーは、販売完了までの時間が最大85%短縮できたとしている。ホスピタリティー業界では、デジタルツインを導入することで予約と稼働率が14%向上したと報告された。また住宅購入者の71%が、3Dデジタルツアーがあれば、その住宅を一目見て購入すると回答しているデータもある。
Matterportデジタルツインプラットフォーム
Matterportでは屋内外を問わず、あらゆるサイズや形状の建物およびスペースのデジタルツインを作成、公開、管理するクラウドソフトウェアプラットフォームを再構築している。これらの新機能は全てシームレスに統合されているため、ユーザーは従業員、顧客、パートナーがコラボレーションを行うための没入型環境を安全に作成することが可能となっている。
新しいワークグループコラボレーションフレームワークである「Views」により、1つのデジタルツインから最大限の生産性を得ることが可能となった。グループおよび大企業は、仮想検査、リモートトレーニング、空間計画、パーソナライズされた仮想ツアーなど、異なるチームと異なるタスクを管理するための個別で、権限ベースのワークフローを作成することができる。
全く新しいガイドツアーとタグにより、顧客エンゲージメント、生産性、販売コンバージョンを向上させ、訪問者の体験を向上させることが可能となった。マーケティングおよびセールスチームは、訪問者の興味に合わせて、あらゆる施設または住宅のガイド付きバーチャルツアーを作成できるようになった。
Matterport Capture ServicesはPro3 Cameraにて、世界中の主要都市でオンデマンドのキャプチャー技術者から最高品質のデジタルツインを取得できるようになった。企業向けキャプチャーサービスは、屋内外を問わず、1つの空間から数千の建物のポートフォリオまでデジタル化できるようになった。小売チェーンからホテルグループ、企業キャンパスまで、寸法が正確で写真のようにリアルなMatterportデジタルツインを入手し、オンラインで物件を管理することが、かつてないほど簡単にできるようになった。
iOSおよびAndroidデバイス用の新しいMatterportアプリは、デジタルツインのキャプチャー、カスタマイズ、表示、編集、公開、復元機能をまとめた完全対応のモバイルソリューションで、Matterportプラットフォーム全体をどこにでも持ち運ぶことが可能となった。
Matterport Pro3 Camera
Matterport Pro3 Cameraは、最も先進的な Matterport 3D キャプチャーデバイスで、屋内外を問わず美しい画像を作成するために調和して働くセンサーの強力な組み合わせを備えている。この価格帯でこのデバイスの驚異的なパワーを組み合わせたカメラはほかになく、3Dキャプチャーをより広く身近なものにしている。
カスタム2000万画素センサーと超広角をカバーする12枚構成のレンズにより、Pro3 は正確で詳細なデジタルツインを、鮮やかで本物のような色彩で表現可能となった。高精度LiDARセンサーの画期的な進歩により、薄暗い場所から直射日光の当たる場所まで、さまざまな条件下で、最大100メートルの範囲を20秒未満でスキャンし、数百万点の測定値を取得することが可能になった。
Pro3は3Dキャプチャーに革命をもたらし、スピード、忠実度、はん用性、精度の新たな基準を打ち立てた。以前は5万ポリゴンが限界だったインタラクティブメッシュは、今では無制限となり広い空間のメッシュは100万ポリゴンを簡単に超えることができる。新しいデジタルツインは、ユーザーが空間を移動する際にオンデマンドでストリーミングされ、全てのユーザーがモバイルおよびWebプラットフォームで利用できるようになり、ロード時間の短縮、フレームレートの向上、パフォーマンスを損なうことなくはるかに多くのディテールを再現できるようになった。
MatterportのCortex AIエンジンは、5倍以上の範囲をキャプチャーできるようにアップグレードされており、複雑な植物、照明、反射面をスキャンした場合でも、屋内外の空間を変換することができる。新しいMatterport Digital Twinプラットフォーム、Pro3、アップグレードされたCortex AIの組み合わせにより、かつてないほど正確で没入感のある、高品質なデジタルツインが実現される。
研究開発・製造担当バイスプレジデントのLou Marzano氏は次のように述べている。「Pro3カメラは、長年にわたる先進的な研究開発と、お客様の声に耳を傾けてきたことを反映しています。その結果、3Dキャプチャー技術におけるブレークスルーが生まれました。デジタルファーストの業界では、製品基準を新たなレベルに引き上げ、精度、レンジ、機動性がお客様の成功に不可欠な要素となっています。私たちは、これら全てをポータブルデバイスにまとめ、商業用LiDARキャプチャーの価格対性能の新たな閾値(いきち)を達成しました。スタジアムからキャンパスまで、大規模な屋外会場をこれまでにないスピードと精度でキャプチャーしています。Pro1やPro2がそうであったように、Pro3はほかに類を見ないカメラであり、また新たな業界初の製品を生み出したチームを大変誇りに思います。」
Pro3は、Matterportらしい印象的な新デザインで、以下のような画期的な機能を搭載している。
- カスタムビルドの2000万画素センサーと12枚レンズにより、広い空間を超ワイドにキャプチャー可能
- 水深0.5mから100mまで、毎秒100kポイントをキャプチャー可能
- 高精度LiDARセンサーにより、さまざまな光条件下で比類ない精度を実現
- カメラ起動時間40秒以下
- 取り外し可能なバッテリーパックで連続スキャンが可能、また3.5時間でフル充電可能
- Pro3はPro2より30%小型化、35%軽量化され、重量は2.3kgを下回る。
- Pro3用に設計された新しい三脚マウントと新しいケースにより、最高の携帯性と保護性を実現