EPLAN社が電気設計用プラットフォーム「EPLAN Platform 2023」をリリース
2022年 9月12日
EPLAN社 2022年9月5日
EPLAN社は2022年9月5日、同社製電気設計用プラットフォームの最新版となる「EPLAN Platform 2023」をリリースした。EPLAN Platform 2023は、より使いやすく、ユーザーの時間短縮とパフォーマンスの向上を実現する数多くの新機能が備わっている。EPLAN社副社長のThomas Weichsel氏は次のように述べている。「エンジニアリングにおけるコラボレーションの機会とともに、回路図マクロの新しいマルチスタンダードサポートはとても際立っています。新しいEPLAN Platform 2023では、特に国際的なプロジェクトにおいて、これまで非常に時間のかかっていたデバイスデータ管理の手間を省くことができるようになりました。」
規格に準拠 - 最大20個の回路図マクロを持つデバイス
ガイドラインなど企業固有の規格、異なる寸法仕様、NFPAやIECなど世界市場にはさまざまな企画があり、回路図にデバイスを表現する幅広い方法が必要となっている。従来は一つのデバイスに対して一つのマクロしか保存できなかったが、新しいデバイスデータ管理システムでは、各デバイスに最大20個の異なる回路図マクロを割り当てることが可能となった。ユーザーにとっての利点は、関連する規格を選択した後、ソフトウェアが自動的に正しいマクロを割り当て、ドラッグ・ドロップで簡単に回路図に転送できることが上げられる。これによりデバイスの取り扱いが簡素化され、プロジェクト全体像が把握しやすくなり、必要な管理作業軽減につながるとしている。
例えば、EPLAN Data Standardに従ってEPLAN Data Portalにデバイスデータを提供する部品メーカーも利益を得ることができるとWeichsel氏は説明している。「将来的には、例えばドライバーをEPLAN Data Portal上で異なる回路図マクロを含む一つのデータセットとして保存、管理できるようになり、メーカーがデータを提供、管理するための労力が大幅に削減されます」。
EPLAN eSTOCK - クラウドベースのデバイス管理
EPLAN Platform 2023の新しいデバイスデータ管理ツールであるEPLAN eSTOCKを使用し、デバイスデータをEPLANクラウドで管理することが可能となった。これによってコラボレーションがさらに容易になり、調整時間の複雑さが軽減された。EPLAN eSTOCKへのアクセスは、会社など場所に関係なく機能するようになった。プロジェクト参加者は自宅で作業していても、世界中のどの場所にいても、あるいはビジネスパートナーとデータ共有していても、クラウド上のデバイスデータに簡単かつ安全にアクセスすることができる。これにより企業はITインフラの構築、維持にかかるコストを始め、時間の節約もできるようになった。
3Dグラフィックスエンジンによる性能向上
機械やプラントシステムの自動化はより一層進み、デジタルツインは制御盤やスイッチギアのエンジニアリングプロセスに不可欠な要素となりつつある。それに伴い、制御盤のレイアウトはますます複雑化し、3D構造化に対する要求も高まり、管理しなければならないデータと情報の量は、飛躍的に増加している。従来特に大規模な3Dモデルのレンダリングには、多くの時間を要していた。新しいエンジンDirect3Dグラフィックコアを搭載したEPLANは、プロジェクトプロセスを大幅にスピードアップすることに成功した。これにより3Dレンダリングが大幅に高速化され、ズーム、回転などのアクションがよりスムーズかつ容易になった。
ケーブルエディターによるケーブル管理の最適化
EPLAN Platform 2023 は、プラントシステム全体に分散して配置された制御盤のフィールドケーブル配線を簡素化することが可能となった。例えば新しいケーブルエディターにより、配線数に関係なくEPLAN Platform上でケーブルを簡単に管理、視覚化することができる。デバイスとタイプ番号、配線の開始位置と行き先、シールドと接点が一つのダイアログボックスにグラフィカルに表示される。この新しいケーブルエディターは、EPLAN Harness proDにおける仮想マシンケーブルの配線とケーブル長を簡単に決定するための基礎となっている。ケーブルの情報は接続元から接続先まで、一目で分かるようになっている。
インサートセンター - プロジェクトの全体像を把握
シンボル、マクロ、デバイスを全てダイアログボックスの表として、よりフォーカスして表示できるようになった。EPLAN Platform 2023の拡張されたインサートセンターは、より良いプロジェクトの概観を提供できるようになっている。また外部ドキュメントやリンクされたドキュメント内でも、直感的にデバイスを検索することが可能となった。どのコンポーネントがどの電流強度を使用しているかなど、表内をクリックするとロジック情報が直接表示される。また新しいタグ付け機能により、ナビゲーションが容易になり、論理的な選択経路とプロジェクト構造により、検索とプロジェクト計画全般が加速される。Microsoft Excelとの新しいインターフェイスは、ユーザーの作業を簡素化した。ユーザーはデータをそれらフォーマットで出力するためにソフトウェアをインストールする必要がなくなり、リスト、テーブルの出力が全体的に効率化された。