Siemens Digital Industries Software社がCADソフトウェア「Solid Edge 2023」をリリース
2022年10月17日
Siemens Digital Industries Software社 2022年10月12日
Siemens Digital Industries Software社は2022年10月12日、同社製3D CADソフトウェアの最新版となる「Solid Edge 2023」を正式にリリースした。Solid Edge 2023は、合理化された新しいユーザー体験、Siemens Xceleratorポートフォリオとの相互運用性の向上、共通のワークフローにおける機能の改善と共同作業を実現している。
Siemens社でメインストリームエンジニアリングソフトウェア担当のシニアバイスプレジデントであるJohn Miller氏は次のように述べている。「Solid Edgeの各リリースでは、3D設計から高度なCAM、技術出版までをカバーする革新的なテクノロジーと機能を提供していますが、これらの機能をコミュニティーに提供する方法を進化させることも重要なポイントとしてとらえています。現在弊社では、中小規模製造業のビジネスニーズの変化に対応するため、新しいライセンスオプションを導入して、より高い柔軟性と価値を提供するとともに、Xcelerator Shareによってコラボレーションとスピードを向上させています。」
Solid Edge 2023の新機能は？
以下にSolid Edge 2023の注目すべき新機能を紹介する。
SaaSサブスクリプションでSolid Edgeを最大限に活用
SaaSサブスクリプションを利用することで、Solid Edgeを最大限に活用できるようになった。ユーザーが使用している製品開発ツールが、Xcelerator CloudとSoftware-as-a-Service（SaaS）サブスクリプションとして提供されるようになった。Solid Edge SaaSは、クラウドへの接続を可能にし、ニーズに合わせてソフトウェアやサービスにアクセスする機会をユーザーに提供する。ITのオーバーヘッドを削減し、コストを管理し、ビジネスを容易に拡張することが可能となり、特別な追加機能、付属ツールにアクセスができるようになった。データをクラウドに安全に保存し、いつでもどこでも、どのデバイスでも、チームと簡単に共有することができ、拡張現実（AR）機能を活用することで、製品の詳細を確認することも可能となった。サブスクリプションに含まれるXcelerator Shareを使用することでコラボレーションも容易となり、また新しいバリューベースライセンスにより、設計データをさらに活用するためのアドオン機能を即座に利用することもできるようになった。
クリック数を減らし、作業を効率化
ユーザーインターフェイス（UI）を刷新してワークフローが合理化された。直感的なコマンドバーやツールバー、パーソナライズオプションの更新、モデリングワークフローの改善など、ユーザーの作業スタイルに合わせたモダンなUIに刷新された。オーダード（フィーチャーベース）モデリングが改善され、シンクロナス（ダイレクトモデリング）ツールがオーダード環境でも利用可能となった。それにより生産性が向上し、共通のワークフローを行うためのクリック数が減り、時間短縮を実現した。
設計データをさらに活用
新しい相互運用性の強化により、設計データのパワーを引き出し、作業精度がさらに向上した。Solid Edgeのデータを、NXやProcess Simulateを含むXceleratorの製品群から簡単かつ正確に転送できる。SOLIDWORKS、JT、STEP、Parasolidのファイル（部品またはアセンブリ）も、変換せずにSolid Edgeのアセンブリに直接挿入することが可能となっている。
設計と製造の意図をシームレスに活用
モデルベース定義の強化により、3Dモデルの詳細をこれまで以上に迅速かつ簡単に作成するためのツールが提供されている。ワークフローの改善と自動アシストにより、生産性が大幅に向上した。新しいアドオンであるSolid Edge Advanced PMIは、下流のPMIアプリケーションに高品質で一貫性のある寸法挿入を提供する。
新しい製造機能で不可能を可能に
Solid Edge CAM Proの新しい5軸加工用多軸荒加工は、時間を節約しながらより効率的に材料を切削することが可能となっている。4軸加工用の新しい回転加工アドオンと新しいワイヤーEDM機能により、従来は高価、もしくは不可能であった形状の作成が可能になった。スマートマシンキットライブラリーにより、標準化されたプロフェッショナルなマシンシミュレーションキットに簡単にアクセスできる。
より速く、反応の良いユーザーインターフェイスで技術出版物を作成
新しくモダンなユーザーインターフェイスと、使いやすさ、ワークフロー、アニメーションの強化により、イラストレーションや技術資料の作成がさらに容易になった。リッチテキストメタデータをイラストやパーツに割り当て、動的に表示することができるようになった。カメラの移動、パーツの移動、表示および非表示、その他のアニメーション機能に対して、あらかじめ定義されたタイミングでのカスタムトランジションが作成できる。また複数のマスターページを定義して、ドキュメントと一緒にビジュアルサムネイルを表示することも可能となっている。
柔軟なライセンスオプションで、必要な機能を必要なときに利用
Solid Edgeのバリューベースライセンスでは、必要なときに必要なアドオン機能を選択することができる。この新しい柔軟なライセンスオプションは、Solid Edge XaaSのサブスクリプションを通じて利用でき、統合された製品にすぐにアクセス可能となっている。「Generative Design Pro」、「Point Cloud Visualization」、「Electrical Routing」、「PCB Collaboration」、「Advanced PMI」、「Solid Edge Simulation」、「Solid Edge XpresRoute」の統合製品にすぐにアクセスできる。柔軟なトークンシステムにより、必要に応じてアドオン製品を組み合わせて使用することもできるようになった。