Hexagon社とAltium社がエレクトロニクス分野における持続可能性の向上について提携
2023年 3月13日
Hexagon社 2023年3月3日
Hexagon社のManufacturing Intelligence部門とAltium社は2023年3月3日、エレクトロニクスの設計と製造をより環境的に持続可能なものとするために戦略的提携を締結したことを発表した。この提携により、設計・エンジニアリング、製造、計測のデータを活用するHexagon社の技術力と、PCB設計とエレクトロニクス分野のサプライチェーンインテリジェンスにおけるAltium社の強みが組み合わされ、製品開発で行われる決定事項がエレクトロニクスとスマート製品の持続可能性に与える影響に対する企業の理解を促進していく。
現在、ほぼ全ての産業がCO2排出量とエネルギー消費量の削減、製品のリサイクル性の向上、多くの規制要件への適合に対する圧力の高まりに直面しているが、エレクトロニクス業界では、サプライチェーンやオペレーションのグローバル化が進み、また製品そのものが複雑であるため、このような変化に対応することは非常に難しく、エコシステム全体で持続可能性のパフォーマンスを管理するソリューションはほぼ皆無である。今回のHexagon社とAltium社の提携は、エレクトロニクス産業が環境に与える影響の大きさを認識してのことで、業界の持続可能性をサポートする新しいツールやソリューションを提供することにより前向きな変化をもたらすことを目的としている。
この提携では、Hexagon社のNexusプラットフォームとAltium社のAltium 365プラットフォームが統合され、次の四つの主要分野に取り組むことになる。
- 製造の持続可能性:継続的な改善を通じて廃棄物を削減し、環境への影響を最小限に抑える持続可能な製造プロセスや技術の特定・導入を支援。
- 持続可能な設計:高度なシミュレーション主導の設計、バーチャルプロトタイピング、品質検査技術を活用して、適切な材料、設計、製造プロセスで持続可能な製品を創造するためのデータ主導のワークフローを提供。
- イノベーションの促進:Hexagon社のSixth Senseスタートアップエコシステムやサポートプログラムなどを活用して、マーケットとの協働により進化する市場ニーズに対応し、現在と将来の課題に対処する新しいソリューションを開発。
- エンタープライズソリューション:エレクトロニクス業界で持続可能性のためのイノベーションを推進するために必要な、ビジネス上の差別化要因やインテリジェンスを提示するソリューションを提供。
この提携は多岐にわたり、2023年以降も開発の継続が予定されている。初期のソリューションは、Hexagon社のNexusデジタルリアリティプラットフォームならびに、PCB設計、MCAD、データ管理、チームワークを統合したAltium 365エレクトロニクス製品設計プラットフォームで利用可能な、CO2の影響のトラッキングとリサイクル性改善によるeWaste(電子ゴミ)の削減に焦点が当てられている。
業界標準化団体であるIPCの社長兼CEOであるJohn Mitchell氏は「IPCは、Altium社とHexagon社が持続可能性向上のために提携を締結したことを喜ばしく思います。Altium社のPCB設計とサプライチェーンに関する専門知識とHexagon社の計測・分析能力が組み合わされることにより、電子業界における環境持続性のリーダーとして、また、Sustainability Leadership Councilも参加するIPCイニシアチブにおける価値あるパートナーとしての両社の地位が確固たるものとなりました」と語る。
Altium社の最高エコシステム責任者であるTed Pawela氏は、今回の提携について「サステナビリティは、私たちの業界のほぼ全ての企業にとって重要な経営課題です。Hexagon社との提携により、顧客が取り組むべき主要な持続可能性指標のトラッキングと報告、そして何より改善において真の進歩が可能になることでしょう。IPCならびにHexagon社との継続的な協働により、我々の業界における持続可能が強化された未来の創造に貢献できることを楽しみにしています」と述べる。
また、Hexagon社Manufacturing Intelligence部門の最高製品・技術責任者であるParth Joshi氏は「サステナビリティはHexagon社の最優先事項です。Altium社と協力し、同社のエレクトロニクスに関する専門知識とソフトウェアを活用して、お客様に豊富なソリューションを提供できることを嬉しく思っております。両社とも、エレクトロニクス業界における持続可能性の見方、実装、導入を変革するというビジョンを持っています。我々は、お客様が非効率性に対処し、CO2排出量を削減し、循環型経済を導入するのに役立つ持続可能な製造プロセスとオープンなデジタル技術を開発し、提供することをお約束します」と述べている。