Tacton社がデジタル製造業の現状に関する調査結果を発表

2023年 3月27日

Tacton社 2023年3月21日

Tacton社は2023年3月21日、「State of Digital Manufacturing 2023」(デジタル製造業の現状2023)と題して実施した調査の結果を発表した。同調査では、世界同時不況に備え、エンドツーエンドの円滑な運用を確保するためのレジリエンスの構築に注力する業界の姿が明らかになった。

同調査の報告書では、北米および欧州における製造業の200名の経営幹部および管理職を対象として実施した調査で示された、2023年以降の製造業のデジタル戦略および優先順位に関する重要な洞察が示されている。過去3年間においては、さまざまな混乱が発生して製造業の経営に大きな影響を与えてきた。新型コロナウイルス感染症の世界的流行、気候変動に関する法律の強化、消費者の新たな購買習慣によって、販売や営業の現在の体制が試されることになり、あらゆるビジネス機能に混乱が生じた。

そして今、新たな混乱が到来している。世界中で景気後退の可能性が叫ばれる中、企業は利益の低下を回避しようと支出減少に注力している。2023年は、このように不透明な経済状況の中、メーカーはデジタル化への取り組みの加速化やレジリエンスの構築を進め、高まる規制や消費者の期待に応えるために投資先を選択する動きが出てくるとみられる。

本調査の主な結果は以下の通りとなっている。

2023年はデジタルトランスフォーメーションが製造業の成功の中心に

変化が急速に進み、競争の激しい市場で生き残るためには、ソフトウェアやデジタル技術への投資が不可欠であることを製造業は理解している。回答者の74%が、来年度の経営目標を達成するためにデジタルトランスフォーメーションが重要であると指摘している。

不確実な経済情勢が投資の原動力に

世界経済のダイナミズムは常に流動的であるが、複雑な製造業にとっては、景気の変動がもたらす影響は特に大きなものとなり得るため、製造業はエンドツーエンドでプロセスの最適化と自動化に努めている。 2023年に見込まれる景気の問題に耐えるため、回答者の32%がデジタルトランスフォーメーションを加速させ、67%がセールストランスフォーメーションを優先事項として掲げている。

投資分野の上位はサプライチェーンの最適化

近年、新型コロナウイルス感染症やそのほかの地政学的な混乱により、製造業のサプライチェーンの脆弱性が明らかになった。サプライチェーンの予測可能性、リソースの不足、スタッフの確保をめぐる問題は、現在もメーカーにとって最大の関心事であり、回答者の64%が2023年にサプライチェーンに投資するとしている。

規制と顧客の要求がメーカーのサステナビリティを後押し

消費者、投資家、規制当局からの要求が高まるにつれ、サステナビリティと環境・社会・ガバナンス(ESG)のゴールを達成することは、いまやあらゆるメーカーにとって最重要課題となっている。回答者の63%がサステナビリティは非常に重要であると考え、サステナビリティによる価値の創造と組織リスクの軽減の可能性を認識している。

Tacton社の最高経営責任者であるBo Gyldenvang氏は、次のように述べている。「この数年、製造業では混乱が絶え間なく発生し、業界の形成や再形成が続いてきました。2023年は、グローバル市場全体が不況に陥る中、この傾向は続くものとみられます。メーカーにとっては、今日の顧客が求めるカスタム製品や持続可能な選択肢を提供するために、デジタルトランスフォーメーションを加速させることがこれまで以上に重要になってきます。これらのソリューションを提供するメーカーが新たなビジネスを獲得し続ける一方で、ほかのメーカーは競争力を維持するのに苦心し、時間の経過とともに市場シェアを失っていくでしょう。」

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